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2019.12.04

ギア情報

錦織圭の一問一答! ラケットのこだわり&ケガから復活の誓い

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12月4日、都内でウイルソンによる記者会見『錦織圭選手に勇気を与えるラケットデザイン制作プロジェクト』が開かれました。(プロジェクトに関する記事はコチラ!https://tennisclassic.jp/article/detail/230

会見では、錦織選手が大切にしている“ラケットへのこだわり”や“新コーチのミルニ氏について”、“2020年への熱い想い”などを余すことなくコメント。その錦織選手の一問一答をご紹介します!


今年9月には、 自らデザイン開発に参加した『ULTRA TOUR 95CV KEI LIMITED EDITION 2019』が発売された
――錦織選手にとってラケットのデザインはどのような存在でしょうか?

(錦織) 自分の好きな色やデザイン(のラケット)というのはテニスをするうえで、やる気につながりますし唯一の武器でもある。だからこそデザインや自分の好きな色を重視しています。

――今年、錦織選手のふるさとである島根県の出雲日御碕(いずもひのみさき)灯台をモチーフにしたラケットが完成しましたが、そのデザイン開発に参画してどのような感想をお持ちですか?

(錦織) 楽しかったですね。ラケットを選ぶというのは初めてのことでしたし、自分の一番の武器を好きな仕様にできるというのはすごく光栄なことで、自分の故郷の色を使って地元を思い出すというのはうれしいですね。

――2020年ではいままで使っていたラケットデザインに戻す予定でしたが、錦織選手に「ぜひ、このラケットを使って試合に出たい」と言っていただきました。やはりデザインへの思い入れがあったということでしょうか?

(錦織) まだ使っていないというのが一番でした。けれど、やはり“自分が共同でデザインしたラケットを使用したい”“試合で使いたい”と、ずっと心で思っていました。

――今回、2020年9月以降に錦織選手が使うラケットのデザインをファンから募集させていただくことになりました。そのきっかけを教えてください。

(錦織) テニスは孤独なスポーツで、一人で戦わないといけません。その中で唯一の武器であるラケットを使う時に、ファンを思い出しながらプレーできるということは、サポートになります。最初にこのようなお話を聞いた時には、ビックリしました。ファンが作ったラケットと一緒に戦うというのは、また違った仲間がいるような感じがします。

――錦織選手にも驚いたというようなことを言っていただきましたが、ウイルソンの105年の歴史を紐解いても一般の方からデザインを募集するということは初めてです。この点に関してどのようなことを感じますか?

(錦織) いままで他のラケットメーカーがやってこなかったことだと思うので、ファンが参加できることや試合の中で一緒に戦えるというのは新しいことだと思います。

――どのようなデザインを期待しますか?

(錦織) いろんなデザインがあっていいと思いますね。なるべく今まで見てこなかったような新しいラケット、斬新さがあっていいと思います。いろいろなデザインが見てみたいですね。

――今回、サンプルとしてデザイナーの方、一般の方(大学生、小学生)に事前にデザインをいただいています。まずプロの方が刀をイメージしてデザインしたものです。

(錦織) 鋭さというか、日本刀みたいなカッコよさがありますね。シンプルですけど、その中に強さもある。昔のラケットのようで伝統的な雰囲気がありますね。



――二つ目は大学生がデザインしたものになります。花のグラジオラス(花言葉の一つが『勝利』)から込められた意味のデザインになります。触ると立体になっています。

(錦織) 本当だ!(笑) こんなに作り込んでくれるのはうれしいですね。自分の好きな色が緑なので、思い入れは強いというか。

――いまは“緑”が好き?

(錦織) はい。

――これは選ばれる時のキーワードかもしれないですね。

(錦織) いろんな意味を込めて作ってくれているのは基準になるかもしれないですね。

――最後に小学生の女の子が描いてくれたデザインです。フレームの各所にコメントが入っています。

(錦織) これもいいですね! 「錦織圭選手の爽やかな感情を表しました」そのとおりですね(笑) かわいい! 小学生らしいというか斬新ですね。このような感じの色も好きです。



――このようなデザインがたくさん集まった中から錦織選手に選んでもらうことになります。大変な作業になると思いますが、よろしくお願いします。

(錦織) 楽しみです!

――錦織選手には絵心があったり、詩心があると存じ上げていますが、自分でデザインを一から描いてみたいと思いますか?

