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2022.12.02

選手情報

元世界7位ベルダスコのドーピング違反に現役選手、レジェンドが批判「合法的なドーピングだ」「抜け道が多すぎる」

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Photo by Getty Images

ベルダスコのドーピング違反に世界38位オペルカ「合法的なドーピング」

元世界ランク7位のフェルナンド・ベルダスコ(スペイン/世界ランク125位)がドーピング違反をしたことについて、アメリカのライリー・オペルカ(同38位)は「僕の中ではPED(パフォーマンス向上薬)」と批判。女子テニスのレジェンドも「多くの選手が集中力を高めるためにADHDの薬を服用していると聞いたことがある」と、運動能力を上げるための抜け道があると疑問を投げかけた。

【画像】世界ランク38位のオペルカ、自身のSNSでベルダスコのドーピング違反を批判「合法的なドーピングだ」

39歳のベルダスコは、今年2月にブラジル・リオデジャネイロで行われたチャレンジャー大会に出場した際に尿サンプルを提出。WADA(世界ドーピング防止機構)が禁止リストに入れているメチルフェニデートの陽性反応が出た。

だが、普段からADHD(注意欠陥・多動性障害)の治療のために医師からメチルフェニデートが含まれる薬を処方されていたベルダスコは、TUEと呼ばれる治療目的で薬を使用する許可の更新を忘れていたという。

そのため、ITF(国際テニス連盟)のドーピング防止規約に基づいて委任された第三者機関であるITIA(国際テニス・インテグリティ機構)も「ベルダスコに不正を行う意図はない。不注意で重大な過失はない」として、出場資格停止期間を2年から2ヵ月に短縮。2023年1月8日まで大会に出場することができない。

これに異を唱えたのは、男子テニスのオペルカ。「彼にとって、これは合法的なドーピングだ。テニスの最大の問題の一つは、なぜ大人になってから初めてアデロール(ADHDの治療薬)を服用する人がいるのか」と批判。

「申し訳ないが、僕の考えではアデロールの陽性反応を示したテニス選手には共感はできない。僕の中ではPED(パフォーマンス向上薬)だ」、「僕は一度に5分以上集中するのが難しい。5時間ならなおさらで、もし僕がアデロールを服用したら大きく貢献してくれるだろう。テニス界の新しいトレンドのようだ」と綴った。

また、女子テニスでグランドスラム21度の優勝を飾り、ダブルスの名手と知られているパム・シュライバー氏も「多くの選手が集中力を高めるためにADHDの薬を服用していると聞いたことがある。何人の現役選手がADHDのTUEを求めているのだろうか?」と疑問を投げかけた。

そのほか、ベルダスコのドーピング違反については、ニック・キリオス(オーストラリア/同22位)が「この件に関して、驚いたとは言えない」とし、同じくオーストラリアのジョン・ミルマン(同149位)は「プロスポーツにおけるTUEが好きではない。抜け道が多すぎる。ドーピングをしたければTUEを取得すればいいというのは、以前から知られていること」とコメント。

さらにミルマンは、「僕がシモーナ・ハレプが無実であると考える理由の一つがこれだ。もし彼女が本当に薬物でパフォーマンスを向上させたいなら、TUEの道を歩むこともできたはず。彼女が無実だと信じているし、早くコートに戻ってくることを願っている」とも綴り、今年10月に暫定的な出場停止処分を受けている元世界ランク1位のシモーナ・ハレプ(ルーマニア/女子同10位)を擁護した。

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