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2023.07.18

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アルカラス、世代交代の声に「ラファとジョコビッチがいる限り…」と否定「今はその時ではない」

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弱冠20歳のアルカラスが4連覇中のジョコビッチを下してウィンブルドンを制覇


今年3大会目となったグランドスラム「ウィンブルドン」の男子シングルスを制したのは世界ランク1位のカルロス・アルカラス(スペイン)。4連覇中のノバク・ジョコビッチ(セルビア/同2位)を4時間42分のスリリングな戦いの末に1-6、7-6(6)、6-1、3-6、6-4で下し、自身2度目となるグランドスラムタイトルを手にした。

【動画】アルカラスが4時間42分のフルセットでジョコビッチ下しウィンブルドン初制覇! マッチハイライト

今年5月に誕生日を迎えた弱冠20歳のアルカラスは、ウィンブルドン通算8度目、そしてグランドスラム通算24勝目を狙ったジョコビッチの連覇を阻止し、昨年のUSオープン以来グランドスラム2勝目を挙げた。ウィンブルドンでジョコビッチやロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、アンディ・マレーらBIG4以外のチャンピオンでは、2002年のレイトン・ヒューイット以来、21年ぶりのことである。

試合後、「最高の気分だ。ウィンブルドンチャンピオンになるなんて夢のようだ。正直、こんなに早く優勝できるなんて思っていなかった。ノバクを倒してウィンブルドンで優勝することがテニスを始めた時からの夢だったんだ」と喜んだアルカラス。長年テニス界を支配してきたBIG4以外のタイトル、加えて世界1位とはいえまだ20歳の選手が優勝した快挙に、テニス界の世代交代、新時代の到来との声もある。

だが、アルカラス自身は「正直なところ世代のためではなく、自分自身のためにやったこと」だとし、スペイン紙『マルカ』に「ラファとジョコビッチが現役でプレーしている限り、時代が変わることはないだろう。数年後、彼らが引退してプレーしなくなった時にまた議論が起こるだろうけれど、今はその時ではない」と謙虚で、新世代の扉が開いているわけではないと否定した。

とはいえ、男子では史上最多23度のグランドスラムタイトルを手にしてきたジョコビッチが、アルカラスの能力を絶賛。大会数が少ないサーフェスの芝に順応する能力やスライス、リターン、ネットプレーなどどのプレーをとっても高いレベルにあるという。

「20歳にしては精神的に強く、とても成熟している。スペインの雄牛のような闘争心があり、ラファで見てきた素晴らしいディフェンスを持つ。バックハンドも僕のと似ているところがある。正直言って、彼のような選手とプレーしたことがない。ロジャーとラファにはそれぞれ長所と短所がある。カルロスはとても完成された選手だ」と称賛した。

これを聞いたアルカラスは、テニスの一時代を築いてきたナダルやフェデラーと幾度となく対戦し、勝利を挙げてきたジョコビッチが自身を高く評価したことに喜びを隠せなかった。「ナダルやフェデラー、他の選手たちと壮絶な試合をしてきた彼がそう言うなんて、驚きだしクレイジーだ。僕のような選手と対戦したことがないと言ってくれたことは、大きな賛辞だし、そのおかげで僕はもっと努力し向上し続けることができる」と述べている。

決して得意とは言えないサーフェスで日々経験を積み重ね、ついには優勝候補の大本命と目されていたジョコビッチを破ってグランドスラム2勝目を挙げたアルカラス。この先、どのような進化を遂げていくのか楽しみだ。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma