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2022.08.30

選手情報

キリオス、コキナキスとの親友対決を制し3年ぶりの2回戦へ「キャリアの中で最も不快な試合の一つ」[USオープン]

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キリオス「不快だった。もう二度とあんなことはしたくない」

現地8月29日、USオープン男子シングルス1回戦が行われ、第23シードのニック・キリオス(世界ランク25位)とタナシ・コキナキス(同70位)の親友同士の対決が実現。キリオスが6-3、6-4、7-6(4)のストレートで下し、3年ぶりに2回戦進出を果たしたが、試合後には「キャリアの中で最も不快な試合の一つだった」と答えた。

【動画】キリオスがコキナキスを下し3年ぶりUSオープン初戦突破 マッチハイライト

7月のウィンブルドンで準優勝を果たしたキリオスは、シーズン後半戦に入り「シティ・オープン」(アメリカ・ワシントンDC/ATP500)で優勝。続く「ナショナル・バンク・オープン」(カナダ・モントリオール/ATPマスターズ1000)で世界ランク1位のダニール・メドベデフを破るなど8強入り。USオープンは2年連続9度目の出場で、最高成績は3回戦進出となっている。

キリオスとコキナキスは、ジュニア時代からの親友で今年の全豪オープン男子ダブルスを制したペア。今大会の男子ダブルスでもペアを組み、第8シードとして出場する。対戦成績ではチャレンジャー大会でキリオスが2勝しているものの、ツアー大会では初対戦。約8年4ヵ月ぶりの対戦となった。

第1セットは、短いラリーでポイントを奪って締まった展開に。その中、第8ゲームでキリオスが痛烈なリターンエースを放って、ブレークに成功し、そのまま6-3でセットを先取する。

第2セットも第1ゲームでリードを奪ったキリオスは、サーブやストローク、ボレーとすべての面でコキナキスを上回り、コキナキスに連続ポイントを許さない。盤石なプレーを見せてピンチを迎えることなく、このセットも6-4で奪った。

2セットアップとリードを広げたキリオスは、冷静に試合を進めていくが、第5ゲームで3本のブレークポイントを逃すと、徐々にフラストレーションを溜める。コキナキスもしぶとくサービスキープを続けて、試合はタイブレークにもつれたものの、ワンチャンスをものにしたキリオスがストレートで勝利し、3年ぶりの初戦突破を決めた。

勝利の瞬間、親友のコキナキスのことも思いやってか、キリオスの顔に笑みはなく、ネット越しでハグ。その後、控えめに観客の声援に応えた。

試合後、「僕のキャリアの中で最も不快な試合の一つだった」と答えたキリオス。「僕たちは自分のゲームというものをよく知っている。最初から彼を見ずに、ボールだけに集中してプレーしようとしたんだ。それが助けになったように思う」と、コキナキスが相手であることを忘れなければいけなかったと言う。

「テニス(キャリア)の後、おそらく死ぬまで連絡を取り合うことになる選手が2、3人いるが、タナシはその一人。本当に辛いんだ。彼にはいいチャンスがあったと思うし、彼の体の状態や次々と試合をこなしていく信念、ドローで上位に食い込むチャンスだと思ったんだけど、僕たちの名前を見た時、残念に思ったよ。でも、それが現実。僕はかなりプロフェッショナルに対処できたと思う。本当に不快だった。もう二度とあんなことはしたくない」と、素直な気持ちを表した。

コキナキスもまた、キリオスと同じ感情を持ち「試合の中で本当の意味の気合いを入れるのが難しかった」と述べ、「今回の試合はタフだったし、ニックの方が上だった。悔しい思いをしたけど、勝つべきだったとは思わない。でも、間違いなく他とは異なる敗戦だった」と語った。

ロッカールームでも隣同士だという2人。試合直後には、すでにくだらない話をしているそうで、男子ダブルスでは再び輝きを見せてくれるはずだ。

2回戦でキリオスは、バンジャミン・ボンジ(フランス/同50位)と対戦する。


■USオープン2022
・大会日程/2022年8月29日(月)〜9月11日(日)
・開催地/USTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター(時差13時間)
・賞金総額/6,010万ドル(81億7,390万円)
・男女シングルス優勝賞金/260万ドル(3億5,360万円)
・サーフェス/ハードコート(レイコールド)

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma