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2026.09.14

選手情報

シェルトン、初のグランドスラム決勝は「100%心に刺さる」敗戦も「ここが自分のいたい場所」 ズベレフとの差を糧にさらなる成長へ[全米オープン]

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シェルトン、初のGS決勝で感じた特別な舞台「このポジションにいたい」

「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク)男子シングルス決勝が現地9月13日に行われ、第8シードのベン・シェルトン(アメリカ/世界ランク9位)は第2シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同3位)に3-6, 6-7(2), 7-5, 2-6で敗れ、グランドスラム初優勝を逃した。それでも、初めて立ったグランドスラム決勝は、シェルトンにとって大きな前進となった。敗戦の悔しさを抱えながらも、自身の課題を冷静に分析し、次のグランドスラムへ向けてさらなる成長を誓った。

【動画】シェルトン、ネット際でのスーパープレー&決勝ハイライト

2003年のアンディ・ロディック以来となるアメリカ人男子のグランドスラム制覇、1975年のアーサー・アッシュ以来となるアフリカ系アメリカ人男子の全米オープン制覇には、あと一歩届かなかった。試合後の記者会見で、シェルトンは「モチベーションはあるが、今日の結果には失望している。この2週間を通して戦い抜いたことには満足しているし、進歩したと感じていることにも興奮している。ただ、この敗戦が100%心に刺さるのも確かだ」と率直な心境を明かした。

グランドスラムではこれまで2度の準決勝進出を経験していたシェルトンだが、決勝の舞台に立つのは今回が初めてだった。ATPマスターズ1000では2度の優勝を飾り、Nitto ATPファイナルズにも出場している。それでも、アーサー・アッシュ・スタジアムで迎えたグランドスラム決勝は、それまでとは異なる特別な経験となった。

「今日、あのコートに出ていくことはほかにはないものだった。これまで感じたことのない感覚であり、こういったポジションにいることはやみつきになる」とシェルトンは振り返る。過去のグランドスラムでは早期敗退によって大会終盤を自宅から見守ることもあったと明かし、「大会がまだ続いているのに10日以上も家にいて、ほかの選手がドローを勝ち上がっていくのを見ているのは正直悔しかった。決勝で負けたこともモチベーションになるし、ここが自分のいたい場所だ」と言葉を強めた。

初の決勝でタイトルには届かなかったものの、シェルトンにとってはグランドスラムの最終日まで戦い抜ける選手になったという確固たる実績が残った。

その一方で、決勝では世界2位のズベレフとの明確な差も突きつけられた。特にシェルトンが警戒したのが、ズベレフのサーブだった。「彼はテニス界で最高のサーブを持っている。今日、彼から66ゲームぶりにブレークを奪うことができた」と語る通り、初対戦となった2024年8月のATPマスターズ1000シンシナティ準々決勝第1セットでブレークして以来、相手に許し続けていた66ゲーム連続キープをようやく打ち破った格好となった。

さらにシェルトンは「サーブ以外でも非常に完成された選手だ。ネットプレーもかなり良くなっているし、198センチの身長がありながら非常に優れた動きをする。リーチも長いためリターンも素晴らしく、ベースラインからのプレーも堅実で、ツアーでも最もフィットネスに優れた一人だ」と相手の隙のなさを称えた。



自身のプレーについては「ベースラインから自分が望んでいたようには実行できなかった。バックハンドについては試合が進むにつれてこれ以上を求めることはないが、今日はフォアハンドがうまく打てず、攻撃したときの正確性が足りなかった」と具体的な反省点を口にした。

リターンから主導権を握った場面や、ベースライン戦で攻撃できるボールを得た場面でも、ミスによってポイントを失う展開が続いた。シェルトンは「素晴らしいリターンを入れてボールが浮いてきたときも、ベースラインでうまくプレーしてフォアハンドが浮いてきたときも、そこでミスが多すぎた。攻守の切り替えも良くなかったし、フォアハンドをもっと決定的な武器にしたい。彼のような選手とプレーする際、勝てるチャンスはほとんどなく、ポイントを奪うためには本当にハードワークしなければならないが、自分にはそこが足りなかった」と敗因を分析した。

ズベレフから勝利を奪うには、数少ないチャンスを確実にポイントへ変える必要がある。そのなかで攻撃力を十分に発揮できなかったことを、シェルトンは課題として重く受け止めている。

決勝進出によって、シェルトンは9月14日付の世界ランキングで自己最高となる4位へ浮上する。トップ4に入るという大きな成果を手にした一方で、本人はまだ自分の成長が終わったとは考えていない。「人生を通じて、常に自分より前を走る選手がいて、その人たちを追いかけてそのレベルに達しようと努力してきた。自分は遅咲きだし、それはずっと変わらない。ジュニアからチャレンジャー、そして今のレベルに至るまで、決勝に初めて進んだときにいつも成功できたわけではない。自分にとっては継続的なプロセスであり、なりたい選手にはまだまだ遠い」と冷静に自己を見つめ直した。

今回の決勝では、2週間にわたる戦いの疲労も蓄積していた。シェルトンは決勝を迎える前から疲れを感じていたとし、その原因はズベレフのサービスルーティンを待つ時間ではなく、大会全体を通じた累積的なものだったと述べている。「全米オープンの決勝だ。この2週間で30セット近く(実際は28セット)プレーした。今日疲れていたのは立って待っていたことが原因ではなく、大会を通して積み重なった疲労によるものだ」と語った。

初めて経験したグランドスラム決勝でタイトルを逃し、明確な課題も突きつけられた。それでもシェルトンは敗戦を終着点とは捉えていない。「次に進む。もっと良くなるように努力して、オーストラリアではここで見せた以上に強くなって戻ってきたい」と前を向いた。

全米オープン準優勝によって世界4位という自己最高位に到達するが、シェルトンが見据えているのはランキングの数字だけではない。初めて立ったグランドスラム決勝で得た経験と見つかった課題を糧に、さらなる高みを目指す。悔しさを残したニューヨークの夜は、シェルトンにとって新たなスタートでもある。


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写真=田沼武男 Photo by Takeo Tanuma