close

2026.09.10

選手情報

ルバキナが初の4強入り&史上30人目の世界1位確定! 苦闘の末に掴んだ快挙も「現時点ではただの数字に過ぎない」[全米オープン]

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

SHARE

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

ルバキナ 感情を隠した内面の葛藤「ネガティブな思考を排除して戦い続けた」


「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク)女子シングルス準々決勝が現地9月9日に行われ、第2シードのエレナ・ルバキナ(カザフスタン/世界ランキング2位)が、予選から勝ち上がってきた元世界4位のジェン・チンウェン(中国/同121位)を3-6, 6-1, 6-4の逆転で下した。ルバキナは同大会初の4強入りを果たすとともに、大会後に更新される世界ランキングで女子史上30人目となる世界ランク1位の座を確定させた。

【動画】新女王誕生!ルバキナが「全米オープン」4強入り 準々決勝ハイライト

大会前のWTA1000シンシナティで左足首を痛め、ニューヨーク入りした段階で不安を抱えていたルバキナ。開幕直前の練習で足の状態を確認しながらのスタートとなったが、チームの支えもあり出場を決意すると、序盤の4試合を1セットも落とさずに勝ち上がった。4回戦では大坂なおみ(フリー/同13位)を6-1, 6-4で圧倒して自身初となる全米オープン8強入りを決めた。

世界1位の座がかかる準々決勝の相手は、今大会で快進撃を見せていたジェン。両者は今シーズンすでに2度対戦しており、WTA1000ドーハ3回戦とWTA1000マドリード3回戦のいずれもルバキナが逆転勝利を収めていた。

第1セットは、強烈なサーブを持つ両者らしくキープが続く展開となったが、第8ゲームでジェンがフォアハンドのウィナーを決めてブレークに成功。続く第9ゲームでは、7度のデュースと5度のブレークバックポイントを凌いだジェンが4度目のセットポイントをモノにし、6-3で先取した。

失セット直後のコーチとの会話について、ルバキナは「第1セットはネガティブになっていて良いスタートが切れなかったので、自分の思いをすべて吐き出した。コーチは私を集中させ、試合前に話していたやるべきことを思い出させようとしてくれた」と明かした。その言葉通り、第2セットに入るとギアを上げたルバキナが6-1で奪い返し、勝負の行方は最終セットへ持ち込まれた。

最終セットは互いに譲らない展開が続き、3-4で迎えた第8ゲームでルバキナはブレークポイントのピンチを迎えた。しかし、ここを果敢にネットに出て凌ぎきると、そこから6ポイントを連取して一気に流れを引き寄せる。勢いそのままに最後の3ゲームを連取したルバキナが、2時間14分におよぶ激闘を制した。

試合後の会見で、ルバキナは激戦となった一戦について「非常に難しく、とてもストレスのかかる試合だった。最高のスタートではなかったが、最終的に勝ち筋を見つけることができて本当に嬉しい」と吐露した。コート上で感情を露わにしない姿勢について問われると「内面では多くの感情が渦巻いている。相手にフラストレーションを見せたくないから隠そうとしているだけ」と胸の内を明かした。

オンコートインタビューでは、日中のセッション特有の日差しや影に苦しんだことにも触れ、「日差しや影のせいでボールとのコンタクトポイントを見つけるのに苦労した。頭の中で余計な細部に囚われて自由にプレーできなくなっていたが、ネガティブな思考を排除して戦い続けることができた」と反省を交えて振り返った。

この勝利により、ルバキナは大会終了後の9月14日付のランキングでアリーナ・サバレンカを抜き、カザフスタン選手として初、史上30人目の世界ランク1位に就くことが決定した。

世界1位確定という偉業について、ルバキナは「大きな意味を持つが、現時点ではただの数字に過ぎない。引退したときに『この大会で優勝した、1位になった』と振り返る方が実感が湧くと思う。今の目標は出場する大会でタイトルを獲得することであり、ランキングはそこについてくるもの」と冷静な受け止めを示した。

また、母国への影響について問われると「カザフスタンを代表していることを誇りに思う。帰国するたびにテニス施設に集まる子供たちが増えている。信じて努力すれば何でも可能だと証明できたはず」と誇りをのぞかせた。

一方、敗れたジェンは、最終セットの勝負どころを振り返り、「重要な局面での判断にミスがあった」と悔しさを滲ませつつも、「今大会を通じて戦い方を学べた。負けても試合が物理的に終わるまでは戦い続けなければならないという教訓を得た」と前を向いた。

初の全米オープン制覇まであと2勝と迫ったルバキナは、準決勝でココ・ガウフ(アメリカ/同4位)と対戦する。アリーナ・サバレンカの99週連続世界1位という一時代に終止符を打ち、世界の頂点に立った女王の進撃はどこまで続くのか、今後の戦いから目が離せない。


無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

写真=田沼武男 Photo by Takeo Tanuma