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2020.07.08

メーカーズボイス

メタボ牛はNG!! ウイルソン“ナチュラルガット”の秘密は牛の飼育にあり!

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ナチュラル・ガットを
使ったことはあるだろうか?

「ナチュラル・ガット」というと、一部の人が使うものでしょ? と思うかもしれない。いまだ多くのプロ選手が使っているものの、一般レベルだと確かに使用者は少なくない。それでも、ショップに必ずあるというのは、高価だが、それだけのパフォーマンスを発揮するものだからである。“ナチュラル”と名のつくとおり、天然素材が原料で、具体的には牛の腸から取れる膜を利用している。 “切れやすいイメージ”だったり“高価”というマイナスなイメージを持っている方もいるかもしれないが、今のところ伸縮性において科学系素材(ナイロン、ポリ)は、ナチュラルに敵わない。つまり伸縮性能が高いので、よりパワーが出るわけだ。わずかでも速いボールを打てるならば、より有利となるテニス。ナチュラル・ストリングを使う人は、それを知っているから使うわけだ。

さて、ウイルソンにとって、最初の製品が実は「ナチュラル・ガット」であることをご存じだろうか? 1913年、精肉業を営むうえで廃棄されていたものでビジネスをと考え、翌1914年に販売されたのがテニス用の「ナチュラル・ガット」と「手術用の縫合糸」、「野球のグローブ」だった(当時の社名は、アシュランド・マニュファクチャリング社)。つまり、ウイルソンは「ナチュラル・ガット」について100年以上の歴史を持っているということだ。

2017年に、改めて新発売となった「ウイルソン・ナチュラル」が、目指したのは、その当時と同じ質だった。ここだけの話、それまではOEM生産で作られていた。ところが、本当のナチュラルを提供できていない…という思いもあった。そこで協力企業であるルキシロンとタッグを組むことになる。

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“本物のナチュラル・ガット”とは
いったいどんなものなのか?






本物…といっても、市場にあるものが偽物だという話ではない。ウイルソンが目指したのは、約100年前に作っていた良質なナチュラル・ストリングである。そこで、ウイルソン&ルキシロンの両者が注目したのが「オーガニック・グラス・フェド・カウ(無農薬牧草で飼育された牛)」だった。多くの牛の場合は、穀物で飼育されている。ところが、この場合、極端にいうとメタボ牛となることも多い。脂肪というと皮下脂肪を連想するかもしれないが、肥満になっていくと脂肪は内臓にも付着していく。「ナチュラル・ガット」は、腸の外側にある腸間膜(薄い半透明の膜。漿膜)を加工して作られるが、その膜にも脂肪が付いてしまう。加工過程では脂肪を取り除く工程があるものの、完璧に取り除くというのは不可能。ストリングのあちこちに白い点があるのは、取り切れなかった脂肪である。一方で、オーガニックグラスで飼育された牛は、余分な脂肪が付きにくい。そのため、白い点は少ないのだ。






加えて! 有機牧草を食べる効果がある。βカロチン、ビタミンE、オメガ3脂肪酸を豊富に含まれていることで、よりしなやかなガットになる。比較をすると一目瞭然で、ガットを折り曲げるとウイルソン&ルキシロン社のものは曲げた跡が残らず復元したのに対して、他社品は折り曲げた個所が白くなり、角ができてしまった。それだけ屈曲性、柔軟性、耐久性が高いということ。これが“本来のナチュラル・ガット”なのだ。







張る側にとっては“仕上がりがきれい”
使用者にとっては“持ちがいい”

特徴は「高いホールド性」と「心地よい打球音」。
はたして、そういった違いは一般プレーヤーでもわかるものなのか?

「持ちがいいというのは、わかると思いますよ」と語るのは、日本人唯一のウイルソン・オフィシャル・ストリンガーである細谷 理さん(神奈川・茅ヶ崎/オンコートラケットオーナー)だ。「不純物が少ないので、張りやすいし、仕上がりもきれいになります。鮮度がいいというのか、そこは分かる人には分かるという部分だと思いますが、持ちがいい、耐久性が高いという声はよく聞きますね。ナチュラルというと切れやすいとか悪いイメージを持っている人が少なくないですが、それは使っていない人。使う人は、性能の良さがわかるんですよ。ウイルソン、ルキシロンのものは、価格的には他社のものより高くなります。ただ、結果的にはその分、質も高いわけです」。

まず今回紹介するのは、これぞ正真正銘のNATURALと言うべきモデルで、昔ながらのナチュラル本来のフィーリングを堪能できる「Wilson NATURAL GUT」。
”ストリングスと言えばナチュラル”という時代に体験された方は「懐かしいナチュラルフィーリング」と感じるだろうし、初めて使用する方には「これがナチュラルなんだ」というセンセーションを感じてもらえるだろう。その製造工程では、均一性のない素材を使用することで、(太さを揃えるために)研磨せざるを得ず、それにより付加せざるを得ない必要以上のコーティング剤や、不純物を徹底的に取り除いた、いわば無農薬野菜。添加物のない食材と言える商品となっており、それはパッケージを開封したときのにおいや、光に当てたときの透明度で判別できるほど。こだわり抜いて作られたウイルソンの「NATURAL 16/17」は、“本当のナチュラル”を追求したナチュラル・ガットである。材料となるリボン(材料となる腸膜の単位)を8本使用しており、抜群の飛び、そしてフィーリングを発揮するものである。





ロジャー・フェデラー(スイス)、錦織圭、伊藤竜馬といった選手たちは、ウイルソンのナチュラル・ガットに惚れこんで使用しているという。トッププレーヤーたちに愛されている「NATURAL 16/17」を、ぜひ一度試してほしい。あなたは、“本当のナチュラル”をどう感じるだろうか?




➡︎Wilson Web Magazineは毎週水曜日更新! 次回(2020/7/15更新)は「LUXILONナチュラルガット」について 乞うご期待!!

★[Wilson Web Magazineバックナンバー(2011年1月号~2020年3月号)]
https://wwm.tennisclassic.jp/archive/backnumber/index.html

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