厳しい要望に応えて作られた“全豪オープン公式球”
自身のサーブのために、ボールパーソンからボールを渡してもらう。ほとんどの場合は、複数球もらって使わないボールを返すわけだが、選手としてはスピード重視ならばフェルトが毛羽立ってないものを、スピン重視ならば毛羽立っているものを選ぶのが一般的と言われる。どのくらい違うのかはわからないが、1球のウィナー、1球のミスが勝敗を分ける可能性があるわけだから、プロにとっては、こだわりたいポイントではある。
1月17日から開幕する全豪オープンで使用されるのは、「ダンロップオーストラリアンオープン(DUNLOP AUSTRALIAN OPEN)」。ダンロップは、2019年大会から公式ボールサプライヤーとなり、公式球を提供している。
シングルス優勝で440万豪ドル(約3.7億円)という大舞台、グランドスラムで使われるボールだから、大会側はもちろん、作る側のダンロップも細心の注意を払って新たなボール作りに取り組んだということを聞いている。
ITF(国際テニス連盟)が定めたルールでは、「常に同じようであること」をボールに求めている。とはいえ、全豪オープンが行われるオーストラリアの夏は、40度超えだったり、ヒートポリシーで試合が中断されるほどの暑さだったりが特徴(気温、放射熱、湿度、風速が一定基準を超えると試合が中断なされる)。暑いだけならば、まだいいが、雨が降って屋根が閉まって行われるケースもある(全豪オープンには、3つの開閉式屋根付きアリーナがある)。
気温40℃と空調が効いたちょうどいい気温で性能が同じボールが作れるのか? ここがダンロップのすごいところ。大会側からの無茶振りにも思えるオーダーに対して、見事応えて“オフィシャル”と認められ、2019年大会から公式ボールを供給しているわけだ。
さて、「ダンロップオーストラリアンオープン」は、どんなボールかというと、ITFが定めた4つの規定上“タイプ2=中速系ボール”の範疇に入る(多くのATPマスターズ1000で使われる「ダンロップATP」も同カテゴリー)。打球感はややハードで、スピードが出るタイプで、多様なプレースタイルをすることができるという特徴を持っている。全豪オープンがダンロップに求めたのが、すべての状況、すべての選手にとって同じ性能を発揮するということだったが、まさに、それこそが「ダンロップオーストラリアンオープン」なのである。
さて、2022年最初のグランドスラムとなる全豪オープン、この公式球を使って、どんなドラマが生まれるのだろうか!?
![](https://images.tennisclassic.jp/media/article/3807/images/1c100cd0bd6d0741b16d6b9be861469b58a76f44.jpg?w=1200)
[全豪オープン公式球]
DUNLOP AUSTRALIAN OPEN
ダンロップオーストラリアンオープン(プレッシャーライズド テニスボール)
メーカー希望小売価格:オ-プン価格 ※2ヶ入ボトル、1ケース(30ボトル)/カラー:イエロー(商品コード:DAOYL2DOZ)/素材:フェルト=ウール、ナイロン、コットン、コア=ゴム、原産国:MADE IN THE PHILIPPINES / THAILAND
国際テニス連盟公認球/日本テニス協会公認球
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