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2025.03.31

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19歳メンシク、ツアー初優勝「特別な意味を持つ」。敗れたジョコビッチ「彼には明るい未来があると確信」[マイアミ・オープン]

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Photo by Getty Images

19歳メンシク、憧れのジョコビッチを破りツアー初優勝

現地3月30日、「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ/ATPマスターズ1000)シングルス決勝が行われ、ノーシードで勝ち上がった19歳のヤクブ・メンシク(チェコ/世界ランク54位)が第4シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/同5位)を7-6(4),7-6(4)で下し、ツアー初優勝を果たした。

【動画】スマッシュ並みの威力!? メンシクのバックハンド・ハイボレー&決勝ハイライト

19歳のメンシクは、昨季世界ランク167位から48位に上昇。好成績を収め、ATPアワードの2024年最優秀新人賞に選ばれた。

今大会本戦は初出場。1回戦でロベルト・バウティスタ・アグ(スペイン/同50位)、2回戦でジャック・ドレイパー(イギリス/同7位)、3回戦でロマン・サフィウリン(同71位)を破り、4回戦では対戦相手のトマーシュ・マハツ(チェコ/同21位)が棄権。準々決勝でアルトゥール・フィス(フランス/同18位)、準決勝でテイラー・フリッツ(アメリカ/同4位)を破って、キャリア2度目のツアー決勝に進んだ。

決勝の相手は、憧れの選手である37歳のジョコビッチ。ツアー通算100度目のタイトルやATPマスターズ1000最多41勝目、同大会最多7度目の優勝など、さまざまな記録がかかっていた。

第1セット、ジョコビッチの最初のサービスゲームを叩いてスタートダッシュを決めたメンシク。だが、ジョコビッチも多彩なショットメイクで我慢し、第7ゲームでブレークバックする。互いに1度ずつブレークし、タイブレークに突入。ここで勢いに乗ったのはメンシク。開始から5ポイントを連取すると、そのままリードを保って7-6(4)で奪う。

昨年10月のATPマスターズ1000上海では逆転負けを喫しているメンシク。続く第2セットもジョコビッチを苦しめるが、チャンスを活かしきれない。ジョコビッチは雄たけびを上げるなど観客も高揚。相手に流れが行ってもおかしくない場面だが、メンシクはセンター、ワイドと正確に打ち分けられたサーブを活かして、テンポよくポイントを獲得。危なげなくサービスキープしていく。

第1セット同様にタイブレークまでもつれると、ここで集中力を切らさずに好プレーを続けたのはメンシク。攻撃的なプレに加えて、ジョコビッチにひけをとらないストロークの粘り強さを見せて7-6(4)。最後はこの試合、ジョコビッチを苦しめたワイドサーブで締めて、コートに倒れこんだ。

今大会だけで3名のトップ10を破ってうれしい初タイトルを手にしたメンシクは、「感情は少し後でわいてくると思う。今は本当に信じられない気分だよ。この瞬間を生きているという感じで、夢を見ているようだ」と信じられない様子。

「2週間を通して、僕のゲームはどんどん良くなっていった。今夜ノバク(ジョコビッチ)にタイブレークで勝てたことは信じられないよ。僕は成長する過程で彼を見てきたし、彼のおかげでテニスを始めた。ATPツアーで優勝することが夢だったし、さらに素晴らしいのはそれがATPマスターズ1000だということ。ノバクと決勝で戦うことができたのは、より特別な意味を持つ」と喜びを露わにした。

一方、敗れたジョコビッチは、雨で試合開始が遅れたことや湿度が高かったこと、調子がベストではなかったことなどを言い訳にしたくないとし、「メンシクと彼のチームにお祝いを言いたい。負けるのは決してうれしくないが、正直彼は僕が負けてうれしい数少ない選手の一人だ」とコメント。

「15、16歳の頃にプレーしているのを見て、招待して一緒にトレーニングをしたこともある。彼の成長と進化を見ているのは本当に素晴らしいことだ。彼が持っているポテンシャルを活かしているのを見てとてもうれしい。特にサーブは素晴らしく、パワフルで正確。ファーストサーブで多くのフリーポイントを奪う。バックハンドも素晴らしく、身長が高いのにスライドや動きが良い」

「まだ改善の余地はある」と言うが、「間違いなく今後も彼を見かけることになるだろう。明るい未来があると確信している」と早くも頭角を現してきたメンシクのプレーを称えた。

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