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2026.10.02

選手情報

チチパス、勝敗分けたわずかな躊躇「大きな影響を与えてしまう」 トップ追う現状には「失うものはない」[木下グループジャパンOP]

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チチパス、勝敗を分けたほんのわずかな躊躇に「どれほど大きな影響を与えてしまうか」


「木下グループジャパンオープン」(東京・有明コロシアム/ATP500)シングルス2回戦が10月2日に行われ、第8シードのバレンティン・バシュロ(モナコ/世界ランク18位)に6-4,6-7(5),4-6の逆転で敗れたステファノス・チチパス(ギリシャ/同44位)が試合後の記者会見に応じた。

【動画】予選から出場したチチパスは2回戦で世界18位に惜敗…マッチハイライト

かつて世界ランキング3位に位置し、ツアーの最前線で戦ってきたチチパスだが、現在は44位まで後退。今大会も予選からの勝ち上がりを余儀なくされた。復調の兆しを見せながらも掴み損ねた接戦の背景、そして現在置かれている「追う立場」としての心境を明かした。

第1セットを奪い、第2セットも4-3の1ブレークアップ。4-4でもブレークポイントもありながら逆転を許した。チチパスは敗因について「運が悪かったとは言わない。ただ単に『ここぞ』という場面で自分がやるべきプレーができなかっただけ」と冷静に振り返った。

第2セットのタイブレークでは1-5から5-5まで巻き返したものの、勝負所での選択が響いた。

「5-5の場面でサーブのアクセルを十分に踏み込めなかった。腕を振り切りはしたが、思い通りのサーブにはならなかった。ほんのわずかな『躊躇』がどれほど大きな影響を与えてしまうかを示す典型的な例だった」

最高峰のツアーにおいて勝敗を決するのは「細部」であると強調する。かつてトップ3に上り詰めた経験を持つからこそ、その僅かな差の重みを熟知している。

昨年後半は背中を負傷した影響で9月にツアーを離脱。前年同様の成績を収めることができずに、ランキングポイントが失効してグレードの高い大会への出場すら危ぶまれる88位までランキングを落とした。しかし、チチパスの言葉に悲壮感はない。今年最後のグランドスラムとなった「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク)で最高成績となる4回戦進出。手応えを口にしつつ、現在の立ち位置をむしろポジティブに捉えている。

「トップ10やトップ20にいる時は『追われる立場』になる。周囲からポジションを狙われるわけだからね。でも、今の自分のように追いかける立場であれば、失うものはない。ただ全力を尽くしてぶつかっていくだけだ」

頭の片隅にはグランドスラムでのシード権獲得やポイント計算がよぎることもあると認めつつも、「無理に力づくで引き寄せるのではなく、自然な流れに任せたい」と語る。

「過去に苦しみながら勝ち取った試合があったからこそ、キャリアハイの3位に到達できた。接戦を制することは自信を生む。今日の試合について後悔はない。自分の視線はすでにこの先控えている次の大会へと向いている」

一度は頂点近くまで登り詰めた男が、再び「追う者」としてトップ前線へ駆け上がれるか。試練の時期を経て、チチパスの真価が問われる。


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写真=田沼武男 Photo by Takeo Tanuma