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2017.06.20

メーカーズボイス

全仏オープン2017 REPORT

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カレン・カチャノフ
全仏4回戦進出!
世界No.1を唸らせたカチャノフのサンダーフォア



「とてもストロングなプレーヤーだ。若手の中でも特に有望だと思う。ビッグサーブがあり、パワフルなビッグショットが打てて、何より、素晴らしいタイミングで打てている」(A.マレー)

初めての全仏オープン本戦で、4回戦に進出。そして、相手はマレーだ。結果的に、ストレートで敗れたものの、世界No.1を唸らせる局面をいくつも作った。特に目立ったのは、やはり"サンダー(カミナリ)"とも形容されるフォアハンドである。198cmという長身をフルに生かし、BLADE 98(18×20)で渾身のショットを放つ。それは、今大会、何十本ものウィナーを奪ったショットだ。1回戦ジャリーに3-1、2回戦ではベルディッチにストレート勝ちのアップセットを起こす。続く3回戦では、イズナー(3-1)をも退けた。わずかグランドスラム3大会目で、キャリアハイとなるGS4回戦にコマを進めた。「キャリアベストの結果を残すことができた」とカチャノフ。「目標は、いい内容の試合をすることだった。どの試合もしっかり準備して臨むことができたことが大きい。そして世界No.1との試合をセンターコートで経験できたことは、大きな経験となった」と語るなど自信を深めた大会となった。

カイル・エンムンド
ベスト16進出ならず
それでも、収穫を得た全仏



全仏開始時点で49位。22歳にして、イギリスのNo.2となっているカイル・エドムンド。その魅力はコンパクトながら、強烈なフォアハンドを筆頭に、巧みなバックハンド、そしてフットワークと多岐に渡る。だからこそ、使用するPRO STAFF 97との相性もいいのかもしれない。今大会も、オールマイティーさを発揮した。

1回戦のエリアム、2回戦オリーボといずれもストレート勝ち。そうして迎えた3回戦のアンダーソン戦。元トップ10の選手を相手に、自信を持って臨み、実際7-6(6)、6(4)-7、7-5とセットカウント2‐1とリードしていたが、続く第4セットは取りきれず、第5セットも拮抗した展開とはなったが、主導権を握ることはできず。3回戦敗退で終わった。

「身体的に苦しい試合だった。長いラリーは避けたかったが、フットワークを生かす場面が多くあった。ただ、適切な判断はできていたと思う」と振り返ったエドムンド。敗れはしたが、「5セットマッチでは、集中力がカギ。それを持続できたことが、(1、2回戦)ストレート勝利につながった」と収穫も得られた大会となった。

パブカ・カレーニョ・ブスタ
キャリア初のベスト8
全仏で新たな感覚を掴む

カレーニョ・ブスタのキャリアにとって、2017年全仏は大きな転機となる大会かもしれない。徐々にレベルを上げてきた彼は、昨年のUSオープンに続き、全豪で3回戦進出。インディアンウェルズ・マスターズではベスト4に入るなど、調子の波に乗っている中、BURN 100S CVリバースを武器に全仏を迎えた。



スペイン人選手といえば、クレー巧者が多いことで知られる。カレーニョ・ブスタも例外でなく、クレーでは勝利5割超えと、どのサーフェスよりも高い勝率を残している。フットワークを生かし、とにかく粘り、カウンターでエースを狙う。そんなテニスが、今回の全仏で光った。

3回戦、同じウイルソン・プレーヤーのディミトロフ(RPO STAFF 97S)戦は試合序盤にリードされたもの、逆転しストレート勝ち。続くラオニッチ(BLADE 98 18×20 CV使用)戦では、「今までにない新たな感覚をつかめた」という。ビッグサーバー、ラオニッチに5セットの末に勝利。「キャリアで最も大きな勝利だ。約4時間半、5セットはあまりにもタフだった。でも、ベストを尽くし、苦しい中で楽しむことができた」と語ったカレーニョ・ブスタ。続く準々決勝はナダル戦。「絶対に勝てないと思うなら、僕は戦わない」と自信をのぞかせて臨んだが、腹筋を痛めてしまい、第2セット0-2で棄権。それでも、グランドスラムベスト8はキャリアベストの記録。ラオニッチ戦でつかんだ新たな感覚は、今後、カレーニョ・ブスタのテニスをどう進化させるのか。今後の戦いが楽しみでならない。

エレーナ・スビトリーナ
優勝候補の一角として臨んだ全仏
万全のプレーを見せたがライバル、ハレプに惜敗



全仏オープン第5シード。しかし、前哨戦のローマ国際では、決勝でハレプを破って優勝しているだけあって、優勝候補の一角として大会に臨んだ。

 スビトリーナといえば、コートに突き刺さるかのような強打が売りのプレーヤー。フォアハンドはもちろん、バックハンドでもエースを奪うことができる。だからこそ、スピンに長け、パワーもあるBURN 100S CVという相棒を選択したのだろう。

シュベドワ(2-0)、ピロンコワ(2-1)、リネッテ(2-0)と3回戦まで順調に勝ち上がったスビトリーナだが、4回戦のマルティク戦で難局を迎える。相手の強打が大当たりして、第1セットを奪われてしまったのだ。続く第2セット第1ゲームもブレークされてしまった。「彼女のショットがものすごかった」というスビトリーナだが、ここから落ち着いてリズムを作ると、見事逆転勝利を果たした。これで2年ぶりとなる全仏ベスト8を達成。「スピリットを見せることができ勝てた。自信がついたし、ポジティブになれる」と笑顔で語った。

そして準々決勝、対戦相手はイタリア国際決勝で対戦したハレプ。第1セットから、強打が冴えて、6-3と先取。第2セットはきっ抗した展開となるが、マッチポイントを握る。しかし、決め切れず。ここから流れが変わってしまった。まさかの逆転負け。
「試合に負けたことは、とても悲しいこと。ただ、悪くはない試合だったし、明日からも私のキャリアは続いていくわ」
そう振り返ったスビトリーナ。全仏のタイトルまでは届かなかったが、まちがいなく、それを狙える一人になっている。自身の言葉どおり、彼女のキャリアはまだ続く。グランドスラムの舞台で、トロフィーを掲げる日もすぐそこまで来ているはずだ。

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