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2026.07.12

選手情報

ノスコバがチェコ勢対決を制してグランドスラム初戴冠!トイレの冷水とトロフィーがもたらした「魂の再集中」[ウィンブルドン]

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ノスコバ 「私は大きな方を持って帰る」。最終セット直前に見たトロフィーで再び闘志


「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)は現地7月11日、女子シングルス決勝が行われ、第9シードのリンダ・ノスコバ(チェコ)が第10シードのカロリーナ・ムホバ(チェコ)を6-2, 5-7, 6-3で下し、グランドスラム初優勝を果たした。21歳のノスコバによるウィンブルドン制覇は、2011年に彼女のアイドルであるペトラ・クビトバ(チェコ)が優勝して以来、15年ぶりの最年少記録となる。

【動画】ノスコバがチェコ勢対決を制してグランドスラム初優勝!決勝ハイライト

2009年のセリーナ・ウィリアムズ対ヴィーナス・ウィリアムズ以来となった同国勢対決の決勝。試合は序盤、ノスコバのペースで進んだ。第1セットをわずか31分で先取し、第2セットも5-2とリードを広げる。しかし、ここからムホバの猛反撃が始まった。ムホバは5度のチャンピオンシップポイントを凌ぎ、5ゲームを連取して第2セットを逆転で奪い返した。

スタジアムが大歓声に包まれる中、ノスコバは第2セット終了後にトイレットブレークを取り、コートを離れた。

ノスコバはこの場面における気持ちの切り替えについて「試合が新しく始まると自分に言い聞かせていた。トイレで顔に冷たい水をかけて、また最初からやり直した」と明かす。「これほどのマッチポイントを握りながら、セットを一から始めなければならない状況は、コーチと話し合っていたシナリオにはなかった。誰も私にその心構えをさせることはできなかったと思う」と語り、完全に個人のメンタル勝負であったと説明した。

一気に崩れてもおかしくない状況。それを良い方向に持っていけたのはコートを出た一歩目にトロフィーが目に入ったことだ。「私は小さな方(準優勝)ではなく、大きな方(優勝)を持って帰るんだと自分に言い聞かせた。最終セットでコートに魂を置いていくことになっても構わないと。再び自分自身に集中し始めたことがキーポイントだった」と再び闘志を呼び起こした。

その最終セット、ノスコバはこの試合4度目となるブレークで早々に先手を取ると、その後は流れを渡さなかった。再び5-2とリードして迎えたサービスゲームで6本目のチャンピオンシップポイントをついに決め、そのままセンターコートの芝生に崩れ落ちて喜びを爆発させた。

2023年全仏オープンでも惜しくも決勝で敗れたムホバにとって、これがキャリア2度目のグランドスラ準優勝。それでも表彰式のスピーチでは涙をこらえながらユーモアを忘れなかった。

「リンダ……私の“元”親友ね」とムホバは会場の笑いを誘いながら切り出した。

「もちろん冗談だけど、あなたはまだ若いのにこれが初めてのグランドスラム決勝。その中での立ち振る舞いやプレーは信じられないものだった。あなたはとても心優しい人。この優勝にふさわしい」

ノスコバも親友であり同国の先輩でもあるムホバへの祝福を忘れなかった。

「カロリーナ、あなたのおかげで本当に大変な試合になった」とノスコバは笑いながら語り、「絶対に許さないから(笑) でも、初めてのグランドスラム決勝の相手があなたで良かった。おめでとう、本当にファイターね」と続けた。

亡き母について触れる場面もあり、「母がいなければ、私は今ここに立っていなかった。本当にありがとう」と声を震わせながら空を見上げ、感謝を口にした。ノスコバの母イバナさんは2年前に亡くなっている。

激闘を制したノスコバは、この初優勝の重みについて「間違いなく一生忘れない出来事だが、それを実感するには間違いなく数日かかるだろう」と率直な心境を吐露した。また、最後となった6度目のチャンピオンシップポイントの瞬間については「最後のマッチポイントの時は、自分がマッチポイントを握っていることすら気づいていなかった。ただプレーを続けた。頭の中で難しく考えすぎなかったことが、本当に勝利をもたらしてくれた」と語った。

「災難」と評した全仏オープンでの不振から、今回の栄冠に至った過程については、「自分自身に集中すること、コートでの時間を楽しむこと、勝てると信じること、目の前のポイントだけに集中すること――それができれば、こういう大会でも優勝できるということを証明できた」と総括。

「自分のテニスに関しては、いつも何が起こるか自分でも分からない(笑) でもこの2週間、そして数週間前から、コートで本当に良い感覚があった。それが結果として表れたのだと思う」




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写真=田沼武男 Photo by Takeo Tanuma