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2022.06.19

スクール情報

スペインの“JCフェレーロ・アカデミー”で練習を体験! どんなテニスアカデミーなのか練習内容や施設・環境などを写真とともに紹介〈後編〉

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アルカラスが育ったJCフェレーロ・アカデミーで1週間の短期プログラムを体験。練習内容や施設の環境などをレポートします!

アルカラスが育ったアカデミーで
U12向け短期練習プログラムを体験!
後編では練習内容などを詳しく紹介

今テニス界で最も注目を集めている19歳のカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランキング7位)。彼が育ったファン・カルロス・フェレーロのアカデミー(以下JCフェレーロ・アカデミー)に、コロナ禍で思うようにテニスができなかった香港や中国の選手をはじめとするアジアの選手たちが数多く訪れている。今回は、そのJCフェレーロ・アカデミーに筆者の子ども2人(11歳と9歳)が1週間滞在し、12歳以下向けの短期プログラム(U12 Competition)を受けた記録を写真付きで紹介。また、この12歳以下向けの年間プログラムに参加するための方法なども述べる。

【画像】JCフェレーロ・アカデミーは最高の練習環境! 施設の様子がわかる写真はこちら

【関連記事】“JCフェレーロ・アカデミー”で練習を体験! どんなアカデミーなのか練習内容や施設・環境などを写真とともに紹介〈前編〉

気になる練習の内容とは?

●練習の概要

オンコートでのテニスとフィットネス(トレーニング)の割合が50%ずつ、テニスはコーチと行うドリルと、他の選手と打ち合うマッチプレーの割合が50%ずつ程度だ。

ドリルでは、Xドリルなどラテラルモビリティ(前後の動き)を重視したメニューが多い。そこにさまざまな球種を混ぜて、より試合で使えるテクニックを磨いていく。11歳の子どものグループでは、6人につき2人のコーチがつき、コート3面を使用。その3面のうち1面ではコーチとのドリル、もう1面ではアシスタントコーチとサーブリターンのドリル、残りの1面では選手のみのスーパータイブレークというように各コートで異なる練習が行われ、選手はコート1面につき2人ずつ入り、その2人ずつ各コートをローテーションしていくスタイルだ。

11歳の子どもが入ったグループには15歳までの選手がいたので、12歳以下向けのプログラムとはいえ、レベルによってフレキシブルに変更されるようだ。一方、9歳の子どもが入ったグループには他に選手が1人しかいなかった。そのくらいの年齢の選手が他にいなかったためだ。滞在している選手の層は、11歳以上でグッと厚くなるようだ。


レッドクレーのコート

●練習は選手に合わせてカスタマイズされる

筆者の子どもたちは香港で育ち、これまで基本的に香港でテニスをしてきた。香港のコートはすべてハードコート(一部の施設を除く)のため、練習も試合もハードコートで行われる。

ハードコートでテニスをしてきた11歳の子どもがまずコーチに言われたのが、前後のモビリティが低いということ。クレーでは、ボールが不規則な跳ね方をしたり高く跳ねたりするため、前後の動きが大切だ。そのため、この指摘を受けた後のフィットネスは、前後の動きを強化するものとなった。

一方、9歳の子どもの練習では、基本的なスプリットステップ、リカバリーを早くすることなどを常に指摘されるとともに、アプローチボレーなど動きの中でポイントを取る練習を数多くこなしていた。それ以外に、タッチを使ったポイント練習も多く行っていた。アルカラスの素晴らしいタッチは、このような練習の賜物なのかもしれない。

子どもたちの練習を見ていて一つ気がついたのは、コーチが球出しをするドリルであっても常に“競争”を取り入れているということだ。単にボールを打つだけではなく、どちらがよりターゲットの中にボールを入れられたかなどを常に選手同士で競わせる。ボール拾いに関しても然りだった。このような点は、日本ではあまり見られないところかもしれない。

コート脇にも花が咲いている
コート脇にも花が咲いている

●参加している選手たちのレベル

アメリカの12歳以下のランキングで10位以内に入っている選手から、まだ初心者と言えるようなレベルの選手まで集まっていた。世界中のさまざまなアカデミーが、グループ単位でこのアカデミーを訪れているようだった。そのためプログラムに参加する際は、前もって自分がどれくらいのレベルなのかを伝えておくといいだろう。

それでも初めから思うようなグループに入れてもらえるかは不明だ。アジアのレベルは彼らにとってよく分からないものだ、ということを覚えておくとよさそうだ。


グラス(芝)のコート

アカデミー内にある学校について

筆者が訪れた時はちょうど試験の前で、オフィスの中に設置されたスタディールームで勉強している選手がいた。アカデミーには、提携するオンラインスクールの勉強をサポートするチューターが常駐している。

とはいえ、ムラトグルー・テニスアカデミーやラファ・ナダル・アカデミーのようにインターナショナルスクールがアカデミー内にあって実際に選手が学校に通う場合とは異なり、JCフェレーロ・アカデミーではあくまでオンラインスクーリングをすることになる。

香港に住む筆者の知人は、12歳の息子をムラトグルー・テニスアカデミーに送ることにした。JCフェレーロ・アカデミーにも一時期滞在していたが、学校に通わせたいという思いから、ムラトグルー・テニスアカデミーを選んだそうだ。

ムラトグルー・テニスアカデミーやラファ・ナダル・アカデミーが人気なのは、実際に学校に通うことができるという点も非常に大きいと言える。


選手がくつろげるスペース。食後には選手だけでなくコーチたちもコーヒーを持って集まっていた


レストランはこんな感じ

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