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2026.05.08

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シナー「敬意が足りない」グランドスラム出場ボイコットの可能性を示唆、賞金配分を巡り強硬姿勢

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Photo by Getty Images

シナー「お金だけの問題ではなく、『敬意』の問題」


男子世界ランク1位のヤニック・シナー(イタリア)は、現在開催中の「BNLイタリア国際」(イタリア・ローマ/ATPマスターズ1000)での記者会見に出席し、グランドスラムにおける賞金配分の不平等さと、選手に対する「敬意の欠如」を厳しく批判した。女子世界ランク1位のアリーナ・サバレンカが示唆したボイコットについても、否定しなかった。

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世界ランク1位として地元イタリアに戻ったシナーにとって、今大会は特別な意味を持つ。今季開催されたATPマスターズ1000の4大会を制覇しているシナーは、今大会で「キャリア・ゴールデン・マスターズ」の達成、そして1976年のアドリアーノ・パナッタ以来となるイタリア人男子のローマ制覇を狙っている。

会見でシナーは、13歳で親元を離れ、ピアッティ・テニスセンターでトレーニングを始めた当時を振り返った。

「家族と離れる決断は容易ではなかったが、人として、そして選手として成長するために必要だった。当時は週に数回しかプレーしておらず、ジムにも行ったことがなかった。13歳半ばにしてすべてが変わったんだ」と語り、その「すべてを変えた決断」が現在の成功の礎になっていると述べた。

一方で、コート外では深刻な問題が浮上している。シナー、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、サバレンカらトップ選手たちは、グランドスラムの収益に対する選手への還元率が低すぎるとして、大会主催者側に改善を求めている。シナーは以下のように現状を批判した。

「これはお金だけの問題ではなく、それ以上に『敬意』の問題だ。我々は、得ているものよりもはるかに多くのものを(テニス界に)与えていると感じている。トップ10の選手が連名でレターを送っても、1年経っても結論に近づかないのは不快だ。他のスポーツなら、トップアスリートが重要なレターを送れば、48時間以内に回答や会議の場が設けられるはずだ」

選手側は、ATPやWTAの大会と同等の22%程度の収益配分を求めているが、全仏オープンなどのグランドスラムは約15%に留まっていると主張。全仏オープン側が発表した賞金総額の増額についても、収益の伸び率に対して還元率が低下しているとして、選手グループは不満を募らせている。

サバレンカが「ボイコットこそが権利を勝ち取る唯一の方法になるかもしれない」と発言したことを受け、シナーも「将来を予測することは難しいが、どこかで(行動を)始めなければならないという思いはある。選手たちが同じ視点に立っていると感じるのは初めてのことだ」と、強硬手段を排除しない姿勢を見せた。

かつて選手会会長を経験し、PTPA(プロテニス選手協会)を設立したノバク・ジョコビッチも、この動きを支持している。「サバレンカのようなリーダーが立ち上がり、テニス界の政治動向を理解しようとしていることを歓迎する」と述べ、下位ランカーが活動資金不足で競技を離れざるを得ない現状を打破するため、選手側の立場を常に支持すると強調した。

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