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2023.06.12

選手情報

ジョコビッチ、ルードを倒して男子史上最多23度目のグランドスラムタイトル「ウィンブルドンがもう楽しみ」[全仏オープン]

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ジョコビッチ、2年ぶり3度目の全仏制覇で男子最多23度目のグランドスラムタイトル獲得


6月11日、全仏オープン男子シングルス決勝が行われ、第3シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク3位)が、第4シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/同4位)を7-6(1)、6-3、7-5のストレートで破り、2年ぶりに同大会を制すとともに、男子では史上最多23度目のグランドスラム優勝を飾った。

【動画】ジョコビッチ、ルードを下して男子最多23度目のグランドスラムタイトルを獲得!マッチハイライト

クレーコート・シーズンでは早期の敗退が続くなど苦戦していたジョコビッチだが、今大会では試合を重ねるごとに調子を上げた。準決勝では、世界ランク1位のカルロス・アルカラス(スペイン)の強烈なショット、驚異的なコートカバーリングを跳ねのけ、34度目のグランドスラム決勝に進んだ。対するは、昨年に続く2年連続決勝進出となったルードとなった。


試合序盤は、ルードが高い弾道のショットを効果的に使い、耐えるところと一気に攻撃するところのメリハリをつけてペースを握る。一方のジョコビッチは、自らコースを変えようとするもミスを連発。先にルードがリードを奪った。

だが、ここからギアを上げられるのが王者たるゆえん。前半のミスの多さから一転、集中したプレーで挽回を始めると2-4の第7ゲームでブレークバック。そのまま持ち込まれたタイブレークでもルードに1ポイントしか与えず、1時間21分の末に7-6(1)でセットを取りきった。

またしてもジョコビッチからセットを奪えなかったルードに対し、ジョコビッチは一気呵成にと第2セットも第2ゲームでブレーク。その後も堅い守備でルードに隙を与えることなく、6-3でセットを連取する。

偉業まであと1セットとした第3セットでは、ルードも粘りを見せて拮抗した戦いとなったが、5-5で迎えた第11ゲームで精度の高いショットを放ってラブゲームでブレーク。サービング・フォー・ザ・チャンピオンシップも危なげなくキープし、最後はルードのショットが大きくラインを割ると大の字になってコートに倒れ込んだ。ジョコビッチの全仏オープン制覇は2年ぶり3度目である。

試合後、ジョコビッチは「大会に臨むにあたって、そして今日の試合を戦うのに歴史がかかっていることはわかっていたが、他の試合と同じように最高の方法で準備することに集中していた。ルードのフォアハンドが大きく外れるのを見た時、大きな安堵感と素晴らしい感情に包まれたよ。自分を誇りに思う」と喜んだ。

また、男子では史上最多23度目のグランドスラムタイトルとなり、会見で「史上最も偉大な男子選手になった気分は?」と問われたジョコビッチ。「さまざまな時代の偉大なチャンピオンたちに対して失礼だ。それぞれの世代の偉大なチャンピオンが大きなレガシーを残し、僕たちがこのスポーツを素晴らしい舞台でプレーできるように道を開いてくれたと思っている。だから、誰が一番偉いかという議論は他の人に任せるよ」と、残した結果だけで評価されるべきではないと言う。

それでも新たな記録を作ることにこだわってきた。「もちろん、僕自身は自分にできることに対して大きな信頼と自信、信念を持っている。だから、このトロフィーは僕がまだ生み出すことのできるテニスの質の高さを証明するものだと思う。まだ旅は終わっていない。グランドスラムで優勝できるのであれば、20年続いたキャリアを終わらせることは考えられない。今でもモチベーションは高いし、最高のテニスをしたいという気持ちがある。ウィンブルドンがもう楽しみだ」と、自身のテニスをより高みへ持っていくため、これから続く大会で結果を残していきたいと語った。

これで全豪オープンに続いてのグランドスラム優勝。失ったセットはわずか2セットと、大舞台での強さを見せた。残すグランドスラムは、あとウィンブルドンとUSオープン。2021年に阻まれた年間グランドスラムにまた一歩近づいた。

※ランキングは大会時のもの

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma