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2021.02.21

選手情報

大坂なおみ、残るグランドスラムでの優勝に求められる“成功体験”

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全仏、ウィンブルドンでの活躍に大坂なおみ「慣れる必要ある」

2月21日、世界ランキング3位の大坂なおみ(日清食品)が、同24位のジェニファー・ブレイディ(アメリカ)を6-4、6-3で破り、2年ぶり2度目の全豪オープン優勝を果たした。2018年USオープン初優勝から約2年半で4度目のグランドスラム制覇に、早くも次の全仏オープンの活躍が期待される中、大坂は優勝後の記者会見でクレーコートやグラスコートのサーフェスについて「もっと慣れる必要がある」と語った。

【動画】大坂なおみ vs. J.ブレイディ マッチハイライト

今大会、大坂はパワフルかつコントロールされたショットや、窮地に立たされても踏みとどまるメンタル面の成長で世界のトップ選手に勝利。昨年から続く連勝を21に伸ばして優勝し、4度目のグランドスラム制覇を飾った。

そんな中、大坂に期待されるのがウィンブルドンと全仏オープンの優勝だ。これまでに優勝したグランドスラムはいずれもハードコートの大会。順を追っていくと、2018年のUSオープン、2019年の全豪オープン、2020年のUSオープン、そして2021年の全豪オープンとなっている。

だが、グラスコートのウィンブルドンとクレーコートの全仏オープンでの最高戦績は、3回戦と悔しい結果に終わっている。まだ出場回数が少ないものの、苦手意識があるといっても不思議ではない。

それらのコートでの優勝について聞かれた大坂は、「できればクレーコートの方が早いといいかな。私には、それらのサーフェスを快適にしないといけない。それが鍵なんですよね。ジュニアでやってこなかったし、グラスコートで育ったわけではないの。でも、クレーコートの方が運はいいと思うわ、去年は全然悪くなかったしね。もっと慣れる必要がある」と、ハードコートに比べて、まだ自信がないと語った。

また、ハードコート以外での活躍に2019年のシーズンオフから大坂のコーチを務めるウィム・フィセッテ氏は、「彼女はコート上でナチュラルに動くことができるし、動きやパワー、ポイントの取り方を見ていると、クレーコートで良いパフォーマンスを発揮できる理由がある」と、十分に勝つチャンスは備わっているという。

では、あと何があればより勝つチャンスが高まるのか。フィセッテ氏は、“成功体験”だと言う。「昔、キム(クリスターズ)と仕事をしていた時に、彼女はあまりクレーコートの試合に出なかった。自分のゲームプランを練ることや、このボールをもっと打つべきだったのではないか、もっと我慢して打つべきだったのではないかとか、そのサーフェスで成功した経験がないと、疑うのは簡単なんだ」と、経験不足が自分をより不安にさせていくとコメント。

続けて、「もし、なおみがハードコートでフォアハンドのウィナーを取りに行ってミスすれば、『次は必ず成功させる』と言うだろう。でも、クレーコートのようなサーフェスでは、『もう少し余裕を持って打つべきだったかもしれない』、『こうすればよかったかもしれない』と思ってしまう。だから、多くの試合の中で、うまくいったことやそうでないことから学んでいかなければならない。それは今年かもしれないが、来年かもしれない。彼女が両方のサーフェスで良いプレーをするための制約はないよ」と、その経験不足が解消されれば、いつでも勝つチャンスが訪れると語った。

男子テニスのレジェンド、マッツ・ビランデル氏は『ユーロスポーツ』で「グランドスラム10勝できる」と語ったというが、それに対し大坂は「今は5度目を目指している」と、目の前の勝利に突き進んでいくとした。これから更なる経験を積み、次なるグランドスラム、5月から開催される全仏オープンでの活躍を期待したい。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma