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2025.03.04

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ラケットの質をワンランク上げる日本ラケットストリンガーズ協会が一般社団法人に「技術レベルの底上げに」

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©一般社団法人日本ラケットストリンガーズ協会

日本ラケットストリンガーズ協会が一般社団法人として2025年よりスタート


今年1月、これまで30年以上にわたって任意団体として活動してきた日本ラケットストリンガーズ協会(JRSA)が、一般社団法人としてスタート。2月下旬に設立総会が大阪で行われ、会長の中村伸治氏(テニスピット/京都)に同協会の意義を聞いた。

ストリンガーが技術を磨く場としているのはもちろん、ラケットやストリングなど用具に関する知識を高める場所として、1992年に発足したJRSA。

ストリンガーとしてこれまで数々の国際大会を支えてきたJRSA6代目会長の中村氏は、一般社団法人になったことについて「社会的な信用として団体の会計処理もクリアにして、対外的にも立ち位置を明確にしたい」と語り、「入会してくれるストリンガーが増えてほしい。技術レベルの底上げに」と願いを込める。

また、賛助会員としてメーカー13社が参加。同協会の顧問を務める大塚正人氏(バボラ)は、「彼らは商品のことを理解し、自分たちの技術を洗練されたものにしようとしている。それによってプレーヤーの満足度が変わってくる。メーカー同士は切磋琢磨しラケットやストリングを開発しますが、それが適切に使われた結果、テニスを生涯スポーツとして楽しんでもらえる。この手助けを我々メーカーがどこまでできるか」と参加する意義を教えてくれた。

会員は全国で130名弱がおり、定期的に勉強会が行われるだけでなく、技術認定資格制度を採用。基本的な張り上げ技術を持つレベルから一流プレーヤーが信頼を寄せるほどの細かい要求に応えるレベルまで、ブロンズ、シルバー、ゴールドと認定試験を行っている。お店を訪れるお客様にとってみれば一つの指標となり、会員のストリンガーにとっては自身の技術を高めるうえでの目標になるだろう。

ストリングを張るだけでなく、カスタマイズやアドバイスもおこなういわば、“ラケットのコンサルタント”ともいうべき存在。同協会がストリンガーに求める張り上げ技術には基本的な項目が8つある。
・張り上げ時のフレームに変形がない
・ストリング1本ごとのテンションにバラツキがない
・指定のストリングパターンを守る
・ストリングとフレームを傷つけない
・適切なノット(結び目)となっている
・目飛ばしやクロスオーバーがない
・フレーム、ストリング、指定テンション、ストリングマシンが同じであれば、同じ張り上げができる
・クロスストリングは揃えながら張り上げていく

一見、当たり前のように思えることだが、ラケットやストリングの特徴を把握し、正確に張り上げることは容易ではない。この基礎ができているからこそ、カスタマイズやプレーヤーの要望に初めて応えられる。ストリングの不安定さがボールの行方を数センチ狂わせることもあるとわかっているからこそ、JRSAメンバーは日々技術を高めあうのだ。




30年以上の経験を持つ中村氏でさえも、「JRSAでいろんな人の話を聞き、考え方を一つにしないように心がけている。若い人もいて、違う考え方があるから参考になる」と意味を語り、「常にラケットやストリングなど新しい商品が出てくるし、終わりはない。『これが絶対』というのはなく、常に進化していかないといけない」とまだ道半ばだという。

「ラケットのフレームがあり、ストリングがある。それに加えて、“張り”の技術があってテニスラケットになると思っている。目ではわかりにくいが、ただ網目にすればいいわけではなく、なにが良い張り上げなのかを追求していく」とした。

ストリングを張り替えるには、専門店のほかにスポーツ量販店やラケット購入時のECサイト、テニスクラブなどがあり、ユーザーがそれぞれ優先しているものがあるだろう。アクセスや値段、スピード。その理由の一つに、確かな技術を持っている人に張ってもらうことを追加してみてはいかがだろうか。

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