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2024.08.30

選手情報

引退して2年、尾﨑里紗がテニスイベンター「アスプロ」と組んで子供たちの成長をサポート「成長のきっかけに」

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約2年前に今のテニス界では若い28歳でプロとしてのキャリアを終えた尾﨑里紗。引退時には「テニス選手以外の人生も歩んでみたい」と綴った。その彼女が主に取り組むのは、ジュニアの強化というより、テニスの楽しさや魅力を子供たちに伝えることだ。根底にあったのは、引退時に必要だと知った“うまくなりたい”“強くなりたい”という心の部分だった。

【動画】尾﨑里紗×アスプロの実際の様子

現役時に尾﨑は、2017年3月の「マイアミ・オープン」(WTA1000)では予選から勝ち上がりベスト16入りを果たすなど自己最高ランキング70位を記録。この年は、すべてのグランドスラム本戦に出場し、全米オープンでは初出場で2回戦に進出した。

2022年の全日本テニス選手権で現役を退いた後は、公益財団法人日本テニス協会の活動としてテニスの普及活動に励むとともに、甲南大学テニス部のテクニカルコーチなど世界のトップと渡り合った経験を生かしている。

その中で尾﨑が、「低年齢からテニスの楽しさとか面白さや魅力を伝えて、その子供たちが大きくなってもテニスを楽しく、頑張って続けてもらいたい」と、定期的にタッグを組んでイベントを行っているのが東海地方を中心にテニスイベントを企画・運営している「アスプロ」という団体だ。



アスプロは、テニスの名門校である名古屋高校出身の岩田大二郎氏が代表を務める。大学卒業後には他の学生と同様に就職したものの、小学生から大学までテニスに真剣に向き合った経験から再びテニスに関わる団体を立ち上げた。当初は、自分たちで子供たちにレッスンをしていたというが、「プロが教えた方が子供たちの刺激になる」と考え、プロを招いたイベントを開催し始めている。

岩田氏と同じく名古屋高校時代に全国大会に出場する経験を持つ海本健太氏は、「全国大会に出ている人って特別な技術がある選手ばかりでない。僕らみたいな平凡な選手もいますし、何かのタイミングで悔しい思いをしたことやコーチと出会ったり、プロに1回教えてもらったなどというきっかけから伸びたよねという経験を持っていると思う。こういうイベントで、埋もれていたかもしれない子供の才能を引き上げることができるかも」とこのイベントの可能性を見る。

尾﨑自身、「周りからあれやれ、これやれと言われる中で、ある程度できて世界70位まで行けた。けれど、もっと上に行こうと思った時に自分から“うまくなりたい”“強くなりたい”という心の熱い部分が湧き出るものがないといけなかった」と引退してからようやくわかったことがある。「そんな思いを子供たちにしてほしくない」。尾﨑が引退後に芽生えた感情と、アスプロが未来の子供たちに描く可能性が重なった。

技術的なことをプロとして尾﨑がジュニアたちに教えられることはたくさんあるが、まずはテニスを好きになってもらい、どのように向き合ってもらうか。まだ花開いていないジュニアたちが、尾﨑と出会うことで成長の一つのきっかけになるかもしれない。尾﨑×アスプロから世界を目指す未来のテニス選手が生まれることを願うばかりだ。



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Photo by Tennis Classic