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2026.07.13

選手情報

シナーがウィンブルドン連覇で5度目のグランドスラムV「4時間完璧ではいられない」「正しい姿勢で集中し続けたことが最大の鍵」

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王者シナーが魅せた鉄壁のサービスゲーム、直面したブレークポイントはわずか1本


「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)の男子シングルス決勝が現地時間7月12日に行われ、第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランキング1位)が、第2シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同3位)を6-7(7), 7-6(2), 6-3, 6-4で下し、大会連覇を達成。3時間46分に及んだ激戦を制したシナーは、「非常にタフな試合だった。二人とも高いレベルでプレーできたと思う」と充実の表情で振り返った。

【動画】世界1位シナーがズベレフにブレークを許さずウィンブルドン連覇達成!決勝ハイライト

両者は今シーズン5度目の対戦。試合前の対戦成績はシナーの10勝4敗、直近はシナーが9連勝(18セット中17セットを奪取)と圧倒していたが、決勝の舞台では序盤から激しいサーブ戦が展開された。

序盤、両者はともにサービスで優位に立ち、第1セットはタイブレークにもつれ込んだ。ズベレフが6-7から粘り、強烈なフォアハンドで先取。この結果、シナーが持っていた対ズベレフ14セット連続勝利の記録は止まった。

第2セットもブレークポイントのないまま進んだが、再びタイブレークではシナーが集中力を発揮。序盤に4-0とリードを広げ、セットを奪い返した。

第3セット第7ゲーム、ズベレフはこの試合で初のブレークポイントを獲得。しかしシナーがドロップショットで凌いだ際、ズベレフが足を滑らせて転倒するアクシデントが発生した。シナーはネット越しに相手の様子を確認しに向かう場面もあったが、ズベレフはすぐに立ち上がった。この一幕の後、ズベレフはダブルフォールトとフォアハンドのミスを重ね、シナーが試合を通じて初めてブレークに成功。ここから流れをつかんだシナーは、第4セットでも決定的なブレークを奪い、そのまま試合を締めくくった。

試合後の記者会見でシナーは、この試合における自身の粘りについて問われ、「一度でもサービスゲームを落とせば、そのセットはほぼ終わってしまう。特にサーシャ(ズベレフの愛称)のような選手が相手だと、自分のサービスゲームには非常に慎重にならなければいけない」と説明した。

この試合、シナーが直面したブレークポイントはわずか1度のみ。集中力を保てた理由について問われると、「大会序盤の2、3試合のパフォーマンスと、大会終盤のパフォーマンスを比べてもらえば、ずっと成長し続けていたことが分かる。まさにそれが必要としていた成長で、自分自身のプレーヤーとしての向上を求めていた。それを実現できた」と、大会を通じて自身のプレーが成長し続けていたことを明かした。

勝負の分かれ目となった場面については、「非常に小さなディテールの差だった。太陽が沈み、ボールが見えづらくなる時間帯もあり、彼のサーブに対してどこにポジションを取るべきか判断するのが難しかった。4時間、5時間と完璧にプレーし続けることはできないため、いくつかの誤った選択もしたが、状況を受け入れて正しい姿勢でその瞬間に集中し続けたことが最大の鍵だった」と勝因を分析した。

一方、ズベレフのフォアハンドの威力についても水を向けられると、シナーは「外から彼のプレーを見ていても、フォアハンドを非常に速く打っていることは分かっていた。彼は非常に厄介な相手だ。何ゲームもボールに触れないまま終わることもあるし、いざボールが来た時には大きなダメージを与えてくる」と警戒感をにじませた。そして「彼がグランドスラムを勝ち取り、今これほどの結果を出しているのはそういう理由からだ。彼は大きく成長している。それはテニス界にとって良いことだ」と、ライバルへの敬意を示した。

今年に入ってシナーはATPマスターズ1000で5勝を挙げる充実ぶりを見せていたが、グランドスラムでの決勝進出は昨年の全米オープン以来だった。今回の優勝について心境を問われると、シナーは「今回の勝利が安堵だとは思わない」と述べ、次のように続けた。

「自分が幸せに感じるのは、毎日ベストを尽くそうとしていること。大会によって良い結果が出ることもあれば、そうでないこともある。それについてできることは特にない」

さらに、「グランドスラムで優勝できなくても、それは失敗ではない。人生において、これは本当に稀な日々だ。今、自分の人生で5回のグランドスラムタイトルを手にしたことになるが、結局それは数多くある日々の中のたった5日間にすぎない」と語り、勝敗を超えたところにある競技への向き合い方を明かした。

今年初めのワークについても言及し、「モナコで多くの練習を重ねてきた。非常に長い時間で、自分の時間の多くを本当に犠牲にしてきた。この結果を出せたことは、自分にとって大きな意味がある」と、チームでの取り組みを振り返った。

敗れたズベレフも表彰式で健闘を振り返り、「シナーにおめでとうと言いたい。彼はまた自分が世界最高の選手であることを証明した」と述べた。そのうえで、自身のチームに向けては「この2か月は素晴らしいものだった。ウィンブルドンで一度も準々決勝に進んだことがなかった私たちが、初めての決勝に到達できた。29歳になって、このトロフィーを獲得できると初めて感じられた大会だった」と前を向いた。

今回の優勝で、シナーは自身5度目のグランドスラムタイトルを手にし、グランドスラム決勝の戦績を5勝2敗とした。対ズベレフ戦では直近10試合連続の勝利となり、通算成績を11勝4敗とした。この試合はシナーにとって、自身100勝目となるグランドスラム本戦での白星でもあった。

この歴史的な連覇により、最新の世界ランキングでシナーは2位に浮上するズベレフに対して、4,970ポイントという圧倒的なリードを築くこととなった。

24歳にして世界1位の座を完全に盤石なものとしたシナー。「常に選手としての向上を求めていた。それを実現できて、今は楽しむ時間だ」と会見の最後を笑顔で締めくくった絶対王者が、2026年シーズンの後半戦、そしてさらなるグランドスラムタイトルの獲得へ向けてどのような足跡を残していくのか、世界中のテニスファンの視線が注がれている。


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写真=田沼武男 Photo by Takeo Tanuma