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2024.06.10

選手情報

ズベレフ、グランドスラム初優勝ならず。大事な場面で判定を覆されるも「審判もミスをする。彼らも人間」[全仏オープン]

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ズベレフ、2度目のグランドスラム決勝も悲願の初タイトルならず


現地6月9日、「全仏オープン」(フランス・パリ)男子シングルス決勝が行われ、2020年全米オープン以来、2度目のグランドスラム決勝となったアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/世界ランク4位)となったが、第3シードのカルロス・アルカラス(スペイン/同3位)に3-6、6-2、7-5、1-6、2-6のフルセットで敗戦。最終セットには試合を左右する場面で厳しいジャッジもあったが、「審判もミスをする。彼らも人間」と受け入れた。

【動画】ズベレフ、2度目のグランドスラム決勝もあと一歩及ばず準優勝 マッチハイライト

27歳のズベレフは、前哨戦となったATPマスターズ1000ローマでキャリア通算22勝目を挙げて今大会を迎えた。1回戦では、今大会を14度制したラファエル・ナダル(スペイン/同275位)を破ると、2回戦では元世界7位のダビド・ゴファン(ベルギー/同115位)に勝利。3回戦以降は2試合のフルセットマッチを制して4人のシード勢を撃破し、4年連続の準決勝で初めて決勝への切符を手にした。

ズベレフにとってグランドスラム決勝は、2020年全米オープン以来2度目。「全米オープン決勝ではあと2ポイントのところで敗れ、2年前にはここで車いすに乗せられた。それもすべて僕の旅の過程。最高のテニスをして、最高のチャンスを掴みたい」と悲願のグランドスラム制覇に意気込んだ。

だが、それを阻んだのは21歳のアルカラスだった。第1セットを失ったズベレフは第2セットを奪い返すと、第3セットでは2-5から5ゲームを連取。セットカウント2-1として、勝利まであと1セットとした。しかし、第4セットでは疲れからかミスも増えて1-6で落とし、最終セットも5度のブレークポイントを生かせず、2-6と敗れた。

その最終セット1-2の第3ゲームでブレークポイントを握ったズベレフ。15-40でアルカラスのセカンドサーブを線審はフォールトと判定し、ブレークかと思われたが、主審がボールの跡を確認しインの判定に覆した。

海外のテレビ中継では、この時のホークアイ(ビデオ判定)の映像が流され、ボールはラインにかかっておらず実際はフォールト。しかし、今大会にチャレンジシステムはなく、ズベレフは抗議するももちろん判定は覆らず。そのままブレークできないまま試合が進んだ。

これについて試合後の会見で「第5セットで1-3とリードされるか、2-2に追いつくかというのは決定的な違いがある」と勝敗を左右する場面であったとしながらも、「フラストレーションがたまるけれど、それが現実。審判もミスをする。彼らも人間だ。もちろん、ああいう状況ではミスがないことを願うよ」と潔く判定を受け入れた。

自身2度目のグランドスラム決勝。前回の全米オープンでは「自分から勝負を手放したものだった」と、優勝まで2ポイントから悔しい敗戦を喫した。だが、今回は「彼が素晴らしいプレーをした。自分のできることはすべてやったと思う」と持てる限りの実力を発揮できたとした。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma