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2022.01.29

メーカーズボイス

プリンスが生む競技者用テニスシューズの理想形、『ツアープロZ V』が満を持して2月登場【編集部インプレ付き】

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勝つために生まれたテニスシューズ
プリンス「ツアープロZ V」が2月発売

満を持して、プリンス『ツアープロZ V(TOUR PRO Z V)』が発売になった。
シリーズ5代目のモデルは、試合に勝つために開発されたテニスシューズ。その特徴を簡単に紹介すると「動けるけど疲れない」、そして「履くだけで打球が変わる」という画期的なものだ。



【関連記事】おすすめテニスシューズ、プリンス「ツアープロライト」、未体験のホールド性が“最速フットワーク”を生み出す【編集部インプレ付き】


プロのショットをライブで見たことがある人は、その技量はもちろん、ボールの伸びに驚いたことがあるはず。プロだから当たり前とも言えるが、上手く打つための秘密がそこにはある。具体的には「キネティック・チェーン(運動連鎖)」が見事だからこそ、生きたボールを打つことができるわけだ。プロのフォームが美しいのもそこに理由がある。大事なのが「骨盤」のポジションである。

結論から言うと、骨盤が前後に傾いていないニュートラルなポジションの状態でプレーすることが理想である。そのメリットは様々あるが、何より大きいのは「ハムストリング(太ももの裏側の筋肉)・お尻の筋肉が使える」こと、そして「姿勢が良くなり、体幹の筋肉が使える」こと。全身の内、下半身の筋肉が占める割合は70%と言われる。そこを機能させることで、足〜ふくらはぎ・太もも〜体幹〜腕の筋肉がすべて使えるようになって運動連鎖がしやすくなり、ボールをしっかり叩くことが可能になるわけだ。

ちなみに「骨盤」のポジションについては、赤ちゃんの時にはニュートラルの位置にあるのだが、成長していくに従って前傾したり、後傾したりといった癖がつきやすくなってしまうのだというから厄介な話である。






体勢を補正してくれるテニスシューズ
プリンス考案の理論とは?

では、プリンス『ツアープロZ V』が、どのようにして骨盤の位置を戻し、運動連鎖をしやすくさせているというのか? 最大の秘密は、「4Dツアーテクノロジー3」注目のアウトソール「PMFソール」にある。





ダッシュ、ストップなど瞬時の動きをするケースでは、前足部を使うケースがほとんど。そのため「母趾球」(足の裏の親指の付け根にあるふくらみ) のあたりに、フレックスグルーブ(屈曲溝)を設けるのが一般的だ。ところが、ここでソールが曲がると骨盤が前傾しやすくなってしまう。バランスが悪くなると(膝の位置がつま先より前に出てしまうと)、太ももの前側の筋肉は使えても、太ももの裏側・お尻、体幹の筋肉はうまく機能しない。運動連鎖がしにくくなるわけだから、打てるボールの威力も限られるというわけだ。





「PMFソール」では、実験の末にソールを曲げるフレックスポイントを一般的なものより、少し後ろに設けている。
その分、前方への倒れ込みを防ぎ、骨盤が立ったニュートラルな状態をキープしやすくなるため、太ももの裏側・お尻、体幹の筋肉を使いやすくなるのだ。また運動連鎖が生まれ、無理な力を使わなくなる分、疲労も軽減されるという利点もある。もちろん、筋肉が連動しやすいわけだから、素早い切り返しもできる。さらに力んでの手打ちも減り、故障の危険性も減っていくだろう。


骨盤の意識とかは必要ない。とにかく履いてプレーをするだけで、運動連鎖が最適化されるというのだから、一見ならぬ“一履”の価値アリである。


テクノロジーだけではない。今回の「PMFソール」の注目はそのデザインにもある。テニスシューズとしては画期的なマーブル模様が施されているのだが、この絵柄は唯一無二。販売されているすべてのシューズの柄が微妙に違っているのだ。ぜひショップでソールを見比べてみてほしい。おしゃれは見えない部分から、とも言う。自分専用のソールデザインを探してみるのもおもしろそうだ。





かつてないフィット性、ホールド性を
実現するテクノロジーを搭載

続いてご紹介したいのが「リバウンド・ミッドソール」。
足を下から包み込むような形状となっており、前足部には反発性、衝撃吸収を発揮する「フォワード・アシスト・インサート」が埋め込まれており、後足部には衝撃を和らげる「インパクトキャッチャー」が埋め込まれている。衝撃吸収性能・反発性能を持つ「TPEインソール」と相まって、前足部では蹴り出しのエネルギーを生み、後足部では不快な衝撃を吸収するという役割だ。





まさに足を包み込むかのような
新感覚を味わえるアッパーのメッシュ素材


また、今回、アッパーにはメッシュ素材を使用。これにより足とシューズのさらなる一体感を生み出している。細工はさらにある。アッパー中足部サイドには、「インターナル・フォアフット・バンド」と呼ばれるサポートパーツが内蔵されていて、シューレース・ホール部分と連動しているため、靴ヒモの締め具合でホールド性を自在に変化させることができる。また、アウトソールからアッパーへの競り上がり部分には、サポートパーツ「エクスターナル・スタビリティ&デュラビリティクリップ」を搭載してあり、安定性、耐久性を向上させている。






勝つために生まれたオール5のモデル
それがプリンス「ツアープロZ V」である

様々な部分で最新のテクノロジーを搭載し、PMFソールの作用によって、骨盤が立ち、より強く、より安定したボールを打つことができる。いわば「オール5」と言っていいテニスシューズの誕生である。





とはいえ、履いてみなければ、このシューズの真価はわからない。“迷わず履けよ、履けばわかるさ、い行くぞー!!”、というわけで、できればショップで足入れをして、テニスの動きをし、真価の一部を体感してみてほしい。“オートマチック運動連鎖” を促すプリンス「プロツアーZ V」で、自分のテニスに革命を与えよう。


編集部(川) (広)が「TOUR PRO Z」インプレ「他社モデルと比べてみてイイですか?」




「勝つために生まれたテニスシューズ」。果たして、一般プレーヤーでも、そのメリットを感じ得るのか? 編集部(川)、(広)が試履した感想を紹介していきたい。といっても、単純なインプレではおもしろくない。今回は、普段履いているシューズと比較してみて、「TOUR PRO Z」の特徴を味わってみた。





編集部(川)
“Z社とのシューズと比較で分かった” 
横ブレがなく、体勢が崩れづらい。足の指で噛む感じで打てる

「TOUR PRO Z」とZ社とのシューズ比較でインプレをお伝えしたい。今回は「TOUR PRO Z」(クレー・グラスサンド)を着用している。

まずはプリンス。足を入れて軽く動き回ってみて感じるのは、ほど良いホールド感だ。自分の足に合ったシューズを、とショップでは言われるが、やはりその好みというのは人それぞれ。個人的には、わずかに遊びがあったほうが速く動けると思っているのだが、26.5cmのシューズは、正にそれに合致したサイズだった。

そして前後左右に動いてショットを打ってみる。特に感じるのはサイドに振られた時の安定感。インソールは薄めだが、柔らかすぎず、固すぎず、履いていてちょうどいいという感じ。特徴的なのはつま先部のフィット性で、天地が狭めでサイドは狭すぎず、いいホールド感だ。そう書いてしまうと横ブレが起きそうだが、中足部でしっかりホールドされているので問題はない。足の指でコートをつかむような感覚が出せるのはいい。また、体勢が崩れるとそのような動きはしづらくなるわけだから、シューズ自体の安定感はかなり良いと感じた。

さて、持ってきたZ社との比較だが、サイドに振られた際、Z社のシューズのほうは小趾球(小指の付け根部分)が外側に持っていかれる感覚があるが、「TOUR PRO Z」に関しては、そこに安心感がある。

また気に入ったのが、ソール・パターンの溝の深さ。最近、パターンが浅いものが多くて滑りやすい気がしているのだが、このシューズはしっかり砂を含みつつ、人工芝にしっかり噛むように感じられる。スライディングで余計に滑りすぎないというは、故障を防ぐ上でもいいような気がする。










編集部(広)
“X社のシューズとの比較で分かった!”
「土台が安定しているから、横ブレしないし、体勢が崩れにくい」

40代後半、体力急降下中の私にシューズの良し悪しなんてわからない! ましては勝つために生まれたシューズというのは何とも敷居が高い。なんてことを考えながら、(川)同様に、普段履いているシューズと比較しての感想をお伝えしたい。

その前に、発色の良さ、鮮やかさは写真で見る以上で、カラフル好きとしては結構好き。まず足入れした感じ、つま先部分の天地のホールド感が強め(痛いというほどではない)。シューレースと連動しているパーツ、アッパー内に組み込まれたバンドによって、好みで中足部のホールド性を変えられるのは、けっこういいなと思う。気をつけたいのは、締めすぎないこと。どのホールド感が最も動けるのか、調整して見つけたい。またかかとのふっくらフィット感が素晴らしい。それほど厚みがある感じではないのだが、かかとをしっかり固定してくれるのはテニスシューズで重要なポイントだ。

スパイダーランをやり、(川)とラリーで左右に振り合い、厳し目の球出しで打ってみてといろいろやってみての感想だが、一言でいえば「安定感が高い」。
そう書いてしまうと伝わりづらいが、前方から見てわかるとおり、このシューズは台形のフォルム。長方形に近いX社と比べると、体が横に流れる感じが少ない。体勢が崩れにくいということは、コンマ何秒でも、戻りが早くなるわけだから、次のショットへの余裕が生まれるのは必至だ。

また、ソールの屈曲ポイントが、一般的に多い母趾球付近より後ろにあるのが、「TOUR PRO Z」の特徴。イメージとして、踏み出し時に硬く感じるかと思ったが、そんなことはなし。ここは、初代モデルからアップデートされているように思う。それは、ハードに動かなくても感じられるポイントなので、一般プレーヤー、中年プレーヤーでも感じられるはずだ。

それとお伝えしたいのは、履き初めから馴染む感覚があること。この形状は決して細身ではなく、台形形状で悪くいえば“ゴツ目”。そういったシューズは、1回目から「いい感じ」というのは少ないが、これは難なく履き始めることができる。

まとめると、X社のシューズとの比較で分かったのは、「土台が安定しているから使っていても、体勢が崩れにくい」ということだ。
体勢が安定するためには、(1)支持基底面が広い(根本=両足の幅が広い) (2)重心が低い (3)重いという条件が必要と言われる。ソール面積が広いから、その分、シューズ自体の重心が低くなる。ケガにつながる内反抑制のテクノロジーも考えられている。一般プレーヤー、中年プレーヤーにとっては、動きやすさはもちろん、ケガの抑制という部分でもメリットを感じられるはずだ。






取材協力 グローブライド株式会社
フリーダイヤル  0120-506-204
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