フルセットの激戦を制したのはシャポバロフ
4時間25分、379ポイント、互いに全力を尽くしての戦いだった。
1月19日、全豪オープン3日目、男子シングルス2回戦。第14シードのデニス・シャポバロフ(カナダ/世界ランク14位)は、クォン・スンウ(韓国/同54位)と対戦。一進一退の攻防となり、先にクォンが2セットを奪ったが、シャポバロフが7-6(6)、6(3)-7、6(6)-7、7-5、6-2で逆転勝利し、3回戦進出を決めた。
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第1セット第1ゲーム、クォンのストロークミスでシャポバロフが労せず、ブレークに成功する。これで勢いづいたシャポバロフはオープンコートに低く速いショットでプレッシャーをかけていくと、第5ゲームでもブレークに成功。4-1とリードする。しかし、第5ゲーム、足を動かしてスピンの効いたボールを深く返していくクォンがブレークバック。リズムを取り戻すと、第10ゲームでもブレークバックして、タイブレークに突入する。1本ずつミニブレークを取り合って6オール、クォンのミスでさらにミニブレークを奪ったシャポバロフが7-6(6)でセットを先取する。
第2セットも、互いに1ブレークずつ奪ってタイブレークへ。今度は、クォンが7-6(3)で取り返すと、第3セットも同じ展開でタイブレークへ。先にミニブレークを奪ったシャポバロフは、6-4とセットポイントを握ってサーブを迎える。しかし、ここでバックハンドがネット。追いつかれると、11ポイント目にミニブレークを奪われて6(6)-7でまたもセットを奪われてしまう。
試合後、シャポバロフはこの局面を「タイブレークでリードしていたので、とても悔しかったし、腹も立った。でも、僕ができるのは、とにかく腰を据えて戦うことだけ。彼はビッグポイントで堅実なプレーをしていたけど、遅かれ早かれ、一つか二つのチャンスはやって来ると思ってプレーした」と振り返っている。
“とにかく腰を据えて戦う”、それが奏功する。第4セットは互いに譲らず、キープ合戦となり、シャポバロフの6-5でクォンのサービスゲームを迎える。ここで15-40とチャンスを迎えると、続くポイントでクォンのフォアハンドがわずかにオーバーとなり、7-5で第4セットを奪取する。
ここまで懸命に走っていたクォンだったが、第5セットでは疲れが見え始める。すると、第2ゲームでアンフォーストエラー4本。痛いブレークを許してしまう。その後、ブレークバックのチャンスは訪れず。シャポバロフは、5-2で迎えたクォンのサービスゲームをブレークして6-2。4時間25分にも及ぶ激闘を制した。
「超難しい試合だった。タフな試合になることは分かっていたんだ。でも、予想以上に難しかった。第2、第3セットとも、何度もチャンスがあったんだけど、うまくいかなかった。でも、うまく切り抜けて、戦い続けることができたから本当によかった。風が少しあって、プレーするのは簡単ではなかったけど、大きなスタジアムでプレーできたことは少しラッキーだった」と振り返ったシャポバロフ。
続けて「もし2、3年前だったら第4セットで間違いなく負けていたと思う。何度も5セットマッチを戦ってきたので、攻めるべき時、守るべき時がはっきりわかってきた」と経験を経たことで勝利できたと語っている。
シャポバロフは続く3回戦で、第23シードのライリー・オペルカ(アメリカ/同29位)と対戦する。
■全豪オープン2022
日程/2022年1月17日(月)〜30日(日)
開催地/オーストラリア・メルボルン:メルボルンパーク
賞金総額/7,500万豪ドル(約62.7億円)
男女シングルス優勝賞金/440万豪ドル(約3.7億円)
サーフェス/ハード
試合球/「ダンロップオーストラリアンオープン」
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