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2021.08.29

選手情報

日本男子ナショナルコーチ高田充氏が語る「日本選手の今シーズン」[USオープン]

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オリンピックを目指す中
プレッシャーも多かった

いよいよUSオープン2021の本戦が現地8月30日からスタートする。そこで、同大会に出場する日本選手のサポートを務める日本男子ナショナルコーチ、高田充氏に、日本男子チームの2021年のこれまでの流れを伺ってみた。

【画像】USオープン男子シングルスドロー(組み合わせ)


Q:今年最後のグランドスラムとなります。ここまでの日本チームの活動を振り返っていただけますか?

「一番は皆、東京オリンピックを目標としてやってきた中で、アジアのツアーがすべて無くなってヨーロッパへ行かなければいけなくなってしまったというのが印象深いですね。それもあって、太郎(ダニエル)は別として、皆が得意とするハードコートの試合が少なくなり、クレーコートの試合に出なければいけなくなったという面はありました。

その中で、オリンピックレースのためにランキングを上げなければいけない。どういう風にランキングを上げるかということを考えました。錦織(圭/日清食品)、西岡(良仁/ミキハウス)は出場できるだろうという予測があり、残り2枠をダニエル、杉田(祐一/三菱電機)、内山(靖崇/積水化学工業)で争うという状況。そのプレッシャーだったり、コロナ禍でのツアーのストレスだったり、選手にとってはこれまでにないくらい難しいシーズンだったと思います。

錦織はケガの影響もあって、復帰して以降、全然いいテニスができていなかったけれど、やっとつかみ出したところで東京オリンピックを迎えた。そういう意味ではオリンピックは良いきっかけとなりましたね。

そして西岡は自分の中でも苦手と思っているクレーに積極的にトライしたシーズンとなっています。結果こそそんなに良くなかったかもしれないけど、ツアーの周り方としては、攻防のパターンで進めていけたからランキングも落とさず、しっかり50位ぐらいをキープしていいオリンピックの入り方でした。

ハードコートの大会が少ないという面では少し太郎に有利に働いたと思います。本人も、オリンピック・レースに集中して4枠以内に残りたいという感じでした。また杉田に関しては、拠点をセルビアに変更したことでヨーロッパでの活動がしやすくなったことは大きかったと思います。

今年に限ってはオリンピックが中心のシーズン。その目標が、本当に開催されるのかという不安、プレッシャーもあり、テニス以外を考えなければならなかった。

PCR検査やバブル(隔離)に慣れてきたとはいえ、やはり息苦しさをみんなが感じていたと思います。それは日本選手だけではなくツアー全体がそういった空気を持っていましたね」

Q:無観客試合の影響はありましたか?

「ありますね。ノーパワー(応援がない)な中で自分との闘いになる。スポーツでお客さんに助けてもらう部分も多いし、エネルギーをもらう部分も多い。アメリカでは観客が入り、フレンチでも少し入れていたが、やはりいるのといないのとでは全然違いますね」


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