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2020.06.01

選手情報

NY便り「フォーブス誌の長者番付に見る“投資価値のある選手”とテニス界への貢献」

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スポーツニュースなどでご存知の方も多いと思うが、アメリカの経済誌『フォーブス』が発表したアスリートの長者番付でロジャー・フェデラー(スイス)が、1億630万ドル(約114億円)でテニス選手として初めて1位に輝いた。

新型コロナウイルスのパンデミックにより、サッカー選手のリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドの給与がカットされた、ということも一因として挙げられるが、それにしても驚くべき金額だ。

収入の内訳を見てみると、賞金は630万ドル(約6.8億円)。大半はスポンサー企業との契約金や大会出場における契約金によるもの。近年、引退後も見据えてユニクロと長期契約を交わしたことが話題になったが、フェデラーはそのほかにも12の企業と契約を交わしている。例えば、自身のシグネチャーモデルを持つウイルソンとは生涯契約を交わしているし、ロレックス、メルセデス・ベンツなどがそうだ。これらのブランドは10年以上にわたり、フェデラーをサポートしている間柄だ。同誌のシニアエディター、カート・バーデンハウゼンは「ロジャー・フェデラーは、企業にとって最高の売り手である」とコメントしている。

ちなみに、男子テニス選手では、23位のノバク・ジョコビッチ(約48億円)や27位のラファエル・ナダル(約43億円)、40位の錦織圭(約34.5億円)がランクイン。女子では、29位に大坂なおみ(約40.2億円)と33位にセリーナ・ウィリアムズ(約38.8億円)がランクインしている。トップ100に女子でランクインしているのは、テニス選手だけ。それを考えると、企業にとってテニス選手はやはり魅力的なのかもしれない。

5月29日の『テニスチャンネル』のインタビューで、サンプラスやフェデラーのコーチを務めていたポール・アナコーン氏は、「フェデラー、ジョコビッチ、ナダル、この3人がテニスのステージを上げてくれた」と語っている。彼らは、自国の支援だけでなく、他国の恵まれない子供たちへの慈善活動などにも力を入れている。テニスだけでなく、自身の社会的役割を認識した彼らの活動は、支援する企業からも大きな魅力となり続けている。
そして、彼らの活動により、企業がテニスに市場価値を感じ、投資しようというアピールになったとすれば、フェデラーが全アスリートの中で最も多くの収入を稼いだことは納得である。それにしても、1億630万ドル、すごい額である。

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