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2023.01.19

選手情報

前年覇者ナダル、7年ぶりにグランドスラム3回戦に進めず。股関節負傷も「途中棄権でコートを去りたくなかった」[全豪オープン]

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第1シードのナダルが2回戦で姿を消す

前年覇者が苦悶の表情を浮かべ、最後は観客の声援に応じながらコートを去った。現地1月18日、「全豪オープン」男子シングルス2回戦が行われ、第1シードのラファエル・ナダル(スペイン/世界ランク2位)は、マッケンジー・マクドナルド(アメリカ/同65位)に4-6、4-6、5-7のストレートで敗れ、7年ぶりにグランドスラムで3回戦に進むことができなかった。

【動画】前年覇者ナダル、世界65位マクドナルドにストレートで敗戦 マッチハイライト

今季、男女混合の国別対抗戦「ユナイテッド・カップ」で幕を開けたナダルは、シングルス2試合を戦って勝利を挙げることができず未勝利のまま今大会を迎えた。

1回戦でイギリス期待の若手であるジャック・ドレイパー(同38位)を7-5、2-6、6-4、6-1で下して今季初勝利を挙げたが、2回戦のマクドナルド戦では大苦戦。試合開始から積極的な攻撃を見せるマクドナルドに対し、ボールコントロールを失って、2度のブレークを許して1-4に。1つブレークバックしたものの、4-6でセットを落とすと第2セットも早々にサービスゲームを破られてしまう。

ナダルは第4ゲームにブレークバックして追いつくも、第7ゲームで再びリードされると、続く第8ゲームで負傷。メディカル・タイムアウトを取って左股関節付近を治療し、苦悶の表情を浮かべた。

昨年のウィンブルドン準々決勝では脇腹を負傷し、チームから途中棄権を促されながらも戦い抜いて抜いて勝利を手にしたナダル。だが、今回ばかりはショット、フットワークに大きく影響し、マクドナルドのプレーに太刀打ちできず。4-6で第2セットを落とすと、第3セットもブレークポイントを握れず5-7のストレートで敗れた。

試合後、「何が起きたのかわからない。筋肉なのか、関節なのか。僕には股関節に問題があったという過去があるけれど、このような感じではなかった。今は動けない」とコメント。

負傷後もプレーを続行したことについては、「(プレーを)止めることは常に考えていたが、理学療法士に聞くことはしなかった。自分でわかっているつもりだし、ダメージを増長させないようにプレーを続けようとしたが、バックハンドが全然打てずに、ボールも追えなかった。それだけだ。チームには聞いていない。自分で決断できる年齢だし、前年覇者として途中棄権でコートを去りたくはなかった。何も言うことはないよ、相手を褒めてあげてくれ。それがスポーツというもので、最後までベストを尽くすということだ」と、棄権という形で試合を終わらせたくなかったという。

今回の負傷には「精神的に滅入っていないとは言えない。それを言うとウソになる」と、正直に自身の気持ちを表したナダルだが、それでも再びコートに戻ってくることに意欲を燃やす。

「自分がやっているテニスが好きだ。永遠でないことはわかっているけれど、競争していると感じることが好きだ。人生の半分以上、これで戦ってきた。そんなに複雑なことではないよね。好きなことをしている時、それは“犠牲”ではない。だって自分がやりたいことをやっているんだから。もちろん怪我と戦うのは疲れるし、フラストレーションも溜まる。でも、これまでのテニス人生において、それをうまく対処してきた」と、これからの検査も含めて怪我の具合を確認していきたいと語った。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma