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2021.02.16

大会情報

カラツェフを変えたパンデミック期間。無名選手が全豪予選から準決勝へ

昨年のテニス再開後いきなり強くなった!?

予選を勝ち抜き、本戦で準決勝に到達する。オープン化以降では、5人目(グランドスラムデビューとしては初)ということが2月16日に起こった。世界ランキング114位のアスラン・カラツェフ(ロシア)は、準々決勝で同21位、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)[18]と対戦。2-6、6-4、6-1、6-2で勝利したのだ。

1回戦のジャンルカ・マジェル(イタリア)、2回戦のイゴール・ゲラシモフ(ベラルーシ)、3回戦では、第8シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)にすべてストレート勝ち。そして、4回戦では第20シードのフィリックス・オジェ・アリアシム(カナダ)にフルセット勝ち。そして今日の勝利。あれよあれよという間に、ベスト4である。


【動画】予選からベスト4入り!!カラツェフ ハイライト集


無名と言ってもいい27歳、“カラツェフって誰?”という人も少なくないはずだ。
無理もない。昨年の全豪オープンのタイミングでは、300位付近というランキングだから、日本で知る機会はほとんどない。彼にとって契機となったのは、昨年のパンデミックだという。新型コロナウイルスの世界的流行のために、ツアーはストップ。3ヵ月間、彼もプレーをストップさせていたという。その後、懸命にトレーニングをして、8月、チェコでチャレンジャーツアー (ATPツアーの下部大会)3大会に出場。すると、準優勝、優勝、優勝と絶好調に。休んだことがプラスにつながったのかもしれない。

それというのも、実は2017年にヒザを痛めたあと、フォームに問題を抱えて自信を喪失してしまっていたのだという。しかし、「連勝することで、自信が戻ってきた。それと同時に、コート上でリラックスできるようになったんだ」とカラツェフは語っている。目標だった年内トップ100入りは実現しなかったが、自信が戻ったことで“ここから頑張ろう”となっていた。

そんなタイミングで1月、ドーハで行われた全豪オープン予選に参加。3試合を勝ち抜いて本戦への切符を手にする。実にグランドスラム予選10大会目で初の予選突破だった。予選後、そのままオーストラリアへ。そしてロシア代表として、ATPカップに出場するという幸運を手にする。同大会では3試合プレー。ただし、ダニール・メドベデフ、アンドレイ・ルブレフの2人が全試合シングルスをものにして勝敗を決めてしまっていたので、プレッシャーがかかるような局面はなかった。結局、ロシアチームはATPカップを優勝したのだが、ここで両エースのプレーを間近で見たことが“大きな助けになった”のだという。
「ものすごく気分がよかった。コートの雰囲気も最高で、トップ選手がそこでプレーしているんだ。私は、2人(メドベデフとルブレフ)がどのようにプレーしているのか、とじっくりと見ていたんだ。その経験が自信につながったりし、大きな助けになった」とカラツェフ。今回の大躍進の要因については、3年前からコンビを組んでいるイヨル・ヤツィクコーチ、フィットネスコーチらによる影響が大きいと語っている。
「最近3年間は、コーチのいるベラルーシを拠点にしている。フィットネスコーチも近くにいる。そしてヤツィクは、メンタルコーチでもある。私に自信を与えてくれるんだ。正しいチームを見つけられたこと、正しいコーチを見つけられたこと。それが今につながっていると思う」

ディミトロフ戦後、「何が起きているのか。予選からセミファイナルに到達するなんてすごすぎる(笑) この瞬間を楽しみたい。あとはコートに出たら、自信を持ってプレーするだけ。今回の結果でより自信を持てるようになっている。なるべくベストを尽くすようにしたい」と語ったカラツェフ。

同胞のルブレフは、「実は、昨年末には、すでにかなりすごいレベルに達していたんだ」と証言している。準決勝は、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)、第6シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)のいずれかと戦う。果たして、予選から決勝へは達成するだろうか。

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Photo by Takeo Tanuma

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