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2021.06.30

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スアレス・ナバロ、“テニスの聖地”での戦いに別れ「この大会で最も幸せな選手だった」[ウィンブルドン]

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Photo by Getty Images

スアレス・ナバロ、最後のウィンブルドンで世界1位のバーティに敗れる

ファンに愛され、選手に愛された偉大なプレーヤーがウィンブルドンに別れを告げた。ウィンブルドン2日目、女子シングルス1回戦に今シーズンをもって引退を表明しているカルラ・スアレス・ナバロ(スペイン/世界ランク138位)が登場。センターコート第1試合で、第1シードのアシュリー・バーティ(オーストラリア/同1位)と対戦し、1-6、7-6(1)、1-6のフルセットで敗れた。

【動画】多くのファンと世界1位のバーティに見送られ、コートを去ったスアレス・ナバロ&試合終了の瞬間

昨年9月、悪性ガンのホジキンリンパ腫と診断され、半年間の化学療法と放射線治療を行ったスアレス・ナバロ。発症前、昨シーズンをもって引退を表明していたが、このままでは終われないと、ガンを克服し全仏オープンで再びコートに戻ってきた。その復帰戦では、2017年のUSオープンチャンピオン、スローン・スティーブンス(アメリカ/同73位)にフルセットで敗れたが、今度は最後のウィンブルドンに臨んだ。

この日の試合、スアレス・ナバロは「長い間、コートから離れていたから最初は少し緊張した」と試合後に語ったように、第1セットをわずか25分で落としてしまう。だが、第2セットではバーティのサービング・フォー・ザ・マッチとなった第10ゲームでバックハンドのリターンエースを2本決めるなどブレークバックに成功。土壇場で追いつくと、タイブレークでは3度のミニブレークでファイナルセットへ持ち込んだ。

それでも、ファイナルセットでは疲れが見え、第2ゲームでブレークされると、第4ゲームでもサービスゲームを破られ、万事休す。バーティのサービスゲームを崩すことができず、フルセットの末に敗れた。

スアレス・ナバロは試合を振り返り、「第2セットでは、とてもいいプレーができたわ。試合を楽しみ、ベストを尽くそうとしたの。彼女(バーティ)はとても良いプレーをしたと思う。サーブは本当に良かった。それが(結果の)違いの一つだと思うけど、最後は疲れてしまったわ(笑)」とコメント。「ウィンブルドンは私に最高の贈り物をしてくれた。本当に楽しかったわ。この日以上のものはありえない。ここでの最後の試合が世界No.1のアッシュ(バーティ)とのもので、屋根のあるセンターコートでできた。この大会で最も幸せな選手だったと思う」と最後のウィンブルドンを楽しめたと語った。

また、そのスアレス・ナバロを「素晴らしいファイター。回復力と競技者としての本質、そのすべてが称賛に値する」とした対戦相手のバーティ。試合直後の握手を交わした場面では、「あなたと一緒にコートに立てて良かった」と感謝の言葉を伝えたという。

「彼女は優れた人間で偉大なファイター。ロッカールームでは愛され、リスペクトされている。彼女がいなくなるのはとても寂しいわ。だから彼女に感謝の気持ちを伝えたかったの。観客も特別で、彼女がコートを去る時は素晴らしい見送り方だった」

“テニスの聖地”と呼ばれ、すべてのテニス選手にとって憧れの地、ウィンブルドンでの最後の戦いを多くのファン、そして世界1位に見送られて、スアレス・ナバロはコートを去った。

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