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2023.11.06

選手情報

徳田廉大、白石光を下して大会初優勝。“最悪の決勝戦”から5年を経て悲願のタイトル奪取「やっと報われた」[全日本テニス選手権]

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徳田廉大が白石光を下して初優勝


11月5日、「三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権98th」(東京・有明/10月28日~11月5日)の男子シングルス決勝が行われ、第5シードの徳田廉大(イカイ)が第7シードの白石光(SBCメディカルグループ)を6-2、6-2で下し、大会初優勝を果たした。

【画像】「三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権98th」大会最終日フォトギャラリー

今年の全日本選手権男子シングルス決勝に勝ち上がったのは、2018年大会で準優勝している徳田と今年3月に早稲田大学を卒業したばかりでプロ転向1年目の白石。両者、試合での対戦だけでなく練習もしたことがないという。

そのせいもあってか、試合序盤は互いに探り合う展開となる。ロングラリーを得意とし、相手の弱点をついてここまで勝ち上がってきた白石に対し、徳田は少しでも浮いたボールが来たら叩いて先に展開。第4ゲームで早速リードを奪うと、サーブ&ボレーも織り交ぜて揺さぶりをかける白石の誘いを振り切り、第8ゲームもブレークした徳田が第1セットを6-2で奪う。

5年ぶりの決勝で1セットを奪い、勝ちも見えてくる中、徳田は第2セットの最初のリターンゲームで強打を決めて気持ちよくブレークするも、直後のゲームでは白石がロングラリーを制してブレークバックを許してしまう。徳田にとっては流れを手放すところだったが、第4、第6ゲームで精度の高いバックハンドを放って突き放すと、白石に一つ返されたが5-2でこのセット4度目のブレークに成功。5年を経て、ついに全日本のタイトルを手にした。

優勝の瞬間はラケットを放り、両手を掲げて喜びを表した徳田。コーチや家族の下へ駆け寄った後は、目に涙を浮かべた。準優勝だった2018年は、20歳と若く、決勝に到達したところで「満足してしまった」と言い、決勝では第1シードだった伊藤竜馬に3-6、0-6の完敗。「最悪の決勝戦だった」と振り返る。

だが、今回は左膝の怪我に苦しみ、3ヵ月前から今大会に照準を合わせてツアー大会には出場せずに懸けてきた。それだけに「やっと報われた」とホッとした表情を見せたが、今大会がテニス人生の終着地ではない。「グランドスラムで勝つことが自分の中での目標なので、今日は余韻に浸って、また明日からグランドスラム出場、そして勝てるように努力していきたい」とさらなるレベルアップを図っていきたいとした。

一方、敗れた白石は、「素晴らしいプレーで、手も足も出なかった」と徳田のプレーを称え、「準優勝と1回戦負けは同じだと思っているので、また来年この経験を生かして優勝できるように頑張っていきたい」と自身に向けて厳しい言葉を残し、再び決勝の舞台に戻ってくることを誓った。

なお、男子ダブルスは第2シードの市川泰誠(ノア・インドアステージ)/渡邉聖太(橋本総業ホールディングス)がセットを失わずに完全優勝。女子ダブルスは、第1シードの伊藤あおい(SBCメディカルグループ)/瀬間詠里花(橋本総業)が接戦を制してタイトルを獲得した。

<男子シングルス決勝>

○徳田廉大(イカイ)[5] 6-2 6-2 ●白石光(SBCメディカルグループ)[7]

<男子ダブルス決勝>

○市川泰誠(ノア・インドアステージ)/渡邉聖太(橋本総業ホールディングス)[2] 6-3 6-2●田口涼太郎(Team REC)/羽澤慎治(JCRファーマ)[4]

<女子ダブルス決勝>

○伊藤あおい(SBCメディカルグループ)/瀬間詠里花(橋本総業)[1] 6-3 7-6(4) ●光崎楓奈(フリー)/松田美咲(橋本総業)

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma