close

2025.02.15

選手情報

17歳 園部八奏、地元テニスクラブが自身の原点「好きなようにプレーして自分のテニスを伸ばせた」。夢はないが今年の目標は「プロで優勝」

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

SHARE

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存


才能が開花したのは2021年。それまで全国大会ではベスト8が最高成績だったが、コロナ禍で大会が次々となくなる中、2021年に全国選抜ジュニア14歳以下とRSK全国選抜ジュニアの2つの全国タイトルを獲得。そして、翌年に錦織圭や西岡良仁らと同じく盛田正明テニス・ファンドの支援を受け、IMGアカデミーへテニス留学することを決断した。

世界で活躍する選手に憧れ、海外で腕を磨きたいとテニス留学を視野に入れる選手は多い。一方、異国の地での生活や言語、指導法が一変することから自身のテニスを見失ってしまう選手も少なくない。その点で園部の助けになったのは、小学1年生から成長を見届けてきた大西氏と、現在のコーチである弘岡竜治氏の交流が昔からあったことだ。

大西氏は、埼玉の名門・浦和学院高校出身でジュニア時代から知っている弘岡氏に、「(園部は)テニスコートでのことは大丈夫。だけど、それ以外の部分で生活が慣れるまでサポートしてほしい」と連絡。園部のテニスに対しての取り組みや純粋さ、穏やかで人見知りの性格を伝えた。弘岡氏も大西氏の意図を汲んで、家族の一員のように迎え入れてコート内外を問わずサポートした。

テニス以外は寮にいるというインドア派の園部自身も「正直、IMGアカデミーのご飯は特別おいしいわけじゃない。土日にコーチの家に行ってご飯を食べさせてもらったり、リフレッシュできるのはすごいありがたい」とこの3年間を振り返った。

「プロになりたいと思ったことがない」園部の今年の目標はプロで初優勝


すでにプロへの歩みを始めており、ジュニアの大会はグランドスラムなどに絞って、今後はプロの大会に出場。ツアー下部をメインにし、ワイルドカード(主催者推薦)をもらえれば、3月下旬に行われるWTA1000マイアミに挑戦してランキングを上げていきたいとする。

「プロになりたいと思ったことがない。あんまり先のことは考えてないんです。次の試合を1戦ずつ戦っていければ」と欲はないが、今年中にプロの大会で優勝するのが目標。プレースタイルは変えずに、今は自分の武器だとするフォアハンドを構えるだけで相手が怖気づくようにすること、そしてサーブからの3球目攻撃の精度を磨いていきたいとした。

ご両親曰く、「ガッツポーズをするようなタイプではない」。それが、全豪オープンでは要所でコーチに目を配り、控えめながらガッツポーズを作る。家族から見ると、「最大限喜んでいる」と感情を出すようになったと感じるらしい。聞けば、「自然に出てくるようになった」と彼女が教えてくれた。もしかしたら弱肉強食の世界で戦う17歳の覚悟の表れなのかもしれない。


全豪オープン決勝、チャンピオンシップポイントでボレーを決めると、コーチや家族に向けて控えめなガッツポーズを作った園部八奏



園部八奏(そのべ・わかな)
●生年月日:2008年1月17日
●名前の由来:IMGアカデミーへの渡米直前に数字の8を横にしたときに似る“無限”を意味する「∞」のチャームがついたネックレスを家族からプレゼントされた。この時、無限に奏でてほしいという願いが名前の由来だと思ったそうだが、ご両親は縁起の良い末広がりの「八」と、世に良い影響を「奏」でてほしいことから名付けたという。
●ラケット:ウイルソン ウルトラツアー100
●ストリング:ルキシロン アルパワー125×ルキシロン エレメント125(46ポンド)
●ウェア:ミズノ
●シューズ:ミズノ
●憧れの選手:ペトラ・クビトワ(チェコ)
●練習時間:IMGアカデミーでは、平日午前に3~4時間の練習、午後に2時間の練習と1時間のフィジカルトレーニング。土曜日は午前だけ練習し、日曜日はオフ




無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ

注⽬の記事PICK UP