手応えを感じながらも
“試合数が足らない”と語るティエム5月6日、ATPマスターズ1000 「ムチュア・マドリード・オープン」(スペイン・マドリード)、第3シードのドミニク・ティエム(オーストリア/世界ランク4位)は、3回戦で同24位のアレックス・デミノー(オーストラリア)と対戦。7- 6(7)、6-4のストレートで勝利して、準々決勝進出を果たした。【動画】ティエム×デミノー マッチハイライト全豪オープンでは4回戦で敗れたティエムは、3月中旬のATP500ドバイ大会に出場(初戦となる2回戦で敗戦)。そこを最後に、慢性的な足の問題で休養を取っていた。そして1ヵ月半ぶりの復帰となったのが今大会だ。大会前の会見では、「休みを取れて良かったよ。必要だったと思うし、いい思い出ばかりあるマドリード(過去2度の準優勝、2018年大会ではラファエル・ナダルに勝利)で戻ってこられてよかった。コンディションはかなり良い。フィジカルトレーニングもテニスの練習もたくさん積んできたから、いいレベルにあるよ」と語っていたティエム。初戦の2回戦ではマルコス・ギロン(アメリカ/同91位)に6-1、6-3と快勝する。それでも、「不安はなかったけれど、どうなるかわからない試合だった。特に、ここ数日、より速い外のコートで練習していたからね。このセンターコートでは、キャリアのベストマッチの1つを演じた場所。そんな思い出も助けになったと思う」「マドリードがもし2週間前だったら、望みは極めて低かったと思う。(勝利して)トップレベルでの試合をさらに戦うことができる。来週への助けになるはずだ。それでも、正直ここでは望み薄だ。大会ごとに調子を上げていきたいと思っている」と、まだ本調子ではないと主張している。“トップレベルでの試合をさらに戦うことができる”、そういう意味でツアー随一のフットワークを持つデミノーとの3回戦は、格好の舞台になった。第1セット第1ゲームで、ティエムは1ポイントしか奪えず、いきなりブレークされてしまう。続くゲームではトリプルブレークポイントを迎えたが、あと1本が奪えず。それでも、第6ゲームでブレークバックに成功すると、タイブレークへ。そんな際どい戦いが、ティエムのリズムを呼び起こす。6-7とセットポイントを握られた場面では、ネットに出てきたデミノーに対して、バックハンドでダウン・ザ・ラインにパッシングショット。なんとか凌ぐと9-7でセットを先取。続く第2セットは「第2セットは少し余裕ができた。リズムが戻ってきた」(ティエム)と振り返ったとおり、2ブレークを奪って6-4で試合を締めた。「たくさんのラリーができた。それこそ今、私に一番必要だったものだ。自分のパフォーマンスが出すことができて、すごくすごくうれしいよ」と喜んだティエム。だが、「予想よりうまくプレーできた。特にいくつかのポイント、ラリーはすごくよかった。ただ、まだ試合数が足りないよ。息も切れるし、いくつかのショットがきつかった。もっとトップとの戦いが必要だ。必要なリズムを早く取り戻したい」とまだ納得できるプレーレベルではないようだ。本日現地13時(日本時間20時)から開始予定の準々決勝では、第6シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア/同7位)を破ったジョン・イズナー(アメリカ/同39位)と対戦する。クレーコートとしては速いサーフェスであるだけに、イズナーのサーブはよりタフなものになる。自分のプレーを取り戻す過程にあるティエムにとって、試金石となる試合となりそうだ。
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