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2022.11.04

選手情報

元世界ランク6位シモン、母国大会で20年にわたる現役生活に幕「テニス選手になれたことは本当にラッキー」[ロレックス・パリ・マスターズ]

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Photo by Getty Images

37歳のシモン、20年におよぶ現役生活に終止符

現地11月3日、「ロレックス・パリ・マスターズ」(フランス・パリ/ATPマスターズ1000)シングルス3回戦が行われ、元世界ランク6位ジル・シモン(フランス/世界ランク188位)は、3週連続でツアー優勝している第8シードのフィリックス・オジェ・アリアシム(カナダ/同8位)に1-6、3-6で敗れ、現役最後の試合を終えた。

【動画】シモン、オジェ・アリアシムに敗れ現役生活に終止符 マッチハイライト&キャリアハイライト

今年5月に今季限りで現役を退くとしていた37歳のシモンは、今大会にワイルドカード(主催者推薦)で出場。1回戦で元世界ランク1位のアンディ・マレー(イギリス/同48位)を4-6、7-5、6-3と2時間50分のロングマッチで下すと、2回戦では第9シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/同11位)と対戦。3時間6分の激闘の末に7-5、5-7、6-4で破ってサプライズを起こし、同大会で6年ぶりに3回戦進出を果たしていた。

だが、連戦の疲れからか「試合中は本当に辛かった。ケガをしているわけではないのに体が反応しないんだ」と万全のコンディションではなかったと3回戦のオジェ・アリアシム戦では1-6、3-6の完敗。「何となく予想はしていたけど、大きな驚きでもないから、第2セットではちょっと違ったプレーをしようと思ったんだ。できるだけ多くのゲームを取って、観客に最後のプレーを楽しんでもらおうと思ってね」と、トップ10選手を相手にプレッシャーをかけ続けたが、最後は4ゲームを連取され力尽きた。

試合後にはセレモニーが行われ、家族やフランステニス連盟会長のジル・モレトン氏、元世界ランク5位のセドリック・ピオリーン、同胞のルカ・プイユ、ニコラ・マウらが出席。フランステニス界の“新四銃士”としてともに切磋琢磨したジョー・ウィルフリード・ツォンガやガエル・モンフィス、リシャール・ガスケの3人、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)らからメッセージが贈られた。

ATP公式サイトにはシモンのコメントが掲載され、「テニス選手になれたことは本当にラッキーだ。ずっとなりたかったものなんだ」と6歳でテニスを始めたころからの憧れだったとし、そのプロテニス選手として20年のキャリアを築いて、テニスを「完成されたスポーツ」だとする。

「肉体的に優れたアスリートでなければならないし、技術的にも精神的にも強くなければならない」とし、特に精神面では「自分一人しかいないから大きなプレッシャーがかかる。いい気分の日で自分を無敵だと感じる日もあれば、ある日は地球上で最悪のアスリートになり、何もできなくなってしまうんだ」と難しさを語った。

それでも「いつもテニスが好きでとても面白いんだ」とテニスへの愛情は尽きず、引退の理由もテニスが嫌になったからではない。「いろいろなレベルでたくさんのことができ、フィジカル、テクニック、メンタルすべてにおいてとても素晴らしいスポーツだ。だから、僕はテニスに熱中し、より深く知ろうとしてこれほど長くテニスを続けてこられたのだと思う。35、36、37歳とプレーしている選手は、間違いなくこのスポーツを愛しているのだと思うよ」と長く現役を続けられた理由を明かした。

特に秀でたショットがあるわけではなかったが、ミスなくラリーを続ける粘り強さや巧みな戦術でツアー通算14度の優勝を飾り、シングルスマッチ504勝394敗でキャリアを終えたシモン。「まずは家にいることを楽しむよ」としたが、どのような人生の第二章を歩むのだろうか。

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