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2026.10.01

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錦織圭、現役最後の試合を終え涙「やっぱり悔しい」負けず嫌いのテニス人生に幕「やり切ったと言える」[木下グループジャパンオープン]

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日本のテニス界を牽引した錦織圭が最後の試合を終える


10月1日、「木下グループジャパンオープン」(東京・有明コロシアム/ATP500)シングルス1回戦が行われ、今季限りでの現役引退を発表しており、今大会にワイルドカード(主催者推薦)で出場の錦織圭(ユニクロ/世界ランク436位)は、第2シードのフランシス・ティアフォー(アメリカ/同8位)に4-6,4-6で敗れた。現役最後の試合を終え、錦織は「全く試合終わるまでこんな泣くなんて思ってなかった」と涙を流した。

【動画】錦織圭、現役最後の試合で「悔しい」マッチハイライト&トロフィー掲げた栄光の瞬間

36歳の錦織は、2012年と2014年の同大会王者であり、ジャパンオープン通算24勝9敗の実績を誇る。今年5月に今季限りでの現役引退を表明。大会前には「自分のしたいテニスだったり、コート上で悔いなく終われるようにしたい」と語っていた。

日本で最後の試合ができることについては「おまけで、プレゼントというような形。本当にボーナスみたいなもの」と感謝。ファンに対しては「スポーツって他にはない、人に光を授けられるものだなと思った。それを最後に自分が出来るのは嬉しい」と話し、最後までコートでテニスを楽しむ姿を届けようとしていた。

錦織の時速191キロのサーブでスタートした第1セット、錦織はいきなり0-40のピンチを招き、相手のアプローチショットに押されてブレークを許す立ち上がりとなった。

それでも第3ゲームをキープして反撃の足がかりを作ると、第4ゲームでは持ち前のテンポの速い展開から鮮やかなバックハンドのリターンエースを決めて15-40とし、見事にブレークバックに成功する。直後のサービスゲームも時速195キロのエースなどで危なげなくキープしたものの、3-3で迎えた第7ゲームで再びブレークを奪われ、4-6で第1セットを落とした。

第2セットは第1ゲームを確実にキープしてスタートした錦織だったが、第3ゲームでティアフォーの精緻なライン際のショットに対応しきれず先行を許してしまう。トップ10ランカーらしい隙のないプレーを前に反撃の糸口を掴めず、そのまま4-6で落とし、ストレート負けで日本のファンに別れを告げた。

試合後、ベンチに戻った錦織は人目をはばからず涙を流した。コート上でマイクを向けられ、「全く試合終わるまでこんな泣くなんて思ってなかったんですけど」と率直な心境を明かした。

「やっぱり終わった瞬間に、5歳からテニス始めて、これだけ積み上げてきた30年がここで終わっちゃうんだなって……もう本気でプレーすることは無くなるんだなって喪失感みたいなものがちょっと一気に押し寄せてきた」

5歳から始めたテニスとともに歩んだ30年。その最後の試合を終えた瞬間、大きな喪失感が押し寄せたという。

「悲しさがやっぱり大きいですね。もちろん、最後の今日の試合も自分では頑張ったと思いますけど、ベストな。なかなか自分の理想のプレーには程遠い中で、この半年間、ケガから復帰してまた頑張って、惜しいところまでは自分で戻って来れたかなとは思うので。やっぱりでも悔しいですね。こういう終わり方は。でもやり切ったと言える思いはあるので、満足はしてます」

最後の試合への悔しさを口にする一方で、怪我から復帰して最後まで戦い抜いたことには「やり切った」と手応えを示した。

日本での最後の舞台については、「やっぱり日本でプレーできるのは格別なので、どうしてもここでプレーしたかった」と錦織。「今日もこれだけのお客さんが駆けつけて応援に来てくれたので。やっぱりこれ以上のことはないですね」と感謝した。

「この数日間、特にここで練習していろんな方も見に来てくれて、本当に幸せな最後の1週間だったかなと思う。もうちょっと良いプレー見せたかったですけどね(笑)」

対戦相手のティアフォーも試合後、錦織へのメッセージを求められると、その偉大さを称えた。

「圭は完全なレジェンドだ。もちろん、みんな知っていると思う。僕は彼を尊敬していた。彼のせいでバックハンドのジャンプショットが嫌いになったくらいだ」

さらに、グランドスラム決勝進出や長年にわたるトップ10在位、日本と東京を代表して戦い続けた功績に触れ、「彼はここから出てきた最高のアスリートの一人。僕たち全員にとって、本当のレジェンドであり、インスピレーションだ」と語った。

錦織自身も、これまでの30年を振り返った。「思い返せばやっぱり苦しい時期の方が多かったですけど、これも僕の人生なので、避けることはできなかったし、これと戦うしかなかった。その中でも歯を食いしばってここまで頑張って来れた」。度重なる怪我によって長い時間を失いながらも、最後まで諦めずにプレーしたことについて、「自分のこの誇りかなとは思います」と語った。

そして、最後まで消えなかった自身の「負けず嫌い」にも触れる。「もうちょっと見せたかったですね(笑)。それしかないですね(笑)。やっぱちょっとどっかネジ外れてんでしょうね(笑)。最後までこの負けず嫌いが無くならなくて良かったなと思ってます」。最後まで勝負への思いを失わなかった錦織。その姿は、引退試合でも変わらなかった。

最後に、会場に集まったファン、そしてこれまで応援してきたファンに向けて感謝を伝えた。

「プロになってこの約20年、本当に楽しい自分のテニスの人生が送れました。いろんなサポートがあり、自分のコーチ、トレーナー、チームのみんな、そしてテニスを応援してくれる皆さんのサポートのおかげで自分もここまでプッシュできたと思うので、本当にありがとうございました」

さらに、「これからさらに日本のテニスがこう強くなっていけるように僕もどっかでサポートはしたいと思うので、これからもぜひテニスの応援よろしくお願いします」と、今後も日本テニス界を支えていく思いを明かした。

日本のテニス界を牽引してきた錦織圭が、36歳で現役最後の公式戦を終えた。最後に残ったのは、敗戦への悔しさと、30年にわたるテニス人生への感謝。そして、最後の瞬間までコートに立ち続けた「負けず嫌い」だった。




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写真=田沼武男 Photo by Takeo Tanuma