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2022.09.12

選手情報

ルード、ミスジャッジを自ら申告。大一番でスポーツマンシップ見せる「なんて紳士なんだ」「驚くべき誠実さを示した」[USオープン]

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ルードがミスジャッジを認めてアルカラスにポイント譲るスポーツマンシップ見せる

現地9月11日、USオープン男子シングルス決勝が行われ、19歳のカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク4位)が、キャスパー・ルード(ノルウェー/同7位)を6-4、2-6、7-6(1)、6-3で下し、グランドスラム初優勝。その重要な試合の中でルードが見せた振る舞いにファンから称賛の声が上がっている。

【動画】ルードが審判の判定を覆し、アルカラスにポイントを譲ったシーン

今年最後のグランドスラムとなったUSオープン決勝。どちらが勝ってもグランドスラム初優勝となり、アルカラスは史上最年少19歳4ヵ月での世界1位、ルードはノルウェー人として初めての世界1位の座を懸けての試合となった。

全仏オープン準優勝と悔しい思いをしているルードは、その重要な試合の第1セット、先手を握るためにどうしても取りたかったが第3ゲームで先にブレークを許し、アルカラスを追いかける。

ルードが素晴らしい振る舞いを示したのは、第1セット3-4の第8ゲーム。サーブに食らいついたルードは、アルカラスが放った絶妙なドロップショットにすぐさま反応し、ベースライン後方から一気にネットへ突進。

ボールがツーバウンドする前にルードが拾ったように見えたのか、審判から「ノットアップ」(2回以上バウンドしたボールを打つこと)のコールがかからずプレーを続行されたが、2人の選手は何か違和感があるのか動きが鈍い。

次のショットをネットにかけたアルカラスが、「ツーバウンドしたのではないか」と抗議すると、すぐさまルードは2人の間に割って入り、それを認めてアルカラスにポイントを譲った。

このスポーツマンシップに則った行動をアルカラス、観客は拍手で称えれば、大会公式SNSには「ルードが驚くべき誠実さを示した」「なんて紳士なんだ」とコメントが寄せられている。

昨年のATPアワードで「ステファン・エドバーグ・スポーツマンシップ賞」(シーズンを通して、プロ意識と誠実さを持って行動し、仲間の選手と公正に競い合い、コート外での活動を通じてゲームを推進した選手に贈られる)にノミネートされているルード。

実は、2人が前回対戦した今年4月のATPマスターズ1000マイアミ大会決勝でも、セカンドサーブを打つ直前にボールがパンクしていることに気づいたアルカラスが、主審にボール交換を要求したことで微妙な間が生まれ、主審はファーストサーブから打ち直すのか、セカンドサーブから打つのかは選手次第とした。

これをリターン側のルードは、自分に不利であるファーストサーブから打ち直しを認めるスポーツマンシップを見せている。


■USオープン2022
・大会日程/2022年8月29日(月)〜9月11日(日)
・開催地/USTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター(時差13時間)
・賞金総額/6,010万ドル(81億7,390万円)
・男女シングルス優勝賞金/260万ドル(3億5,360万円)
・サーフェス/ハードコート(レイコールド)
・使用球/[男子]ウイルソン「USオープン・エキストラ・デューティ」、[女子]ウイルソン「USオープン・レギュラー・デューティ」

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma