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2021.12.03

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ATPは中国で大会中止のWTAに追従せず! ATP会長「進展を見守っていきたい」

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Photo by Getty Images

ATP会長「対応はこれまでのところ不十分」とするも、中国での大会中止はせず

12月2日、男子テニスを統括するATP(男子テニス協会)は、安否不明となっていた女子テニス選手で、元ダブルス世界ランク1位のペン・シューアイ(中国)に関する2度目の声明を発表。「この問題の進展を見守っていきたい」と、香港を含む中国での大会中止を決断したWTA(女子テニス協会)とは異なる立場を示した。

【動画】11月中旬に中国メディアが発表したペン・シューアイの映像

11月初めに、ペンが中国の元副首相から性的暴行を受けていたと訴えてから1ヵ月。11月15日には、「われわれにとって、テニスコミュニティの安全ほど重要なものはない。WTAプレーヤーのペン・シューアイの安否が不明であることに深い疑念を抱いている」とし、公正かつ透明性のある調査を求めていたATPだが、今回はWTAに続かなかった。

ATPのアンドレア・ガウデンツィ会長は、「ペン・シューアイの状況は、我々のスポーツ内外で深刻な懸念を引き起こし続けている。このような懸念への対応は、これまでのところ不十分だ」と、これまでの姿勢は変えず、中国側の対応を非難。

「我々は、彼女の状況をより明確に把握するために、選手とWTAの間でオープンな対話を行うことを再度求める」と、あくまで透明性のある調査、そして直接連絡を取り合うことを求めた。

続けて、「我々は、スポーツが社会にポジティブな影響を与えられることを知っているし、一般的にグローバルな存在であることが、機会を創出し、影響を与えるための最良のチャンスになると信じている。今後も会員と協議を重ね、この問題の進展を見守っていきたいと思う」と、中国でのビジネスから撤退を決めたWTAに追従しなかった。

新型コロナウイルスが拡大する前の2019年シーズンにおけるATPツアーは、63大会のうち4大会が中国で開催。55大会のうち9大会行われたWTAツアーと比較すると少ないが、グランドスラムが行わていない国では、ドイツと並んで最多。グランドスラムに次ぐグレードのATPマスターズ1000も行われており、世界のトップ選手が出場している。

その一人である世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、中国での大会中止を決断したWTAに対し、「全面的に支持する。どの団体に所属しているか、あるいは個人的なスタンスにかかわらず、テニスコミュニティ全体で、何が起こっているのかをもう少し明確にしていく必要があると思う」と、男女関係なくテニス界全体でペンの問題に取り組むべきだとした。

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