close

2022.10.05

選手情報

〈フェデラーGS20勝プレイバック14〉初の全仏オープン・タイトルを獲得! 史上6人目の生涯グランドスラム達成/2009年全仏オープン [リバイバル記事]

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

SHARE

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

フェデラーが獲得したグランドスラム20勝(全豪オープン6回、全仏オープン1回、ウィンブルドン8回、全米オープン5回)を一つずつプレイバック(写真は2009年全仏オープン)

2009年全仏オープン
大会初優勝&史上6人目となる生涯グランドスラムを達成!

9月23日、イギリス・ロンドンにて開催されたレーバーカップを最後に現役引退したロジャー・フェデラー(スイス)。フェデラーがこれまで達成したグランドスラム優勝20回(全豪オープン6回、全仏オープン1回、ウィンブルドン8回、全米オープン5回)を、当時の写真とともに振り返る。

※『テニスクラシック・ブレーク』2009年11月号別冊付録に掲載したものを再編集した記事になります

【動画】デビュー時からこれまでの全仏でのフェデラーの活躍を追った動画をチェック!

【当時の写真】2009年全仏オープン優勝を決めた瞬間や当時のプレー写真はこちら

大会前、絶対的な優勝候補として名が挙がっていたのは、ラファエル・ナダル(スペイン)。この全仏オープンでは初登場以来、負けなしの4連覇を果たしており、09年年頭の全豪オープン決勝ではフェデラーを破り優勝していたことからも、これは当然のことだった。しかし、そのナダルは4回戦でロビン・ソダーリング(スウェーデン)にまさかの敗退。大会前から左ヒザを故障していたため、動きが悪かったのが敗因だった。

また、全豪オープン後フェデラーに2度勝つなどして好調だったノバク・ジョコビッチ(セルビア)も、3回戦で伏兵フィリップ・コールシュレイバー(ドイツ)に敗退。これにより俄然、全仏オープン初優勝を狙うフェデラーに注目が集まった。

そのフェデラーは、大会前に長年付き合ってきたミルカ・バブリネックさんの妊娠が分かったため結婚。「父親になることは、僕の人生にとってもテニスにとってもすごくいいことになるはずだ」とモチベーションが高かった。さらに、過去3度この全仏オープン決勝ではナダルに敗れたことを教訓に、クレーで戦うための武器として“ドロップショット”を効果的に使う戦術を完成させていた。また「以前はクレーではバックハンドがうまく機能しなかったけれど、今ではすごく冷静に試合に臨めるようになった」とバックが進化したことを自身でも感じていたようだった。

そうした強さが表れたのが、4回戦のトミー・ハース(ドイツ)戦と準決勝のファン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)戦だ。ハース戦では最初の2セットを先取されたものの、ここから一段ギアを上げたフェデラーが3セットを連取し逆転勝ち。デルポトロ戦でも先にセットカウント1-2とリードされたが、「5セットマッチを戦う体力と経験は僕のほうが上」と余裕で逆転勝利した。

そして迎えた決勝の相手は、ソダーリング。191cmの長身から打ち下ろすサーブとベースライン後方からでも一発でエースになるパワーを持ったフォアを武器とするソダーリングは、ナダルに勝利した後、ニコライ・ダビデンコ、フェルナンド・ゴンザレス(チリ)といったクレー巧者を破ってきた勢いがあった。しかし、「僕が悪いのではなく、フェデラーのプレーの展開が速すぎて、彼が相手だとまったく主導権を取れないよ」と試合後ソダーリングがコメントしたとおり、フェデラーがまったく隙を見せずソダーリングを撃破。

過去4年間ナダルに阻まれ、グランドスラム大会ではこの全仏オープンだけタイトルを獲得できなかったフェデラー。決勝戦は、試合中も小雨が降ったり止んだりする天候だったのだが、表彰式ではその雨が大粒に変わっていた。まるで、フェデラーが史上6人目の生涯グランドスラムを達成したことを祝福するかのように。

●生涯グランドスラム達成者&達成大会
フレッド・ペリー(イギリス):1935年全仏オープン
ドン・バッジ(アメリカ):1938年全仏オープン
ロッド・レーバー(オーストラリア):1962年USオープン
ロイ・エマーソン(オーストラリア):1964年ウィンブルドン
アンドレ・アガシ(アメリカ):1999年全仏オープン
ロジャー・フェデラー(スイス):2009年全仏オープン
-------------------------------------------
ラファエル・ナダル(スペイン):2010年USオープン
ノバク・ジョコビッチ(セルビア):2016年全仏オープン
※フェデラーが生涯グランドスラム達成後、ナダルが2010年USオープンで、ジョコビッチが2016年全仏オープンで生涯グランドスラムを達成した

【2009年全仏オープン/フェデラーの試合結果】
決勝/対R.ソダーリング(スウェーデン) 6-1 7-6(1) 6-4
準決勝/対J.M.デルポトロ(アルゼンチン) 3-6 7-6(2) 2-6 6-1 6-4
準々決勝/対G.モンフィス(フランス) 7-6(6) 6-2 6-4
4回戦/対T.ハース(ドイツ) 6(4)-7 5-7 6-4 6-0 6-2
3回戦/対P-H.マチュー(フランス) 4-6 6-1 6-4 6-4
2回戦/対J.アカスソ(アルゼンチン) 7-6(8) 5-7 7-6(2) 6-2
1回戦/対A.マルティン(スペイン) 6-4 6-3 6-2

【次の記事】〈フェデラーGS20勝プレイバック15〉歴代単独1位となる、15個目のグランドスラム・タイトル獲得!/2009年ウィンブルドン [リバイバル記事]



【前の記事】〈フェデラーGS20勝プレイバック13〉不調からのターニングポイント! 2度目のグランドスラム5連覇達成/2008年USオープン [リバイバル記事]

【関連記事】フェデラーのテクニックを解説した記事一覧はこちら

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

写真=テニスクラシック