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2021.12.06

選手情報

ITFは中国での大会中止を決断したWTAに追随せず「10億人を罰したくない」

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ITFハガティ会長「我々は草の根の発展の責任を負っている」

12月5日、中国の元ダブルス世界ランク1位のペン・シューアイをめぐる問題に、ITF(国際テニス連盟)は、今後も疑惑に関して注視していくとしたものの、「10億人の人々を罰したくない」と同国での大会中止はしないとイギリスBBCが報じた。

【画像】中国はホームでアイルランドと対戦。来年3月開催のデ杯組み合わせ

WTA(女子テニス連盟)のスティーブ・サイモン会長は2日、11月初めにペンが中国の元副首相から性的暴行を受けていたこと、その後安否が確認できなかったことに対し、「ペン・シューアイが、自由なコミュニケーションを許されず、性的暴行疑惑を否定するように圧力をかけられている状況で、WTAの選手をそこでプレーさせるわけにはいかない。現状を考えると、2022年に中国で大会を開催した場合、選手やスタッフ全員が直面しうるリスクを大いに懸念している」との声明を発表。「WTA理事会の全面的な支持を得て、私は香港を含む中国で開催されるすべてのWTA大会を直ちに中止する」と決断した。

これを受け、ATP(男子テニス協会)のアンドレア・ガウデンツィ会長も声明を発表。中国の対応は不十分としたが、大会の中止はせず。WTAには同調しなかった。

そしてITFもWTAの決断に追随せず。ITFのデイビッド・ハガティ会長は「テニスの統括団体として、我々はすべての女性の権利を支持する立場にある」と述べ、ペンをめぐる問題について「疑惑は調査される必要があり、我々はこの件を解決に導くための働きかけを続けていく」とした。

しかし、「ITFは世界中のスポーツ統括団体であり、草の根の発展の責任を負っていることも忘れてはならない。我々は10億人の人々を罰したくない」と団体が果たすべき目的のため、中国での大会中止はしないとした。

また、5日に行われた「デビスカップ by Rakuten」ワールドグループ2部プレーオフの抽選会で、来年3月に中国はホームでアイルランドと対戦することが決定。

抽選対象として中国を入れたことに関して、記者会見でハガティ会長は、今後も監視を続けるとしたものの、「もし、そこ(中国)でテニスができないかもしれないとされる時期や理由があったとしても、それは理事会が下した決定ではない。それが彼らが抽選会に参加した理由だ。彼らはアウェイだったかもしれない。もちろん中国のテニス選手が他国でテニスができないと言っているわけではない」と語っている。

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