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2026.05.30

選手情報

ジョコビッチ、4時間53分の死闘で19歳フォンセカに2セットアップから痛恨の逆転負け「単にガス欠になった」[全仏オープン]

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ジョコビッチ、「彼の方が上回っていた」 決定機で見せたフォンセカの攻撃力に脱帽


5月29日、「全仏オープン」(フランス・パリ)男子シングルス3回戦が行われ、史上最多25度目のグランドスラム制覇を狙った第3シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク4位)は、第28シードのジョアン・フォンセカ(ブラジル/同30位)に6-4,6-4,3-6,5-7,5-7で敗れ、2セットアップから逆転を許す痛恨の敗戦となった。

【動画】ジョコビッチ、19歳の新鋭・フォンセカに逆転負けを喫し3回戦敗退…マッチハイライト

22日に39歳の誕生日を迎えたジョコビッチは、全仏オープンに22年連続で出場となり、初出場の2005年から初戦敗退はなく、これまで3度のタイトル(2016、2021、2023)を獲得している。

怪我による実戦不足が懸念される中、大会前の記者会見で、「プレーと身体を完璧な状態に仕上げてきた」とコメント。セットを失いながらも、1回戦でジョバンニ・ムペシ・ペリカール(フランス/同83位)、2回戦でバレンティン・ロワイエ(フランス/同74位)を撃破し3回戦へ。グランドスラム通算25度目の優勝、そして自身4度目の全仏制覇へ向けて、前日に第1シードのヤニック・シナー(イタリア/同1位も敗れていたことで視界は良好に見えた。

迎えた3回戦の相手は、19歳の新鋭フォンセカ。両者はこれが初対戦となった。

試合の立ち上がり、ジョコビッチはフォンセカの強烈なサービスとフォアハンドに対して、持ち前のリターン力と展開力で対応。ラリー戦へ持ち込むと、深いボールで相手を押し込み、早い段階でブレークに成功する。自身のサービスゲームでも高い安定感を見せ、試合の主導権を掌握。第1セットを6-4で先取した。

続く第2セットでも、フォンセカのパワーテニスを巧みに封じ込める。相手に主導権を渡さず、1ブレークのリードを最後まで守り切って連取。ジョコビッチがベスト16進出へ大きく前進した。

しかし、第3セットから流れが変わる。フォンセカが徐々にプレッシャーを恐れずラケットを振り抜き始め、フォアハンドを中心にウィナーを量産。ジョコビッチも決してプレーレベルを落としていたわけではなかったが、それを上回る勢いで19歳が攻勢を強めていく。第3セットを3-6で落とすと、第4セットは互いに譲らない接戦に。4-3の15-40という好機を逃すと、終盤の5-5で痛恨のブレークを許してセットを失い、セットカウントは2-2となった。

ファイナルセットでは、ジョコビッチが先にブレークして主導権を握りかける。しかし、フォンセカもすぐにブレークバック。互いに一歩も引かない展開となる。

迎えた5-5の第11ゲーム、ジョコビッチは0-40と追い込まれると、最後はフォンセカの絶妙なドロップショットでブレークを献上。土壇場に立たされた。

それでもサービング・フォー・ザ・マッチとなった次ゲームで、ジョコビッチは最後まで食い下がりブレークポイントを握る。しかし、フォンセカが重圧のかかる場面で3本連続のサービスエース。4時間53分に及ぶ死闘の末、ジョコビッチは力尽きた。

なお、グランドスラム通算404勝56敗、24度の優勝を誇るジョコビッチにとって、2セットアップからの逆転負けは、2010年全仏オープン準々決勝でのユルゲン・メルツァー戦以来、16年ぶり2度目となった。

試合直後の記者会見で、ジョコビッチは激闘を次のように振り返った。

「実に見事な試合の一部になれたと思う。当然、セットカウント2-0とリードしながら敗れたのは悔しいが、勝利に完全に値するプレーをしたジョアンを大いに称えたい。勝敗を分けた第4、第5セットの極めて重要な局面において、彼がより優れたプレーをしていたのは疑いようがない」

連取した最初の2セットでは百戦錬磨の試合運びを見せたが、そこから19歳の猛反撃に遭った。自身のプレー自体は決して悪くなかったと主張しつつも、相手の底知れぬ攻撃力が想定を上回ったと脱帽する。

「自身のプレーがそれほど悪かったとは思っていない。ただ単に、彼の方が上回っていたということだ。彼は信じられないようなショットを放ち、ライン上を捉えていた。彼の側から見れば、まさに驚異的だった。決定的な瞬間が訪れるたびに、彼は勝負を仕掛けてきた。ブレークバックをかけた(ファイナルセット最後の)ポイントでは、3本連続で時速220キロや215キロのエースを決められた。どうしようもない。言えるのは『よくやった』ということだけだ」

敗因の根底には、3ヶ月に及ぶ負傷離脱からの復帰直後という実戦不足と、それに伴うスタミナ切れがあった。過酷なクレーコートでの5セットマッチは、39歳を迎えた肉体から確実にエネルギーを奪い去っていった。

「正直なところ、ここでの3試合でプレーした時間数は、過去3ヶ月間のすべての大会でプレーしたかのように感じられた。単にガス欠になった。続く数セット、コート上での体調は全く良くなかった。第4セットの終盤、4-3の15-40という場面が最大のチャンスだったと感じているが、彼は実に見事なポイントをプレーした」

一方で、満身創痍となりながらも戦い抜いたこと、そしてパリの観衆から受けた大声援に対しては、深い感謝の念をにじませた。

「試合の終盤に向けて自分の足で立っているのがやっとだと感じる瞬間が何度かあった際、観客を見渡すと、彼らが私の士気を高め、支えてくれた。それは本当に魔法のような出来事だった。この試合に対する失望やネガティブな思考をすべて取り除けば、自分が耐え抜いてきたこと、経験してきたことについて、誇りに思える要素はたくさんある。このような経験ができたことに非常に感謝している」

来年再びローラン・ギャロスの舞台に戻ってくるか、あるいはこれがこの地での最後の見納めになるのか。去就に関する質問には、いずれも「わからない」と答えるにとどめた。大記録への挑戦は3回戦で潰えたが、王者を限界まで追い詰め、最後に力でねじ伏せた新鋭フォンセカの強烈な輝きと、それに抗い続けたレジェンドの意地が交錯した歴史的な一戦として、今大会の記憶に深く刻まれることとなった。

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写真=田沼武男 Photo by Takeo Tanuma