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2020.09.30

メーカーズボイス

「プロスタッフ バージョン13.0<PRO STAFF V13.0>」“#13代目の原点進化”をテニスクラシック編集部が試打インプレ!!

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新「プロスタッフ  バージョン13.0」を
編集部(広)(川)がじっくり吟味!!

9月28日、ウイルソン「プロスタッフ バージョン13.0<Pro Staff V13.0>」がついに発売となった。キーワードは「#13代目の原点進化」、原点とは1983年に誕生したバージョン1.0(プロスタッフ ・ミッド)。そこに立ち返り、さらなる進化を遂げようということ。今回、バージョン13.0に関しては、一つは、ロジャー・フェデラー(スイス)のために作られた「プロスタッフ RF97オートグラフ」、もう一つは「プロスタッフ97」「プロスタッフ97L」「プロスタッフ97UL」と2つの道を作った。

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前者に関しては、フェデラーが進化させたオートグラフモデルをさらに完璧にしようと小さな改良を加えたもの。同様の試みを行ったバージョン11.0では、フェデラーは大成功を収めている(2017年全豪・ウィンブルドン優勝など)。今回は、より完璧な<アンコンタミネーテッド・デザイン2.0>にすることで、来シーズン、2017年の再来を目指している。

もう一つは、バージョン1.0の打ち味を再現するため、ウイルソンの特許テクノロジー“カーボンマッピングテクノロジー”を生かした「ブレード45」を搭載し、トップ寄りでの飛びを高めるなど、まさに“#13代目の原点進化”を体現したモデルとなっている。

その発売日に! テニクラ試打隊1号(広)、2号(川)が新「プロスタッフ  バージョン13.0」4モデルを味わってみた。

「#13代目の原点進化」は、どんな手応えとなったか!?

※ストリングは「NXTパワー16」を、46ポンドで張っている


インプレッション1
「プロスタッフ RF97オートグラフ バージョン13.0」



「打っている人に
これだけ強い印象を
与えるラケットはない」



不肖(広)、オートグラフ試打にチャレンジいたします!! 実は、前作(バージョン12.0)、前々作(バージョン11.0)、前々々作(バージョン10.0)も持っていたりするので、同オートグラフモデルに関してはある程度わかっているつもりである。

打ってみると、やはり打ちやすい。

これぞRFというのか、ザ・プロスタッフの打球感を味わえるのが、このラケットだと思う。340gというと腰が引けるという人が多いと思うが、バランスポイントが30.5cmと重い分手前に持ってきているので、実は、振り抜きはよかったりする。とはいえ、普通に選ぶなら候補に入らないかもしれないが、個人的には問題の重さも慣れ次第だと思う。ボレーに遅れるなどはあるかもしれない。ただ、ボールをツブしやすかったり、重さによって逆に助かったりとそれ以上に恩恵を受ける部分もあるから魅力的なのだ。

打っていて、思うのはやはりフラットドライブ系のボールが気持ちよく飛んでくれるということ。スピンをグリグリかけられる人もいると思うが、それこそ340gという重さを生かしてナチュラルなスピンという方が、ラケットの良さ引き出せると思う。重さの分、ボレーも当然負けにくくなるというメリットもあるし、サーブでは思っている以上に走ってスライスサーブ、スピンサーブでも速めのサーブが良くなる利点もある。また、やはりこのラケットを使っているプレーヤーからは重いボールが帰ってくるのも、特徴<(川)のボールも重かった…>。重いショットで相手を押していきたい、という人にもオススメしたい。

一つ、打っていて残念というか気付いたのは、スロート部分。今回、そこに配されたロゴが新しくなったのは、新鮮でいいのだが、レーザー彫刻ではなくなっているため、手触りがかなり変わるのだ。バージョン11.0、バージョン12.0のオートグラフを使っていて、ラケットを握る際にスロートに指を置く人は、この点は違和感を感じるだろう。

とはいえ、完成度をより高めた「プロスタッフ RF97オートグラフ」には、なんともいえない魅力がある。ストローク、ボレー、サーブ、どれもが独特の味わい。使ってみないとわからない、と言ってしまうと試打インプレの意味がないが、打っている人にこれだけ強い印象を与えるラケットはそうはないと思う。正直、欲しい。いやきっと買うだろう。