(錦織) 一年ぐらいもらえれば描いてみたいかな(笑)

――そうすると来年1月末締め切りの選考に間に合わなくなってしまいます…。

(錦織) 1月末か…。じゃあリハビリをやめて、そっちに専念します(笑)

――そこはリハビリに専念してください(笑) では、今後テニスのラケットのデザインというのはどのように進化していくと思いますか?

(錦織) 人それぞれの好みがあるので、“コレ”というのが皆さんに当てはまるかどうかわかりません。ただ僕は昔からウイルソンを使っていて、“ウイルソンの赤”というのには思い入れがあります。その一方で、最近は流行っていたカモフラージュ柄とか今までになかったものもあるので、いろいろな種類のデザインがもっと増えてもいいと思います。

――デザインが変わっただけで使うのが嫌だという選手も中にはいますが、錦織選手にはフレキシブルに受け入れていただいています。デザインが1年間に何回か変わるということはモチベーションのプラス、マイナスありますか?

(錦織) 僕は結構飽きやすいので、変わってくれるとうれしいですね。2、3年同じというのはモチベーションをアップさせるために物足りなくなるところがあります。

――今年は残念ながらケガがありました。リハビリは楽しめてはいますか?

(錦織) 楽しくはないですけど(笑) いろんな新しいトレーニングをして、来年強くなって(ツアーに)戻ってきたいので、リハビリもしっかりやりながらケガを治して、来年の試合に臨みたいと思います。

以下より記者からの質問

――多くのファンが募集すると思いますが、選出されるためのヒントや“ココを重視したい”というところはありますか?

(錦織) 自分が想像もつかないようなデザインがいいですね。自分が思いつきそうなデザインよりもワッと驚くようないろんなデザインが見てみたいです。

――この色がいいというのはありますか?

(錦織) どの色でもいいですね。昔からさまざまな色(のラケット)を使っていて、黄色や青、赤だったり。いままで見たことのないような色やラケットっぽくないようなものでもいいかなと思います。自分がコレというのは特にないので見て決めたいです。


錦織が小学生時代から使用していたウイルソンのラケット
――2019年は「ULTRA TOUR 95CV」、その前が「BURN」。モデルについて変える予定はありますか?

(錦織) モデルは変えません。

――今のケガの状況、今後の見通しを教えてください。

(錦織) 順調にリハビリは進んでいます。ヒジのほうは、最近やっとスポンジボールで打てるようになってきたところで、まだ自分のラケットを持ってというところはまだです。軽いラケットから始めて、12月末にはしっかり打つことができるようにしたいですね。復帰するのは来年の1月のどこか。2月になるのかもしれないですけど。様子を見ながらというところです。

――2019年の後半苦しい状況だったと思います。今シーズンはどのような一年でしたか?

(錦織) いい意味では安定していた1年でしたけど、もう一歩いきたいなというところももちろんありました。後半はケガをして大変でしたけど、中盤ぐらいからヒジ(の痛み)とは戦っていたので、ここでしっかり治して、違うところもしっかり鍛えて来年臨めればいいなと思います。

――先日発表された新しいコーチのミルニ氏はダブルスで活躍された方ですが、どのような経緯でコーチになったのでしょうか、またどのようなコーチでしょうか?

(錦織) 今年の夏ぐらいからコーチをなんとなく探し始めていて、ダンテ(・ボッティーニ)とも長かったですし、いま一緒にやっているマイケル(・チャン)とも結構長くやっている。その分、いい意味ではお互いのことを信頼し合って、お互いのことを分かり合っていますが、新しい声も取り入れたいなというのもあったので。13歳の時、IMG(テニスアカデミー)にいた頃から彼はプロとして同じ場所で練習をしていて、彼の練習に対するひたむきさとか、頭もすごくいい選手。そういうところをジュニア時代から尊敬していたので、今回頼むことになりました。



――今月末には誕生日を迎えますが、30歳で迎える2020年シーズン。目標をお願いします。

(錦織) 30歳になって、引退のほうがどちらかというと近くなってきたので、いろいろ考え始めたりもしますけど、まだまだ体に衰えも感じていない。来シーズン、まずはしっかり治してというところが最初ですけど、来年の後半ぐらいにはいいテニスができればいいなと思います。

――錦織選手は子どもたちにとって尊敬できるプレーヤーであるとともに、夢を与える立場だと思いますが、東京オリンピックに向けて日本の皆さんにどういったプレーを見せたいでしょうか?

(錦織) オリンピックは楽しみですね。日本でできるというのは幸せなことですし、ぜひいい結果を残したいです。あとは(大坂)なおみちゃんがなんとかやってくれると思います!(笑)

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写真 テニスクラシック編集部