ULTRAのコンセプトは、「ネットプレーで優位性を発揮できるモデル」である。 しかし、ウイルソンは、そのULTRAの第2形態として、猛烈なパワーを発揮するラケットを準備していた。それは、ガエル・モンフィスのためのラケット、「ULTRA TOUR 97」である。
モンフィスが愛用していたBLADE 98(18×20)は、「X-LOOP(エックス・ループ)設計*」によるトルネード効果が生み出す、包み込むような軟らかさと、その戻りで生まれる強烈なパワーが多くのプロを魅了している。ただ、モンフィスは、ウイルソンにさらなるパワーを求めていた。こんな風に例えるとわかりやすいかもしれない。
テンポの速いテニスをするためのPRO STAFFが"ピストル"だとしたら、打球の勢いに自身のスイングのパワーを加えて打ち出すBLADEは"バズーカ砲"、そして今回紹介する「ULTRA TOUR 97」は"ミサイル"である!
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スイートスポットでとらえた際の圧倒的なパワー。それは、ウイルソンのラケットの中でも最強クラスのものとなった。しかし、それだけの長所を生み出すためには、何かを省かなければならない。そのパワーの分、オフセンターでの飛びは劣ってしまう。だが、それこそモンフィスが求めたものだ。
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モンフィスが使っていたBLADE 98(18×20)とのスペック上の違いは、フェイスサイズが97平方インチと1平方インチ小さいこと、そして着実に芯に当てるためにバランスポイントを31.5cmと1cm手前に設定、フレーム厚は1mm薄い20mmでよりしなるセッティングにしている点だ(レングス、ストリングパターンは同じ)。残念ながらモンフィスはUSオープンでは3回戦のゴフィン戦で右足を負傷し棄権してしまったが、ULTRA TOUR 97は、モンフィスのみならず、マディソン・キーズ(USオープン準優勝)、ボルナ・コリッチ(USオープンでズべレフを下して3回戦進出)も使用している。
間違いなく腕自慢のためのラケットと言っていい「ULTRA TOUR 97」。求めよ、さらば与えられん。手にしたものだけが得ることができる。それは禁断のパワーだ。
テニスクラシック編集部(広)ボックス形状、グロス仕様のコスメがとにかくかっこいい!振り抜きが素晴らしく、芯で捕らえたボールはピカイチラシカルなイメージを抱かせるボックス形状は、世代的にも大の好み!! (うなずくオーバー40は多いはず)。グロス感あるコスメもかっこいい。その第一印象から、もっとハードなイメージを持っていたが、いざ打ってみると、柔らかさも兼ね備えていた。
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設計の狙いどおり、スイートスポットで捕らえると、納得のボールが飛んでいく。その打球感は、パンと弾き出す感じ。接触時間は短めだが、振り抜きがよい分、スピン系、フラット系、スライス系、すべてのボールが伸びていく。難しいなと感じたのは、つなぎのショット。普通にラリーする分には、さほど感じないものの、刺し込まれると苦しく感じるので、なるべく前で捕らえたいラケットだと思う。
そして、大満足だったのがサーブだ。当たり前の話だが、自分でトスを上げるサーブはスイートスポットで捕らえる確率が高い。芯で捕らえることで良さが出るだけに、普段使っているラケットより鋭いサーブが打てたと思う。そういった特性を考えると、サーブやリターンの1球目で優位に立って、攻め続ける。そんなプレーをしたい人には、持ってこいだと思う。
テニスクラシック編集部(川)重さ以上に軽く感じ、スイングスピードもアップするベースライン後方からでもウィナーを狙えそう‼まず、フレームの形状からかラケットが少し長く感じた。そして実際にスイングしてみると、やはりスイングスピードが速くなった感覚がある。特にそれが感じられたのは、フォアハンド。ラケットが自然と走ってくれるので、ベースラインより後ろからでも攻めのボールを打つことができる。
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重さ(305g)に関しては、普段自分が使用している300gのラケットよりも軽く感じるほど。実際には重いのだが、振り抜きが良い分、速く振れていると感じるのかもしれない。とはいえ、ボールにはしっかりパワーが伝わっているため、打ち手としてはテニスが楽しく感じられるはずだ。
打球感は、ボールを包み込むというより弾くラケットだと感じた。フレームがしっかりしているため、面ブレも少ない。ベースラインからハードヒットしたい人には、このラケットがマッチすると思う。
ULTRA TOUR 97
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ULTRA TOUR 97
¥37,000(税抜き)
フェイス面積: 97sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 305g
Av.バランス: 31.5cm
フレーム厚: 20.0mm
グリップ・サイズ:G2, G3
ストリング・パターン:18x20
適正テンション: 50-60ポンド
ウイルソン情報なんと400以上のウェブマガジン [Wilson Web Magazineバックナンバー(2011年1月号~2020年3月号)]