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2019.11.06

メーカーズボイス

全日本選手権覇者の担当ストリンガーが見た選手のストリングへのこだわり

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全日本選手権の女子シングルス優勝の本玉真唯選手のストリンギングを担当したテクニファイバーオフィシャルストリンガーで、「String House Allez!!(ストリングハウス アレ)」のオーナー、小林大輔氏にストリングのあれこれを聞いてみた!

全日本選手権では予選を含めて選手15名ほどのストリンギングを担当した小林氏。伝統の全日本選手権ともなると、選手たちのストリンギングへの意識も特に高まると言う。

「他の大会では少し我慢して使い続けるケースもあるかもしれませんが、全日本選手権ではほとんどの選手が毎日張り替えて新鮮なストリングでプレーしようとしていました。本玉選手は試合用に4本、試合中に1本というケースが多かったですね。ストリンガーとしては選手のルーティーンを崩さないように、選手が求めているものを聞かずとも感じ取らなければいけない。そう思って張っています」


20歳にして全日本テニス選手権の女子シングルスで優勝した本玉真唯選手。ストリングに対しての意識も高い

さらに、「一般の方はポリを“50ポンド以上”で張っている人たちが多いのですが、全日本選手権に出ている選手たちは基本的に“40ポンド台”。ただしハイブリッドで張る場合は、50ポンド前後で張っています」と、プロの中でも主流となっているポリストリングの使い方も一般の方とは異なると言う。

これまでグランドスラムやツアーファイナルズでのストリンギングを行ってきた小林氏だが、その信念が…

“時間通りに、すべて同じに仕上げること”

「選手に“○ポンドで”と言われたら、50本でも100本でも指定されたテンションで仕上げなければなりません。これは経験不足のストリンガーにはまずできない。経験を積み重ねたプロのストリンガーだけができることです。同じマシン、同じテンションでもストリンガーが変われば、打ち味は大きく変わる。トップ選手は1ポンドでもズレていたら、感覚が狂ってしまいます。それほどストリンギングは繊細なものです」

最後に、小林氏に一般の方へ向けたストリングのアドバイスをもらった。

「今年のロッテルダム大会では、錦織 圭選手のストリンギングを担当しました。その際、彼ともストリングについての会話がありました。みなさんも信頼できるストリンガーに張ってもらい、質問をぶつけてみるといいかもしれません。引き出しのあるストリンガーなら悩みを解消してくれるはずです。是非、一度お店に来てください。プロの張りが“ここまで違うか”とわかっていただけると思います」

「テニスはしっかりした道具があってこそ」と語る小林氏。それほどストリンガーが重要だと言う。プロストリンガーのお店に足を運べば、アナタのテニスの質も上がるかも!?

小林大輔
★テクニファイバーオフィシャルストリンガーで、東京・目黒区にお店を構える「String House Allez!!(ストリングハウス アレ)」のオーナー。グランドスラムをはじめツアーファイナルズでのストリンギングを経験。2009年全仏オープンでは、ナダルを破ったソダーリングを担当し、その信頼の厚さから翌年の同大会でもストリンギングを務めた。

「String House Allez!!(ストリングハウス アレ)」
●住所:〒152-0004 東京都目黒区鷹番1-14-2 TEL:03-6303-1763

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写真 テニスクラシック編集部