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2026.05.02

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はじめてシリーズ「振動止めの”もしも”」#15 ~もし振動止めが外れて「飛んじゃったら」~

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ポイント中に振動止めが外れたら「落ちた場所」が問題!


前回は「振動止めの装着位置に関するルール」を説明しましたが、今回は「振動止めが外れて飛んでしまった場合のルール」について説明する特別版です。

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「付けるのが当然」みたいに思われがちな振動止めですが、これにも「性能寿命」というのがあり、主材料となるシリコーンラバーは時間経過によって劣化して硬くなり、振動緩和効果が薄れてしまいます。ですから「定期的な交換」が必要です。

というより前に、「気が付いたらなくなっていた」という経験をするプレーヤーも少なくないはず。それは「プレー中に外れて、どこかへ飛んでいってしまっている」から。まぁ、高価なものではないので、そんなにショックなことでもないんですが、問題は「振動止めが、どこへ飛んでいったか?」ということです。

おもにプレー中のことでしょうが、「試合中」となると、その行く先によってポイントが行き来する……ということにもなりかねません。今回は、「試合中に外れた振動止めが、どこへ落ちたか?」を、ケース分けして整理してみましょう。

■ 振動止めが『自分のコートへ落ちた場合』


結論 …… とくに問題なし
その理由:ラケットを自分のコートで落しても問題ないのと同様に、振動止めは「ラケットの一部」と認められるから
注意点:ただし、メガネや帽子などの「持ち物」が自コートに落ちると「コードオブコンダクト」(プレーヤーとして責任ある行動や言動に対するマナーや規則)に引っかかり、「1回めはレットで警告」「2回めは『故意』と見なされ、ポイントペナルティで失点」「3回めは失ゲーム」、「3回め以降は、その都度、レフェリーが判断する」ことになります。

これは日本テニス協会が定める規則集『ルールオブテニス』の「試合で起こるQ&A Q13」にある「インプレー中にプレーヤーが帽子を地面に落とした場合」に則っています。


■ポイント中に振動止めが外れて相手のコートに落ちたら?


結論 …… 問題あり!「1ポイントを失う」
その理由:相手への「ヒンダランス(妨害)」となるため
注意点:ただし、ポイント中ではなく「ポイント終了後に」それに気が付いた場合は、結果的に妨害にはならなかったという理解で、失点とはなりません。

これは「試合で起こるQ&A Q11」にある「インプレー中に他コートからボールが転がってきた場合」は「レットとしてポイントのやり直し」。「レットがコールされる前に打たれた打球がアウトの場合は、打った側の失点。明らかなウィニングショット等の場合は、打った側の得点となる」と同解釈で、ポイントが問題なく終了してしまっていることから、「ポイント終了後に『妨害があった』と主張しても、レットではなかったので、ポイントのやり直しとはならない」ということです。

■「落ちた場所」によって、どうして違うの?


「振動止めが落ちた場所」について判断が違うことを、簡単に解説するならば「落ちた振動止めがどちらに不利な状況を作るか?」の解釈によります。
相手コートに落ちた場合、もし相手がその振動止めを踏んで転倒したり、その振動止めに打球が当たってイレギュラーな跳ね方をしてしまうこともあるので、その原因を作った(振動止めを飛ばしてしまった)側に「相手への妨害があった」と捉えるのです。

いっぽう、自分のコートに落ちた場合は、たとえ自分が踏んでも、それに打球が当たってイレギュラーしても、「自分が落した振動止めが原因」ですから、レットになることさえない……という考え方です。

ただ現実問題として、「インプレー中に、あの小さな振動止めが飛んで、相手コートに落ちた……ことに気付くことは稀」であり、ポイント終了後に「相手の振動止めが自分のコートに落ちていることを発見」しても、相手はそれを咎めることはできません。「拾って、ただ返すだけ」ということになるでしょうが、行方不明になって困ることもあるので、予備の振動止めをバッグに用意しておくことも必要ですね!


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文=松尾高司
1960年 生まれ。『月刊テニスジャーナル』で 26年間、主にテニス道具の記事を担当。試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。テニスアイテムを評価し記事などを書く、おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。

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