2022.10.24

ドーピング陽性のハレプを元コーチのケーヒル氏が擁護「『確信が持てないなら飲まない』とよく言っていた」

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6シーズン共にしたケーヒル氏「意図的に摂取した可能性はない」

10月23日、女子テニスの元世界ランク1位、シモーナ・ハレプ(ルーマニア／世界ランク10位)がドーピング陽性になったことを受けて、元コーチのダレン・ケーヒル氏はSNSで「『確信が持てないなら飲まない』とよく言っていた」と綴り、故意の摂取はしていないだろうと擁護した。

【画像】故意の摂取を否定したハレプのSNSをチェック

今月21日、ITIA(国際テニス・インテグリティ機構)は、今年8月のUSオープン時にハレプから採取した検体にWADA(世界ドーピング防止機構)が禁止している物質、ロキサデュスタットが含まれていたと発表。ハレプは、暫定的な出場停止処分を受けた。

これにハレプは自身のSNSで故意の摂取を否定。「人生最大のショックを受けたわ。私のキャリアにおいて、不正行為という考えは一度も頭をよぎったことがない」とし、これから真実を明らかにするために闘っていくとした。

そして、ハレプの無実を信じて疑わないのが、世界ランク1位やグランドスラム優勝へと導き、昨年9月まで6シーズンにわたって指導した名伯楽のケーヒル氏。「もうシモーナとは仕事をしていないが、私が知っている彼女、6年間共に仕事をしたアスリートとしての彼女を書きたい」と、自身のインスタグラムに思いを綴った。

「まず、最も大事なことは、シモーナが禁止薬物リストにある物質を故意に、あるいは意図的に摂取した可能性はないということ。彼女は、医師から処方されたもの、あるいは使用、検討したサプリメントについて、敏感なアスリートだ。シモーナは、『ダブルチェック、トリプルチェックをして、それが合法かつ安全で許可されているものだということを確認してほしい。確信が持てないなら、私は飲まない』とよく言っていた」と、一流のアスリートとして普段から体に取り入れるものに人一倍気を使っていたとする。

また、ハレプが「これまで教育を受けてきた価値観にまったく反するもの」と語っていたように、クリーンな状態で戦うことを重要としており、「誠実さに欠点はなく、仲間を尊重しゲームを愛して、親しみやすいチャンピオンとして常に地に足をつけていた」と、たとえ検査の回数が増えようとも文句を言わなかったという。ちなみに、今年3月にITF(国際テニス連盟)が公表した2021年のドーピング検査の回数は、一桁の選手も多い中でハレプは17回となっている。

ケーヒルは、「これから正当な手続きをもって、多くの疑問に対する答えが明らかになるだろう。シモーナが言ったように、彼女の人生の中で最も難しい試合が始まるんだ。私は彼女を信じている。この特別な問題に、今以上言うことはない。私はシモーナの味方だ」と締めた。

今年9月に31歳を迎えたハレプは、開幕戦のWTA250メルボルン大会で優勝すると、USオープン前哨戦のWTA1000トロント大会でツアー通算24度目のシングルスのタイトルを獲得。1年ぶりにトップ10入りを果たした。だが、USオープンは初戦敗退。その後、鼻の呼吸改善と美容整形を兼ねて手術を実施し、今季終了を発表していた。

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写真＝田沼武男 Photos by Takeo Tanuma

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