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2025.02.15

選手情報

17歳 園部八奏、地元テニスクラブが自身の原点「好きなようにプレーして自分のテニスを伸ばせた」。夢はないが今年の目標は「プロで優勝」

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園部八奏が攻撃を貫いてグランドスラムジュニア優勝の快挙


左腕で振り切ったラケットから勢いよく飛び出すボールは、プロにも劣らないスピードと威力。17歳の園部八奏(そのべ・わかな/与野テニスクラブ)が、日本人女子としては56年ぶりにグランドスラムジュニア優勝を果たし、2月には世界トップ100の選手を3人破って女子ツアー本戦でも初勝利を挙げた。そんな初ものづくしを経験した数日後の2月初旬、園部は約3ヵ月ぶりに日本に帰国。自身が育った与野テニスクラブ(埼玉県さいたま市中央区)を訪れ、クラブの会員やジュニアから祝福の言葉を受けた。昨年からの成長や全豪オープンジュニア、将来の目標について話を聞いた。

【動画】園部八奏、全豪オープンジュニア決勝&ツアー本戦初勝利のハイライト

「夢か…あんまり先のこと考えてないんです」

有望な選手に聞く、「将来の夢は何ですか?」とありきたりな質問をぶつけると、しばらく考え込みながらこう答えた。

よく「世界1位になりたい」「グランドスラム優勝したい」と言うものだが、園部は「10年後はテニスをやってるかもわからないし、5年後も考えたことがない」とし、今まで目の前のことだけ全力で取り組んできたと明かす。

その結果、今年1月の「全豪オープンジュニア」女子シングルス決勝、アメリカのクリスティーナ・ペニコバ(アメリカ)を6-0,6-1で撃破。日本女子としては、1969年に全仏オープンとウィンブルドンを制した沢松和子以来、史上2人目のグランドスラムジュニア制覇となった。

「前(昨年の全米オープンジュニア)は試合中ずっと緊張してて、思うようにプレーできなかったんですけど、全豪では最初の1,2ゲーム過ぎてからは緊張も何もなくて、いつも通りプレーできました」と淡々と園部は話す。

準優勝だった全米オープンジュニアの悔しさをバネに、オフシーズンではコート内での動きを強化。さらに、最近ではどうポイントを奪うのか考えるようになった結果だとした。

身長174センチ、スラっとした手足から繰り出されるボールは、プロに引けを取らないほど強烈。コート外で飄々と話す姿からは想像ができない。全豪オープンジュニア優勝後に行われた「ムバダラ・アブダビ・オープン」(アラブ首長国連邦・アブダビ/WTA500)は予選から出場し、トップ100との2試合を勝ち抜いて、ツアー本戦初出場を果たす。

本戦1回戦でもユエ・ユアン(中国/同51位)に勝利し、ツアー初白星。「去年は緊張で自分の思うようにできなかったんですけど、今年は予選1回戦から“ちゃんと勝った”みたいな。勢いだけで勝ったんじゃなくて、修正しながら勝てたので去年より成長したと思います」と胸を張った。

元世界2位のオンス・ジャバー(チュニジア/同35位)との2回戦では、堂々と渡り合うプレーを見せるも、ストレートで敗戦。

「自分の好きなラリー戦、打ち合いになったときはポイントが取れていたので、そこは通用していたかな」と手応えを語る一方で、「テニスのうまさでは相手のほうが圧倒的に上。予測しづらく、反応できないボールもあった」と、低く滑るスライスやドロップショット、ネットプレーを多用する技巧派との対戦でいい経験になったとした。



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