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2022.07.17

大会情報

テニス以上の何かが得られる! アルカラスやティエムも出場した10歳以下のジュニア世界大会「スムリクバボウル」について徹底紹介!〈後編〉

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過去にはティエムやアルカラスらも出場! 10歳以下のジュニアテニス世界大会「スムリクバボウル」について徹底紹介! 写真は閉会式の様子

過去にプロ選手も多数出場!
10歳以下のジュニア世界大会「スムリクバボウル」の
大会の模様や周辺情報を紹介


クロアチアで毎年行われる10歳以下のジュニアの世界大会「スムリクバボウル(Smrikva Bowl)」。直近では新型コロナウイルス感染症の流行により2020年大会、2021年大会は開催が中止となったが、2022年は無事に開催された。今回は「スムリクバボウル」について徹底紹介。前編に引き続き、後編では実際に行われた今年の大会の模様(試合やイベント)や周辺についての情報などについてお伝えする。

【画像】「スムリクバボウル」大会の様子や周辺の町並みなどすべての写真を見る!

【前の記事】テニス以上の何かが得られる! アルカラスやティエムも出場した10歳以下のジュニアテニス世界大会「スムリクバボウル」について徹底紹介!〈前編〉

日本から出場した選手がコンソレーションで優勝!


コンソレーションで優勝した中西梨瑚(なかにし・りこ)選手

「スムリクバボウル」はこれまで64ドローで行われることが多かったが、今年は32ドローで行われた。日本人にとっては慣れないクレーでの大会ということもあり、1試合目から最高のプレーをするのは難しいかもしれない。その点、ヨーロッパの人々にとっては慣れたコートで試合を行えるアドバンテージがあると言える。

たとえ1回戦で負けてしまったとしても、コンソレーションが用意されているため、次第に慣れてきたクレーコートで結果を出せる可能性も残されている。今大会に日本から参加した6人の中で、中西梨瑚(なかにし・りこ)選手がコンソレーションで見事優勝した。決勝戦の相手は10歳以下にも関わらず、身長が170cmもある選手だったが、落ち着いた試合運びで勝利した。

大盛り上がりの“イグラダブルス”!

大会に出場した選手は、最低でもシングルス2試合、ダブルス1試合を戦うことが可能だ。そのダブルスは“イグラダブルス”という形式で行われ、これが親たちの応援も含めて非常に盛り上がった。

“イグラダブルス”のルールは、ダブルス同様4人がコートに入り、まずはそれぞれ対角線上にいる相手とボールを打ち合う。ミスが生まれたところで「イグラ!」と叫び、その後はフルコートで通常のダブルス同様に点を取り合う。クロスコート、フルコートともにポイントを取った場合にだけ1点が加算され、7点先取で勝敗が決まる。

男子だけのチームが強いかと思いきや、優勝、準優勝ともに男女混合チームだった。チーム内でお互いのよさを生かしつつ、粘り強さのあるチームが勝利を勝ち取れるおもしろいルールだ。

キャッチフレーズは“More than Tennis”
戦うことだけが目的ではない大会

●試合が終われば、みんな友達
大会のキャッチフレーズが「More than Tennis」であることからも分かるように、「スムリクバボウル」はテニスの試合だけではない価値を生み出している大会だ。10歳以下にしてアメリカやアジア、欧州諸国から集まってくるのだから、親や選手のコミットメントは当然大きい。そんな選手たちがただ競い合うのではなく、友情を育み健闘を称え合う姿を数多く目撃することができた。

例えばコンソレーションの決勝戦が行われた後に、準優勝となった選手の即席誕生日会が芝生の上で行われた。そこには彼女に勝利した優勝者やそれぞれの仲間たちが参加して、大いに盛り上がった。このような光景も「スムリクバボウル」の素晴らしさの一つだ。


芝生の上で行われた即席の誕生日会

●閉会式では、大会で得た友人からトロフィーを受け取る
今大会から始まった試みとして、閉会式でトロフィーを受け取る際、受け取る選手は「誰からトロフィーを渡してほしい?」と主催者から尋ねられる。これに選ばれた選手は、トロフィーを授与すると同時に、大会側から記念品をもらうことができた。多くの選手が閉会式に関わることができる、画期的な取り組みだと感じた。

中にはトロフィー以上に記念品をたくさんもらっている選手もおり、世界中から集まった選手たちの間で多くの交流が生まれた証明となった。


閉会式の様子

選手には無料で水やサンドイッチが配布される

大会会場のクラブの中には売店があり、コーヒーやジュース、サンドイッチなどの軽食を購入することができる。サンドイッチは5クーナ(約95円)、ジュースは10クーナ(約190円)だ。選手の試合を待つ親たちにとっても売店の存在は大きい。食べ物や飲み物の他にも、帽子やTシャツなどのグッズも販売されていた。選手は、水とサンドイッチを無料でもらえるのでありがたい。


10クーナで購入できるジュース


販売されていたグッズ。自転車は優勝者への景品

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写真=山根ゆずか