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2022.10.31

選手情報

今井慎太郎、悲願の全日本テニス選手権シングルス初優勝! 関口周一との激闘を制す

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今井慎太郎、大卒プロとして35年ぶりにシングルスV

10月30 日、「大正製薬 リポビタン全日本テニス選手権97th」(東京・有明)の男子シングルス決勝が行われ、第1シードの今井慎太郎(イカイ)が、2時間45分の激闘の末に第4シードの関口周一(Team REC)を7-5、4-6、6-3で下し、大会初優勝を果たした。

【画像】「全日本テニス選手権」男子シングルス・ダブルス組み合わせ

12度目の出場となった今井は、2019年からベスト8、ベスト4、準優勝と着実と成績を上げている。今大会も順調に勝ち上がり、準決勝では早稲田大学の先輩にあたる片山翔(伊予銀行)を6-1、7-5で下し、セットを落とさずに2年連続の決勝進出を果たした。

一方の関口も12度目の出場。3回戦の仁木拓人(三菱電機)、準々決勝の川上倫平(橋本総業HD)と第1セットを落としてから逆転勝ちを収めて、4年ぶり4度目のベスト4入り。準決勝では、第2シードの添田豪(GODAI)を下した元世界ランク60位の伊藤竜馬(橋本総業HD)を6-4、6-4で破って、初めて決勝の舞台へ進んだ。

試合は、今井が先にブレークしたものの、第3ゲームをサービスキープした関口が「あの場が緊張から楽しい場所に変わり、この決勝の舞台で観客がいる中で真剣勝負ができていることがすごく楽しかった」と調子を取り戻す。準決勝の伊藤戦で見せた先に攻撃を展開し始めると、第5ゲームでブレークバックし、流れが関口に傾き始める。

だが、今井も準優勝に終わった昨年から何も変わっていないわけではない。「ディフェンス部分での成長が去年から一番変わった」と、粘り強いプレーで関口にあと1本を奪わせず、6-5の第12ゲームでブレークし、7-5でセットを取った。

第2セットこそ、「ファイトする」をテーマに掲げている関口に押され、4-6で落としたが、今井には昨年の決勝を経験したアドバンテージがあった。「独特な雰囲気とか間違いなく緊張する場面、苦しい場面が出てくるのはあらかじめわかっていた」と気持ちだけは負けないように心掛け、最終セットはフィジカル面での差もあり、序盤で奪ったリードを守り抜いて6-3。悲願の全日本タイトルを手にした。

これまで「どこかで優勝したいという気持ちが強く出ていた」と欲が邪魔をしていたというが、今年はひたすらに目の前の一戦に集中し結果を残した今井。4年制大学を卒業した選手としては、1987年の西尾茂之以来35年ぶりの快挙だ。大学テニスのトップを走る早稲田大学在籍中には、「自身の一番足りなかった部分」だとするメンタル面が培われたとし、「次世代の子たちにその4年間は無駄ではないと伝えていきたい。大学卒業からプロになる選手というのも最近増えてはいるけれど、もっとトライしてもらいたい」とメッセージを込めた。

一方敗れた関口は、「正直、今日(タイトルを)取れないのかという思いはある」と悔しさをにじませたが、大会直前に右手首を痛めて欠場する可能性もあった中で、準優勝という結果を残した。今大会は、多彩な球種で相手の攻撃をかわす普段のプレースタイルではなく、相手と真っ向から打ち合って初めて決勝に進出。「自分の勝負してこなかったスタイルで勝負できた」と新たな発見もあり、全日本選手権のタイトル獲得へ「やっているうちはトライし続けます」と力強く語った。

<10月30日の男子シングルス決勝試合結果>
○今井慎太郎(イカイ)[1] 7-5 4-6 6-3 ●関口周一(Team REC)[4]

※()内は所属先。[]内はシード数

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma