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2022.10.09

選手情報

国枝慎吾、16歳小田凱人を下し大会連覇! 敗戦よぎるも意地を見せる「どこまで抗えるかというのは自分自身楽しみ」[楽天ジャパンオープン]

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国枝慎吾、敗戦寸前から意地を見せて16歳小田凱人を下す

10月8日、車いすテニス「楽天ジャパンオープン」(東京・有明/ITF2シリーズ)シングルス決勝が行われ、第1シードの国枝慎吾(ユニクロ/世界ランク2位)が第2シードの小田凱人(東海理化/同5位)を6-3、2-6、7-6(3)で下し、大会連覇を達成した。

【動画】国枝慎吾、「自分を鍛え直していかないといけない」と語った優勝者インタビュー

「いつかやられる日が来るだろうなと思っていて、今日がその日なのかなと試合中も何度もよぎった」と優勝スピーチで振り返った38歳の国枝。リードを奪っても、心が折れることなく立ち向かってきた16歳に、敗戦まであと2ポイントと追い込まれたが、最後の最後で意地を見せた。

第1セットを6-3で奪った国枝は、第2セットも先にブレークしたが、そこから小田の力強いストロークに押されて6ゲームを失い、試合は最終セットへ突入。勢いが相手にある中、国枝は一気に2ブレークを奪って4-0とし、5-1の場面では4本のマッチポイントを握る。

しかし、小田は諦めない。攻めの姿勢を崩すことなく、リターンから国枝にプレッシャーをかけていくと5ゲームを奪って、一気に6-5と逆転。追い込まれた国枝だったが、数々の修羅場をくぐり抜けてきた数が違う。敗戦寸前から精度の高いリターンでブレークバックし、タイブレークに持ち込むと一気に小田を突き放して先輩としての意地を見せた。

試合時間は2時間27分。2006年10月から16年続く国枝の対日本人選手の連勝は87に伸びた。昨年の東京パラリンピックでは金メダルを獲得したものの、無観客で開催。この日は多くの観客が2人を出迎え、「長年こういう舞台を待ち望んでいて、それが叶った日だった。入場する時も感慨深く、そのことがすごく入場した時に幸せに感じた」と勝敗よりも喜びを感じた瞬間だったという。

「怖いもの知らずでガンガン打ってくるタイプで凱人と重なる」と小田を19歳で世界ランク1位になったカルロス・アルカラス(スペイン)にたとえ、「今日は(ラファエル)ナダルの気持ちになりましたね」と笑みをこぼしたが、勢いのある若手に「どこまで抗えるかというのは自分自身楽しみ」とさらなるモチベーションにしてこれからも戦い続ける。

敗れた小田は、試合終了直後、ベンチに戻ると頭をタオルを覆い、涙を流した。悔し涙も交じっているだろう。だが、「この涙は悔しいわけではなく、うれしくて勝手に涙が出てきた」と、テニスを始めたきっかけで憧れと語っていた国枝と多くの観客の前で戦えたことに喜びを感じた。

その一方で、最終セットに1-5から5ゲームを連取したシーンを振り返り、「初めてゾーンというものを経験した」と新たな自分を発見できたとしながらも、「最後の最後で力尽きてしまう部分がある」と唇を噛んだ。

「タフな決勝戦、凱人のスピーチも16歳とは思えないぐらい立派過ぎて、試合もスピーチも追い込まれている」と国枝も冗談交じりで語ったが、小田の気持ちのこもったプレーは間違いなく観客を魅了し惹きつけた。負けて強し。「これから車いすテニス界は彼を中心に回っていく」とグランドスラム通算50度の優勝、オリンピックで4つの金メダルを獲得したパラ王者が太鼓判を押した。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma

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