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2025.11.25

メーカーズボイス

はじめてシリーズ「グリップサイズ選び」#9 ~グリップサイズの選び方。まずは「握ってみること」が重要~

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グリップは、プレイヤーとラケットを繋ぐ「唯一の情報伝達システム」。サイズ選択は慎重に!


ラケットを購入する際、フレームの選択が終わったら、次に決めなければならないのが「グリップサイズ」。自分の手の大きさに適した握り具合を、きちんと選ぶ必要があります。

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たぶん初めてラケットを買う場合、どのグリップサイズが「最適なのか?」がわからないでしょう。ここで「選択のポイント」を挙げておきますね。

1. ハンマー握りをして、親指の付け根と各指先との間に人差し指が入るくらいの隙間ができる状態
2. そのグリップを握ったまま、手首をグルグル回してみて、どこかに「動きにくさ」を感じないくらいの太さ

「1」については、一般的に言われる、おおまかな適合サイズの目安です。まずそれを握ってみて、「力が入りやすそう」と感じれば、それがジャストサイズです。
「2」ですが、もしも「あれっ、この角度になると動かしづらいな」と感じたら、それはあなたにとって太いかもしれません。

グリップ選びでもっとも重要なのは、「いちばん力が入りやすい太さ」を選ぶことです。昔のラケットの重さは400gくらいもあり、「グリップは太いほうが力が入りやすい」とされ、みんな無理して太めを選んでいました。太いグリップは、手首の動きが制限されてしまいますが、当時はそれでもよかったのです。「手首を固めて腕全体でラケットを前へ押し出すように振れっ!」と教えられていた昔のスイングは、現代とは根本的にスイング理論が違いました。でもラケットが軽くなり、手首を自由に使うスイングが主流になると、みんな従来よりも細めを選ぶようになりました。

グリップは、全身の連鎖運動によって生み出されたスイングパワーを、ラケットに伝える、唯一の「力点」であり、正確なインパクトを実現するための「制御システム」です。プレーヤーのパワーを、十分にラケットに伝えるためにも、グリップサイズの選択は、とても重要です。

■グリップサイズの「数字の意味」を理解しよう!


ここで、グリップサイズ表記の基礎を紹介しましょう。ほぼすべてのメーカーのグリップサイズ表記は、細い順に「0」「1」「2」「3」「4」となっていますが、この数字は「0番」「1番」「2番」……というような、単純な「順番」ではありません。

この数字は、「グリップ一周分の長さ」をインチで表わした場合の、数字の「一部」です。グリップの周囲の長さは、インチ表示で「4+X/8インチ」となり、そのXが「表示サイズ」なのです。つまり……
■ 0…… 4 0/8
■ 1…… 4 1/8
■ 2…… 4 2/8(4 1/4)
■ 3…… 4 3/8
■ 4…… 4 4/8(4 1/2)
ということで、「サイズ0」は周長が「4.0インチ」、「サイズ2」は「4.25インチ」です。「4 X/8」(Xは0~4の整数)の表記を単純にしてわかりやすくするために、整数4が取り去られ、分数部の分母を8に統一して、分子の数字だけを残したのが、「グリップサイズ」で、いまでもサイズ表記シールに、両方の数字が記されているものもあります。

■最適なグリップは、実際に握って確かめて選ぶ! 


初めてラケットを購入する場合も、繰り返し買い替えされてきた方も、グリップサイズを決めるときは、「実際に握って確認」しましょう。選び慣れたプレイヤーは「同サイズでも、A社は太めでB社は細め」などと言うことがありますが、「同じブランド内でもモデルによってわずかな違いはある」し、同モデルでも、微妙な個体差はあるのです。巻かれているグリップの厚さや、もっと言えば「巻く人」の加減によっても違いはあり得ます。

「サイズ表記が同じならばすべて同じはず」と思い込まないでください。ラケットのグリップは8角形ですが、各辺の長さ比率によって、「角型タイプ」もあれば「偏平タイプ」もあり、自分にとって「なんかフィットする感じ」は、それぞれに違います。

たまに「グリップは細めのを選んでおけばいいですよ。もし細かったら、グリップテープで調整できますから」なんて言う店員さんを見かけますが、ハナっから「グリップテープを巻くもの」と決め付けるのもどうかと思うし、「グリップテープで調整」なんて、けっこうマニアックなことを求めるのも考えものです。グリップは、最初から慎重に選びましょう!

ということで、次回は「グリップテープの選び方」について、お話しします。


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文=松尾高司
1960年 生まれ。『月刊テニスジャーナル』で 26年間、主にテニス道具の記事を担当。試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。テニスアイテムを評価し記事などを書く、おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。


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