濃い打球感でボールの情報が
はっきり分かるが、やはり重い…


やはり重い…(笑) と思ってしまう、(広)からは「これがいいのだ」と言われるが、やはり良い面、悪い面あると思う。

まず特徴的なのは、その打球感だ。とにかくしっかりしている。そして凝縮された感覚、表現が変かもしれないが、濃い打球感というイメージ。捕らえたところに神経があって、どう捕らえてどんなボールがいくかが想像できる。それに、相手の強打に対してもまったく打ち負けることはないというのも素晴らしい。特にボレーでは、それをしっかり感じることができる。97ULで感じたフレームの硬さはなく、かといってしなりすぎるといった感じもないので、心地よい硬さでボールを捕らえることができるというのは良かった。

一方で、やはり重さの分、速いボールに対しては振り遅れることが多かった。だから、ストロークを打っていて、後手になってしまう感覚があった。パワーがないと振り回せないのではないだろうか。(広)は慣れだと言うけれど…。

それとこれは好みの問題だが、元グリ (オートグラフのプレースメント・グリップ)は、レザーなのでオーバーグリップを巻いても、しっかり角が出る。シンセティック・レザーの元グリに慣れているので、角が指に当たって痛い…。シンセティック育ちの人は同様の感覚になると思う。






インプレッション2
「プロスタッフ 97 バージョン13.0」



さらにヘッドの抜けが良くなり
さらに完成度が高いモデルになった

前作「プロスタッフ97 CV バージョン12.0」は、その名のとおり、カウンターベイルが内蔵されていて、衝撃吸収性能での評価も高かった。バージョン13.0はどうか? そのカウンターベイルの衝撃吸収性もあってか、前作は前々作よりも打ち味が軽く飛ぶイメージになっていた。しかし、今回バージョン13.0を打ってみて、一番に感じたのは「打ち味、振り抜きがさらに軽くなった」ということ。軽い…と書くとチープな印象を持つ人もいるかもしれないが、そうではない。柔らかい打球感でボールを掴んでいる感覚があるのに、パワーという面ではさらにアップしている感覚があるのだ。だから、スピン系も行けるし、フラット系も打ちやすい。これは良い! と思ったのは、リターンで、ボールを掴む感覚がある(=つまりデュエルタイムが長い)のに、ボールはグンと勢いよく打ち返すことができるのだ。

お伝えしたいのは、振るほどに良いボールが打てるということ。元々トータルバランスの良さが売りのシリーズだが、抜けがいいので「わお!」と声が出るような良いボールが打てる。特にトップ寄りで捕らえた際は、これまでのプロスタッフではないようなスピンとパワーが混ざったようなボールを打つことができた。端的に言うと、乗る感覚。だからなのか、ストロークのスライスもツツーと乗って伸びていく感覚があった。

さて、衝撃吸収性はどうかというと、個人的には今回のモデルの方が好き。というのは、カウンターベイルには独特の打球感があるからだ。今回のモデルは、シンプルに気持ちいい打球感。だけど、振動はまったく気にならなかった。“カウンターベイルの衝撃吸収性が気に入っていた”という人も、これなら気にいると思う。 







4モデルの中でダントツのお気に入り
パワー、スピン、打球感、振り抜き、すベて良し

4モデルの中で、ダントツのNo.1だと思う。というのも、パワーがあるのと同時に、ボールが軽くならずに重いボールがしっかり打てるからだ。だからなのか、相手のサービスライン付近でバウンドしても、跳ねて深いボールになっていた。これなら簡単に相手も攻め込んできにくいはずだ。

特に自分は、片手バックハンドで、フェイスのトップ寄りでスピンをかけているタイプ。そこにピタッとハマった時は、とんでもないボールが飛んでいく。だから、打っていて楽しくなるのだ。スライスも打球感が柔らかで、フェイスに乗っている感覚が強い。だから長短も出しやすくて良い。

さて、その打球感は、一口にいえば、やはり柔らかいとなる。だが、バージョン13.0になって、ということでは、打球感がまったくボヤけることもないし、ハッキリしているけど柔らかいというなんとも表現しがたいものになっている。
315gとは思えないぐらい振りやすく、パワーも出るし、スピンもかかる。よりテニスが楽しくなるラケットになったと思う。




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