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2022.07.31

大会情報

テニスのジュニア世界大会、“11歳以下・13歳以下の世界選手権”とも呼ばれる「ダブボウル」を紹介〈後編〉

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“11歳以下&13歳以下の世界選手権”とも呼ばれる、ジュニア世界大会「ダブボウル」について徹底紹介! 写真はU11で優勝した日本の宮澤紗希乃選手(写真右)

クロアチア・ドゥブロヴニクで行われる「ダブボウル」
2022年大会の模様や外国人選手と日本人選手の違いなどを紹介

「スムリクバボウル」に続き、クロアチアで開催されるジュニアの世界大会「ダブボウル(Dub Bowl)」。毎年7月に開催される同大会には(今年は7月11日〜17日に実施)、大会が開催されるようになった2014年以来、世界65ヶ国から1,000人以上のジュニアたちが優勝を目指し集まっている。そこで、前後編にわたって「ダブボウル」について徹底的に紹介。後編では、大会中に感じた外国人選手と日本人選手のプレーの違いや、宿泊や近隣のレストランなどについてレポートする。

【画像】「ダブボウル」の会場の様子やドゥブロヴニクの町並みなどすべての写真を見る!

【前の記事】“11歳以下・13歳以下の世界選手権”とも呼ばれる、テニスのジュニア世界大会「ダブボウル」を紹介〈前編〉

大会中に感じた日本のテニスと海外のテニスの違いとは!?

11歳以下と13歳以下のカテゴリーで争われる「ダブボウル」。U11カテゴリーについては、アジア人と欧米人の間にそれほど違いが見られないと感じたが、U13カテゴリーになると身長や体格の差が一気に広がる。特に男子の場合、170cmを越える選手が少なくなく、打つサーブは日本で同年代の選手が打つのとはまったく異なるスピードやパワーを持っており、ストロークのインテンシティ(強さ)も非常に高い。

そうした選手に対しては、器用にスライスやドロップを使い分けるテニスでは勝ち切るのが難しい場合もあるだろう。ストロークのインテンシティは必須であり、速くてパワフルなサーブが打てる、あるいはリターンできる力は、国際大会で戦うために非常に重要になりそうだ。

とはいえ、U13のコンソレーションで圧倒的な強さを見せ優勝した選手は、まだ12歳で体も小さかった。それでもストロークは高身長な選手をコートから押し出すほどの力があった。テニスヨーロッパでも数多く試合をこなしているようで、大きな選手に対して打ち負けない力を十分に備えていた。身長は強いフィジカルでカバーすれば対応可能だとも言えそうだ。

クレーコートにおいてボールマークを把握する重要性

●ボールマークがなければアウトのコールは無効に
総当たり戦から準決勝まではセルフジャッジで試合が行われる。ヨーロッパ圏の選手はクレーコートで戦い慣れているので、ボールマーク(コートに残るボールの跡)をしっかり把握することの重要性を理解している。オムニコートやハードコートでは選手によるコールがすべてだが、クレーコートではその証拠が求められるし、それがなければ相手のポイントになりかねない。


クレーコートではボールマークを把握することが大切

今大会においても、ボールマークの扱いについてうまく対処できていないアジア人選手を見かけた。欧米の選手はボールが来た方向によってマークのつき方が変わることまで把握して、コールへのチャレンジをしてくる。一つひとつのポイントに対しても“相手がそう言うなら仕方ない”という考え方は一切せず、必ずマークを見に来るため、アウトをコールした場合は必ずボールマークの周りをラケットで囲み、分からなくならないようにする必要がある。

●決勝戦からは審判がつく
決勝戦では、少年少女たちによるボールパーソンが試合をサポートする。また、審判がついて試合が行われる。そのため、ジャッジについてももめることがはるかに少なくなる。決勝戦の様子は、インスタグラムでも一部ライブ配信が行われるため、遠く離れた場所にいる家族が試合の様子を鑑賞することも可能だ。


U11の決勝戦のコートに入る選手たち。決勝戦ではボールパーソンの少年少女たちが荷物を持ってくれる

日本の宮澤紗希乃選手がU11で優勝!

今年の大会では、アグレッシブかつミスの少ないテニスで圧倒的な強さを見せた日本の宮澤紗希乃選手が、U11女子の部で優勝した。ディフェンス中心の女子選手が勝ち残ることの多い年代において、ベースラインからの強いショットに加え、浅いボールをしっかりドライブボレーで得点につなげる力を持っている選手だ。決勝戦では、相手にマッチポイントを握られながらも、彼女らしいアグレッシブなプレーを貫き優勝を勝ち取った。今年6月に行われたアジアテニス連盟公認のU14ジュニア大会「須玉2022ATFジュニア」でも優勝しており、10歳にして将来が非常に楽しみな選手だ。

2022年大会U11で優勝した日本の宮澤紗希乃選手(写真右)
2022年大会U11で優勝した日本の宮澤紗希乃選手(写真右)

宮澤選手は「ノアテニスアカデミー千葉白子」に所属している。同スクールは国際大会での活躍を目指して活動しているアカデミーだ。「スムリクバボウル」への出場権が得られる「キッズテニスカップ」を運営しているのも、このアカデミーのコーチ陣である。テニスヨーロッパへの遠征も積極的に行っているため、“海外で自分のテニスを磨きたい”“海外で通用する選手になりたい”という選手にとっては素晴らしい選択肢だと言えるだろう。

〈ノアテニスアカデミー千葉白子〉
https://kids-tennis.com/academy/47022/


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写真=山根ゆずか