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2023.10.10

選手情報

ジュニア世界ランク最高2位の齋藤咲良を指導する松田隼十コーチ、3度のダブルス準優勝をバネに「次はプロとしてグランドスラム出場できるように」

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――去年から今年にかけての齋藤選手について取り組んできたことをお伝えください。

松田:大きく変わったところで言えば、スケジュールの中にプロの大会を組み込んだところでしょうか。ジュニアの大会と併用するのが今年は初めての年だったので、ジュニアとは違うプロならではの試合の組み立てや通用しない部分を明白にしていくことを意識していました。特にサーブの強化、あとはベースとなるフィジカルの強化に取り組んできました。

ゲームメイクに関しては、相手も場所も変わる中でそういう状況に対して何ができるかというのをその都度、コートの中で考えるということがベースになっています。

――特にサーブのフォームが変わりましたね。それも少しの変化ではなく、“改造”という感じです。なぜ変えようと思ったのでしょうか。

松田:これまでは動作が多すぎて、プレッシャーがかかっていないときは良いのですが、プレッシャーがかかった時に考えることが多くなりすぎて、ミスが出てしまうというのが一番大きなところです。だからテイクバックを小さくしました。

あとは根本的にサーブを改良するために、身体をどう動かした方がいいかというのをマッスルメモリーだけでなく、頭でしっかり理解してトレーニングをした結果、打ち方が変わりました。全仏、ウィンブルドンの頃は全然フィットしていなかったのですが、(2~3月の)南米遠征でミスが多く出たのでもうやるしかないなと。まだまだですが、少し良くなってきました。

――そのために柴原トレーナーにお願いしたと。

そうですね、サーブを変え始めた頃に連絡を取り始めて、肩回りのトレーニングとサーブの動作を専門的にやってもらうことにしました。そのおかげでサーブが成長スピードが早いです。

――グランドスラムジュニアのシングルスでは2回戦の壁を突破し、初めて準々決勝に進みました。成長した部分や課題などがあれば教えてください。

松田:まだ課題はあるのですが、その中で去年に比べると精神的に強くなったなと。彼女自身、シードのプレッシャーがあって辛かったと思います。その中で全米オープンジュニアのシングルスでベスト8までいけたのはホッとしました。

来年もグランドスラムジュニアには出場できますが、今年でジュニアの大会は最後にする予定です。彼女もプロになる覚悟を決めているのではないかと思います。それが一番成長したところですね。もちろん技術面、フィジカル面、成長した部分はありますが、プロになるという意識が大きいかと思います。

――今後のビジョンについては。

松田:来年はプロのサーキットがすべてになる予定なので、次はジュニアではなくプロとしてグランドスラムに出場できるようにしたいですね。フットワークや敏捷性、ボールの質は負けないと思います。あとは、フィジカル面はもちろん、サーブや重要な場面で決められるウイニングショットは強化していきたいところです。

――齋藤選手の今後の活躍も楽しみにしています。お忙しい中、ありがとうございました。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma