close

2025.12.18

選手情報

世界1位のアルカラスとコーチのフェレーロ氏が7年の歴史に終止符。「子どもの頃の夢を現実にしてくれた男」に感謝

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

SHARE

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

Photo by Getty Images

アルカラスとフェレーロの師弟関係に終止符


男子テニス界に大きなニュースが飛び込んだ。世界ランキング1位のカルロス・アルカラス(スペイン)は12月17日、自身のSNSを通じて、長年師事してきたフアン・カルロス・フェレーロ氏とのコーチ契約終了を正式に発表した。2人のパートナーシップは2018年の出会いから7年以上にわたり、アルカラスの飛躍とともに歩んできた。

【画像】アルカラス フェレーロ氏との別れに「あなたと過ごした一歩一歩を心から楽しむことができた」と感謝をSNSに綴る

スペイン出身のフェレーロ氏は、元世界No.1であり、2003年の全仏オープン優勝者として知られる。15歳のアルカラスを見出し、プロとしての歩みを共にスタートさせた。以後、このコンビはツアーで24の優勝を挙げ、そのうち6つはグランドスラムの舞台で手にしたものだ。2025年シーズンでは、アルカラスが全仏オープンと全米オープンを制すなど8タイトルを獲得し、年末No.1にも輝いた。

アルカラスはインスタグラムで、「子どもの頃の夢を現実にしてくれた」とフェレーロ氏への感謝を述べ、「ここまで共に歩んだ道を心から楽しんだ」とコメント。また、「スポーツ人生の頂点に立った今、もし別々の道を歩むのであれば、それは最もふさわしいタイミングだと感じる」と関係終了の背景にも触れ、新たな冒険とプロジェクトに向け準備を進める意向を示した。

フェレーロ氏も自身のインスタグラムで「今日はとても大切な日だ」と語り、共有した思い出と努力、共に乗り越えた挑戦に誇りを表明。そのうえで「続けられたらよかった」と心境を吐露しつつ、良い記憶と大切な人々とはまたいつか交わることを信じると締めくくった。

フェレーロ氏は、単なる戦術面の指導にとどまらず、精神面の成長やツアーでの振る舞い、試合へのアプローチなど、アルカラスの総合的発展を支える存在だった。両者の絆はしばしば師弟以上のものとして語られ、フェレーロ氏の指導は、アルカラスの攻撃的なプレースタイルと精神的タフネスの形成に大きく寄与したと評価されている。

アルカラスは、2026年シーズン最初のグランドスラムとなる全豪オープンで、生涯グランドスラムに向けた新たな挑戦を控える。新体制で臨む来季は、選手としての成熟と戦術的進化がより問われるシーズンとなるだろう。フェレーロ氏とアルカラス、スペインテニス界が世界の頂点で紡いだ物語はひとまず幕を下ろした。しかし、その成果と記憶は、今後のツアーへと静かに刻まれていくに違いない。

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録